友人のフィギュアのリペアです。
熱やら有機溶剤揮発やらで、ポーズがおかしくなってしまった 食玩フィギアをリペアします。 最初は熱可塑性質を利用して修正したのですが、 どうもディスプレイ環境が熱のある状態らしく、数日でまたゆがんでしまいました。あまり経験のないPVC素材ですが、勉強も兼ねて 軸打ちで矯正することにしました。 軸打ちがムリなら、油抜きしてリペイント、という段取りにします。
このように前傾姿勢です。ディスプレイベースを付けてても倒れてしまう状態です。 ベースから貫通がベストだけど、ベースがクリアーなんでできればベースに手を入れたくないですね。てゆうか、ベースに六角の穴があるので、もともと腰のサポーターがなきゃ自立しない設計なのですね。
頑張って本体のみの改修でやってみようと想います。
足首3.44mm。PVC反発強度を考えて2mm軸を打ちたいのですが、そうすると片面余厚0.72mmか。刃物のカミコミを考慮して、不可視穿孔で誤差0.3mm以内ってところか。キビしいなw
軸打ち後、一度ピン切りすると抜くことが不可能に近くなるのでやり直しが利きません。長い軸を打ったまま自立させられるようにアンビルとバイスで治具をセットします。
3cmオーバーの軸を打って体幹を整えました。基準は足裏の荷重面中央法線の延長と、首の骨を同じラインに揃えることです。ピン切りしないで数日、電球熱にさらして変化を確認します。そして首の骨のズレが4mm以内ならOKとします。
足だけキャストで抜いた方が早いかなぁ・・・
日サロ中のアスカ。
耐熱耐久試験おわり。しかし、ことあと試練が。
最近、人物の筋骨の勉強をしてるので体幹や重心にちょっと敏感なような、混乱してるようなかんじ。たとえばこのアスカの体重重心は右足?左足?パッと見、左足だけどそすると腰のシンメトリが逆なのでは?と疑問におもう。。。
とはいっても、映像のダイナミズムは理屈にこだわってはいけないことも勉強したので、ここではちょっと検証するのみで、正解を求めることはしない。
そもそも、左足だけつま先立ちなのが、僕を混乱させた。間違いなく体重はかけられないし、芯を打つにしてもムズカシイ角度だった。
アルミ、ステン、チタンなどの高級素材に注目があつまりがりがちです。しかし今回鉄(Fe)の特製を改めてスゴイ材質だなと感じました。
ドリルで穴をあけられたり、耐熱放置されたりと、お疲れ様でした。
アスカ-02
アスカ-01で要領がつかめたので、精度とミスに気をつけながらサクサクと進めます。
やはり、足裏重心面法線と首を揃えます。
やや、左足よりのポーズなんですね。
ポーズもシンプルで、サクッと修正出来ました。 一応、耐熱試験しましたが問題なしです。 アスカ-02 完了!
レイ-01
レイ。一番ひどい状態でした。
13か15度くらいですね。
体幹が整ってますね。右足メインが確実なので、楽です。
細いけどw
さすがに3体目にもなると、慣れてきました。 完了です!
肩の分割ライン、スゴイですね。ピッタリはまります。 原型師に尊敬。
前半こそだいぶ苦労しましたが良い勉強になり、この手のリペアの方法が身に付きました。その後、みさとさんなど数体リペアしました。 写真も撮れないくらいあっさりと完了でした。フィギア・リペアはこれにて完了です。
みなさまに、楽しい模型ライフを!