古い時計の短針です。
受け取った状態です。黒いラインの塗装が剥げているので
これを修正するのが今回の目的です。
裏面です。取り付け軸の筒があります。
作業をしやすくするため、また部品保護のため
まっさきに治具を作ることにします。
筒の直径は1.76mm。
1.8mmの穴を開けます。
目には見えないけれど、筒と針の接合部にはノリシロが
あると想うので、その逃げのための面取りを行います。
部品が落ち着きました。
作業ライトとルーペを使って現状をチェック。
金属表皮も少々荒れているようです。
塗装を落とし、表皮をコンパウンドで軽くなでました。
裸にして解ったのですが、表面は中心に稜線がある山の形です。
このように素材や経年が不明な場合は、手を入れる場合も
最小限で進めるようにします。
裏面も、
軽く表面処理しました。
ここで一度きれいに洗浄、脱脂します。
マスキングテープは新品のメスの刃で切り出します。
中心の稜線に添って左右対称になるように慎重に貼り付け。
軸穴のマスキング
仮塗装が終わったのですが、このサイズだと
塗料の厚みが気になってしまう。
そして何故か、ラインが少しだけ右よりになってしまった。
シンメトリーはしっかり取ったのに。なぜ?
というわけで、塗装はいったん剥離しました。
顔料での塗装は保留して、極薄の転写フィルムを貼り付ける
ことにしました。やはり新品のメスで切り出して、、、
断面&塗膜厚とも、こちらのほうがいいですね。
が、しかし。また少し右よりに。なぜ?
この作業もマスキングの時も、稜線ど真ん中の自信があったのに。
よーーーく見てみると、稜線が中心をずれていて
すこし右寄りになっいました。何度かのシンメトリ失敗の原因でした。
ほんのコンマ何mmですが、時計という性格上は気になりますね。
針の中心を貫きながら、ずれた稜線までカバーするためには
少しだけ太めのラインを作る必要があります。
そして今度は稜線基準ではなく、板金の中央を狙っていけばOKです。
完成しました。
時計は好きですが、遊びで分解した程度の経験と本で読んだ知識だけしか持っていませんでしたので、今回いろいろ調べたりしてまた勉強になりました。これからも違うジャンルの工作も積極的にチャレンジして行きたいです。
みなさまに、楽しい模型ライフを!