MG ガンダム F91 Ver.2.0

作品番号 U26

 

MGガンダムF91 Ver.2.0の仮組みレビューです。

 

 

 

ここから制作風景です

 

ガンダムF91は15m級の小型モビルスーツということで、一般的な18m級モビルスーツとは少し違う構成になっているキットでした。

 

たぶん一番の特徴として、ポリキャップを使用してないことが大きい特徴です。小型ゆえに各部の自重が少ないこと、ポリキャップだと面積摩擦を確保できないこと、などが理由だと予想します。

ちなみに旧キットのVer1.0も関節ポリキャップは不使用でした。そのVer1.0は関節設計が優秀だったらしく、過去何機か作った完成品はだいぶ年月が立ちますが、どれも関節がヘタレていません。Ver.2.0はまだ耐久性は不明ですが、今回も優秀設計であることを期待したいです。

 

 

小型機ゆえ、ゲート跡が残っているとパーツ同士に隙間ができ、それがとても目立ちます。キットの精度は良いので、ゲートやバリを丁寧に(またはエグるくらい)取り除けば概ねピタッとハマります。

また、今回は(いつもにも増して)自分の指が多く写ってしまいました。これもやはり部品が小さいための副作用です。ピンセットに挟んで撮っていた時期もあるのですが、それよりも指を比較対象にすることでパーツの小ささが直感的に伝わりやすいとおもいまして、そういった経験則から手持ちで撮影しています。

 

 

頭部は2つ用意されています。フェイス開閉式と、通常の固定式です。こうして2つ用意してくれるのはとてもありがたいですね。

 

 

固定式の頭部です。18m級でも一体成型されているバルカンですが、このキットでは別パーツ化されています。すばらしい。

 

固定ヘッドの構成や精度はMGの標準的な仕上がりです。塗装すれば良好な仕上がりになるでしょう。

※写真を忘れましたが、ヘルメットを外してフェイスパーツを換装することで、閉/開の2状態を再現することができます。あとで写真追加します。

 

つづいて開閉式の頭部です。小さいのに非常に良くできています。前面においては開閉式も固定式も、ほぼ大差ない仕上がりです。

 

後頭部はかなり違いが出ました。開閉式もすり合わせをしっかり行えばスキマを詰めることが可能です。

 

 

シーブック。

余談。
F91が富野作品として良くも悪くも突出しなかったのは、主人公が心身ともに健康だったからだと感じます。何をやってても安心して任せられる健全な主人公。対してクロスボーン側はルックスと行動と精神のバランスが悪く、いかにも悪役風。富野作品において勧善懲悪というのは、すこし(だいぶ)物足りない。

やはりガンダムは、ギリギリの境界線の上でどっちに居ればいいのか分からない不安定な感じ、しかもどっちに転んでも薄幸な感じが、僕は好きです。

 

 

バリの出ないスリット、メタリックコーティングしても潰れないディテールなど、設計から金型まで丁寧でいい仕事をしています。

 

この背中の4段スラスラー。まだMG F91 Ver1が出てなかった頃、無印キットをベースにスクラッチした経験があります。よく見ると同心円になっていない、サイドスラスターの角度が逆など、実は見た目よりも非常に難しい構成です。Ver1でほぼ理想形になりました。

このVer.2.0では、基部が電光用にクリアーパーツになっています。色プラのパーツ分けも良くできています。ただ個人的にはV2のテーパースラスターよりも、V1のベクタースラスターのほうが好きかな。

 

 

ヴェスバーはこのレールにマウントされて動く設定ですが、プラでは強度が取れなので再現はほぼ不可能。なのでジョイントは胴体側に置き、擬似的にレールを沿うような構成になっています。有機的曲線のレールを再現するのは非常に難しいことですが、よくできています。

 

細かい精度ではVer2が改善されてますが、ディテールなどの好みによってはVer1を選ぶのも十分有りです。

 

よくできたメッシュスリット。

 

肩の三連フィンの可動は、従来のキットとほぼ同様の機構。

 

なかなかコダワリの抜きをしています。かなり早い時点で「良い金型を使う」と決めてたのでしょうね。

 

Ver2発売の噂を聞いたときからシールド吐出口の黄色は色分けされるだろうと期待していた。ここは鬼門とも言える部分なので、意地でも色分けしてほしかった。こここそ技術の見せどころだったのに。

 

 

ビームシールド。MGシリーズの中でも特に立体感があります。表面処理は末端ツヤありで中心付近は砂地処理。蛍光剤も多めに入っていて、無加工無塗装でも良い出来です。

 

※写真を忘れましたが、マニピュレータは「HGUCに近い仕上がり」です。せっかくのバージョンアップなので、ディテールか強度か、なにかしら改善が欲しかったです。時間があったら写真アップします。

 

 

スリットの開口、独特なダクトの色分けなど、地味だけど力の入っているパーツ構成。

 

サイドアーマーとリアアーマーも色分けパーツ。サイドの黄色三角はコーションマークでしたっけ?ウェポンポイント?

 

 

股間軸は一軸で、太もものほうで可動させるタイプ。これはいいですね。関節の設計がよくできています。

 

ふくらはぎの三連フェアリングの可動。初心者モデラーだと組み立てが難しいかもしれませんが、キットの精度はビシッと出ていますので、根気よく繰り返せばピタッとハマります。

 

 

赤スリッパの極太湯口は、なにかの性能を優先させた結果でしょうか、金型職人の調整だと思います。

足全体は、楕円と矩形が交じる難しいデザインで、機械系の人間からすると感覚的に気持ちの良くないラインなのですが、このキットはとても上手くまとまってると思います。写真を撮り忘れましたが、ヒザ下スリットからチラ見えする金色フレームも良い感じです。

 

 

ヴェスバーの可動はベーシックなもの。後端の4連ノズルは、もうすこし凝ってほしかったですね。黄色別パーツ化もできるであろう形状だけに。

 

 

大河原風なライフル。現代風にアレンジせず、これはこれでいい決断だと思います。スリットとディテールの精度良い。

 

やはりここでもスリットに凝っている。それができるのなら、モナカ割を改善してほしいなぁ、とリクエストします。

 

 

F91は本体も武器も、有機的なラインなんですよね。これも安易に現代風にしない、良い決断。

 

 

Ver.2.0を組んだ感想は「ガンプラではトップレベルの、良い金型屋さんだな」でした。もちろん良質金型を前提にした設計も、このキットのメインバリューだと思いました。

 

 

 

おまけ。

左がVer.1、右がVer.2です。

 

左がVer.1、右がVer.2です。

 

 

 

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