クーロンガンダム・ウイングファンネル仕様を制作しました。
●全体的な制作内容
・バーストモードはオミットし、ノーマルモードの固定仕上げ。
・腰やヒザなどの強度不足な関節の改造強化。
・胸ダクトや肩ブロックなど新規パーツでデザイン変更。
・ファンネルのマウント方法をウイング仕様に変更。
・クーロンデザインをアレンジしたデカールを自作。
・メタルパーツの取り付け。
・その他、いくつかの新規アレンジを行いました。
●下記のような基本工作や細かな改造は説明を省略しております。
・過去の失敗と対策の蓄積
・工作箇所の念入りな検討
・改造箇所の採寸や図面引き
・関節強度調整
・ポリキャップ装着穴の面取り
・スナップフィットの調整
・超音波洗浄
・長期間でも退色しない強い塗装
・メタルパーツ取り付け
・できるだけ接着剤よりネジ固定を優先
・指紋やホコリの対策
・ポロポロ・ギシギシの予防
などなど、全部書くと長くなってしまうので説明は省略しております。
ガンプラ制作で気を使っていることや制作ノウハウについては【ぷらちく】も参考にしてください。
●ここから頭部の制作です。
●頭部
・ホホのスジボリを掘り直し。
・ひさしの下のバリ取り。
・チンガードのバリ取りと面構成の修正。
・トサカのバリ取りと整面。
・フェイスパーツ下端のアウトラインを修正して小顔化。
・首の関節がキツイのでポリキャップを調整。
・首の高さを約1.8mm詰めました。
・バルカンにはPPアポジ2mmを埋め込み。
・薬莢排出口はグレーで塗り分け。
・アンテナの整面とシャープ化。
・襟足のパーツは最適な位置で固定してあります。
※「ツインアイやセンサーを鮮やかに塗装するにはどうしたらいいんですか?」という質問を多くいただきましたので、ぷらもっちの【ぷらちく】のコーナーに「ツインアイ塗装方法」と「蛍光塗料と光源について」をアップしました。蛍光塗装のウンチクなどが書いてありますので、ぜひ見てみてください。
●肩から腕の制作です。
・肩のフレームパーツK22とK23の重なりにスキマが出来る不具合があり、これが原因でアウターパネルに段差が発生してしまいます。この対策のため、接合面を削り込み接着剤でしっかり固定します。
・肩の球体関節の周辺のスキマが大きいのが気になったので、プラ材から作り出したブロック状のパーツを追加しました。
・ヒジのパーツ(K25)のダボが過干渉する不具合を調整。
・前腕の連動機構がパーツに過負荷をかけているので修正。
・フレームはペールグリーンメタリックやEXゴールドなど数色で塗り分け。
・ヒジ関節は丸皿5mmとマイナスリベット4mm。
・上腕前腕の関節は大きい荷重はかからないのでそれほど強度はいらないですが、標準的な強度調整と塗装面干渉調整を行っています。
・左腕のビームサーベル。手首との接続ピンなど可動部が大雑把な作りなのでギミックはオミット。収納状態での見栄えを最優先で制作しました。
●マニピュレータ
・軟質樹脂はPTLやヒケの処理が難しいので、パテを盛って整形。
・手首関節がグラグラなので、しっかり固定。
・右手はライフルグリップにしっかり固定。
以前に完成品を納品した依頼者様から「左手が完成写真のようにならない」という問い合わせをいただきました。このマニピュレータは可動範囲が自由すぎるせいで、ポージングが非常に難くなっております。さらに何度か動かしているとポロッと取れてしまい、そのあとはほとんど保持力がなくなってしまいます。
ですので、いろいろと思案検討した結果、ベストプロポーションの握り手で固定して仕上げています。
●肩関節と胴体の接続
・肩のせり出し機構は、設計・構造・材料が致命的に弱いので、ネジでしっかり固定。
・ライフル&シールドを装備した状態でベストのアングルと強度を確保しました。
●胴体フレーム
・コクピットを支えるフレームにプラ板を挟んで強度アップ。
・横隔膜に1枚、脇腹に2枚のプラ板を取り付けて強度アップ。
・合計5箇所に補強プラ板を追加しました。
●腰
明らかに設計不良なのにいまだに改善されない腰関節。特にニューガンダムは重いファンネルを背負うので改善必須です。キットのジョイントはオミットし、腰の高さを調整したうえで、ネジでしっかり固定します。(写真は撮り忘れましたが)肋骨可動部はカトキポーズになるアングル(腰骨間24mmノギス測定)で固定。
●股間フレーム
・股間のパーツ(K1)の上部分がフレームと干渉するので、クリアランスを修正。
・股間軸の回転機構はあまり意味がない上に強度を落としているので、しっかり固定。
・股間フレームの見えなくなる部分も、メタルパーツを装着。
・太ももとの軸は強度設計が弱く、慣れてないと軸を折る可能性があります。軸とポリキャップのクリアランスを調整し、肉抜き部分にパテを盛って強度をアップ。
完成後には見えなくなる部分もできるだけディテールアップを施しています。
●足部
・立ちポーズでしっかり自立させるために、股間・ヒザ・足首などの関節を固定。
・フクラハギパーツ(L22/L23)は下のピンをカットして収納位置を調整。
・フクラハギのパーツがピッタリ収まらない不具合を調整。
・ヒザ関節は丸皿6mmとマイナスリベット5mm。
・制作中は何度も仮組み分解を繰り返しますので、どうしてもスナップフィットやパーツ自体が疲れてきます。なので本番フレームとは別に、仮組み専用のフレームを使用しています。仮組み専用フレームは、すべてのスナップフィットを少し緩めに調整してあるので、部品へのストレスが非常に少なくなっています。
また、スナップフィットがきつい状態のまま制作した完成品は、プラが割れやすくなります。製作中はもちろん、完成後もできるだけ長くコンディションを保てるよう、長年の経験からの調整を行っています。
●フクラハギのバーニア
・フレームを改造し、下側のフェアリングの可動範囲を拡大。
・マウントを追加して、ノズルを4基から6基に増やしました。
・自作のアンチキャビテーション型オジーブ・ノズルCを使用。
ノーマルのノズル2基ですと隙間が多かった。クリアランス的にノズル3基がピッタリです。
しっかりした自立を目指すため、足裏はガラス面を使って完璧な平面性を保持するようにして、ガッチリ固定します。ここは時間がかかる部分なので、早い段階で工作してます。
フレームの接着剤乾燥待ち時間などを利用して、外装パネルやディテールを加工していきます。
固定のためにネジを多用していますが、完成後にネジを見せないようにするのも、けっこう技術がいります。
●バックパック
・ウィングファンネル方式にするためにフレームマウントを改造。
・面のメクレが多いので整面。
・パネルがピッタリ閉まらない不具合を調整。
・エンジンマウントを改造し、ノズルを4基から6基に増やしました。
・ステンレス製アンチキャビテーション型オジーブ・ノズルCを使用。
シンプルなようで結構難しいバックパックが完成しました。
●ファンネル
・片持ちファンネルをウィングファンネル方式に改造。
・マウントのアングルと強度を調整。
・白い細長いパーツがわずかに反っているのを修正。
・ファンネル連結用ブラケットの歪みを修正。
・ファンネル連結用パーツがキツすぎてパーツが歪むのを調整。
・黄色パーツのスナップがキツく、ファンネルが歪む不具合を調整。
・左右3個ずつのファンネルをしっかり固定。
ファンネルを含め、全体的にデカールをリニューアル。
●ビームライフル
・右手とライフルグリップをしっかり固定。
・ライフルの向きが体幹に対して正しくなるように手首のアングルを修正。
・指セフティを再現。
・甘いディテールにはメタルパーツを装着。
・カラー配色を一部変更。
●バズーカ
・バズーカは背中に装着する状態を優先して制作しました。
・伸縮機能とグリップを固定仕上げ。
・弾頭にマイナスリベット3mm、弾邸に丸皿3.7mm+マイナスリベット3mm。
・銃底は丸皿5mm+マイナスモールド4mm。
・バックパックとの保持が弱い不具合があるので、ネジで固定しました。
●シールド
・クーロン仕様にするため、ディテールをパテで埋めるなどの加工。
・ジョイント部がグラグラするのを補強。
・ミサイルとマウントが干渉する不具合を調整。
・ミサイル先端やシールド内側にマイナスリベットなどのメタルパーツ装着。
・シールドのザインは、アウトライン内に収める部分とはみ出す部分のバランス取りなど、非常に時間をかけました。
●塗料について
最近のホビー塗料は安全性を重視するあまり、塗料としての本来の機能を失ってしまったことに疑問とストレスを感じていました。そこで「発色良く隠蔽力があり、即乾で塗膜が強い」という塗料を自分で作るようになり20年が経ちました。現在では業務用の「昔ながらの頑固な塗料」を使っています。発色がよく、経年変化や退色にも強い安定した塗料です。
●カラーレシピについて
上記のとおり「業務用の原色」を使った自家製レシピです。方程式のような長くてわかりにくいレシピですので、詳細は省略します。キットごとに調色し、さらに部位によって微調整した色を使い分けています。
クーロンガンダム・ウィングファンネル仕様、完成しました。
制作風景の写真は、過去の制作から流用している場合があります。
なぜかというと、制作に夢中になって写真を撮り忘れることが多いからです。できるかぎり制作風景をわかりやすくしたいので、過去写真を利用したり、時系列を入れ替えたりする場合があります。ご了承ください。
みなさまに、楽しい模型ライフを!