RE/100 MSN-04II
ナイチンゲール
改造制作

作品番号 W11

 

オーダー制作依頼をいただいておりました、RE/100 ナイチンゲール改造制作が完成しました。

 

 

何枚かの写真を大きいサイズ(1024px)で掲載しました。こちらのページです

 

 

ここから制作風景です

 

「中身はともかく、キット化してくれただけでも感謝!」の、REナイチンゲールです。

 

これから書く記事で、このキットへの厳しい感想をいくつか書いています。でもそれは文句ではなく、ガンプラ40年作り続けての素直な感想です。無理してお世辞を書くこともできますが、それはかえってガンプラの世界を狭くすると思います。

キット化してくれたことには感謝してますし、このキットは現時点で4個作ってますので大いに活躍しています。これからも「なぜかキット化されない不遇の機体」をREシリーズで出し続けてほしいです。

 

 

で、いきなり正直な感想を申しますと、同じRE100でもGP04は3500円でMGを超えるクオリティなのに、それと比べて8800円のナイチンはどこをとってもキビシイです。それだけに改造するにつれどんどん良くなっていくので、作りがいがありました。

 

※写真も多くなりましたが、無理に1ページに納めたので縦に長くなっております。最近は様々な端末があり、どれに合わせてレイアウトしたらいいのか迷っています。「見ずらいので数ページに分割してほしい」「このまま1ページでOK」といった意見があったら聞かせてください。

※ずっと使っていたカメラが不調で、予備のカメラで撮っています。なので色味がズレている写真がありますことをご了承ください。カメラ趣味の方、撮影のアドバイスもらえたら嬉しいです。

 

 

●それでは制作風景です。まずは頭からです。

頭部の位置が高く、また矢印の部分が干渉するので、頭が上を向いた不自然な角度になっています。これを改善します。

 

首元フレームをピンク・緑・青の3つに分割し、パーツ干渉を改善します。頭部位置を下げるため、ヘルメットのチンガードもカットします。

 

 

首元のフレームの高さを段階的に調整して再設置。

 

 

首のフレームもカットして頭部の高さを下げます。もともと首のジョイントがゆるく頭部の保持がグラグラなので、後頭部を支えるサポートを新設。

 

 

頭部フレームの角度はアウトラインの美しさに大きく影響するので、最適なポジションで固定にしました。ネジのシーソーで0.1mm単位で調整できます、ネジ特有のメリットです。

 

 

フレームが決まったら、アウターパネルの制作に進みます。このキットは残念なラインと美しいラインが混在しています。美しいラインを活かすように整形をしていきます。

 

 

ヤスリがけが終わったら超音波洗浄して温風乾燥。ふたたびヤスリ、あるいは塗装へ。この工程は全パーツに行っています。

 

 

モノアイは丸皿モールド3.7mmとレンズ3mmの組み合わせ。

 

 

上向きだった視線も、正面を見据える角度になりました。

 

塗装が終わったら墨入れ・デカール・トップコート・メタルパーツの順で仕上げていきます。

 

 

胸からおでこ・頭頂・後頭部・背中のアウトラインがキレイに繋がりました。また頭部下端ラインと胴体のエリとのクリアランスもとても美しいです。このキット、この辺りの曲面の処理は非常にすばらしいです。

 

 

 

●ここから胴体の制作です

胴体は可動が少なくシンプルで強度もあります。なのでディテールを付け足していく方向で制作します。

 

白いダクト、上からポン付け状態です。これをテーパーに削って、内側から突き出すように加工しました。

 

 

キットのマルイチは削り落としました。穴を大きくして面取りしたあと、丸皿モールドと塗装したマイナスリベットを装着。こういう場合マルイチを揃えるかランダムにするかは、主観で判断しています。ちなみに揃えるよりもランダムの方が数倍難しいです。

 

 

胸中央下と脇腹などにスタビライザーを追加。メタルパーツも各所に追加。

 

 

背中に付くプロペラントタンク。キットのタンクは細すぎ長すぎ。太くするか短くしたほうがバランスがとれます。

 

 

というわけで短く&太いプロペラントタンクに変更。

 

 

これは自分で設計したプロペラントタンク・キットです。塗装もしやすいし組み立ても簡単で強度もあります。

 

 

メンテと梱包と郵送を考えて、プロペラントタンクは取り外し式にしました。

 

 

上半身がが出来上がってきました。

 

 

●つぎに腕の製作です。

これはノーマルの肩ジャケットです。単体で見ると問題ないのですが、本体に装着すると他のラインとのつながりがなく、取ってつけたような違和感が生じます。またこのパーツは可動しないので、好みの角度に調整できないのもつらいです。

 

 

というわけで、肩ジャケットは別キットから流用しました。

 

 

肩ブロックも流用パーツを使用。フレームの補強やディテールの調整など行っていますが、全部書くと長くなりすぎてしまうのである程度省略しています。

 

 

関節のダストカバーは砂漠仕様ならマッチしますが、宇宙用機体にダストカバーは違和感があります。前腕上腕もバランスが悪いので全体的に交換しました。

 

 

キットの手首はエモーションマニピュレータですが特に可動するメリットも少ないので、ディテールの良いマニピュレータに交換しました。そのさい手首ブロック新造と自作ボールジョイントで自然な角度になるようにしました。

 

 

首を中心にして各ブロックが放射線状に並ぶ、こういうのがバランス取れている状態だとおもいます。キットノーマルは各パーツのラインの流れが考慮されてないのが、美しさを感じない原因の一つです。

 

 

●腰ブロックの制作です。

全体的に曲面デザインなのに、フロントアーマーだけ直線でしかも鉄板リベット打ちみたいになってます。これがとても違和感。たしかに元のデザインもこれに近いのですが、なにか微妙な違いでぜんぜん別物になっています。

 

というわけで流用パーツで作りかえました。ナイチンゲールは、サザビー・アルファアジール・ノイエジールなどのデザインラインと共通性があるほうが良いと思います。

 

 

股間中央です。取付角度を変更し、上半身や頭部やライフルと平行になるようにしました。全身に数箇所あるダクトは、今回は白とグレーと黒の塗り分けで統一しました。

 

 

こういった凹曲面や直線などいろいろなジオメトリがある場合、理屈で計算してもキレイな配置になりません。ここは何度も何度も仮組みしてバランスの良い配置を見つけました。

 

 

フロントアーマー左右は股間ブロックに固定、その股間ブロックもフレームにネジ固定にました。なので腰フレームの不要になったジョイントを削除し、ディーテルアップ。

 

 

サイドスカートは単品でみるとシンプルで物足りないですが、本体に組み込むとアウトラインが繋がります。なので外枠は変更せず、追加ジャケットでボリュームアップしました。

 

 

ノーマルと比較。腰回りのパーツは、ふんどしのように垂らすのではなく、F1マシンのフロントのように前後に伸びてるイメージです(個人的な好みです)。

 

 

腰回りの部品の配置(角度)は、車高の低さと相関関係にあります。どちらか一方だけ改造してもバランスは取れないです。

 

 

●ここから足の制作です。

最近のMGやRGは可動を優先しすぎて強度が不足で、立つことさえままならない。逆にRE100シリーズはシンプルな可動とシンプルなフレームが良い・・・のはずなのに、ポリキャップが小さすぎて設計も悪く、結局グラグラで自立できない。

 

ラチェットやストッパーがついてますが、設計的に間違っているので機能していません。ストッパーは解除し煽動部は軸を太くするなどで改善します。

 

もともとナイチンは派手にアクションするデザインではないし、ベストポーズも意外とシビアなので、固定にしたほうがメリット多いです。

 

 

僕のナイチンゲールのイメージはモビルスーツではなくモビルアーマーです。「人型」ではなくF1マシンとか戦車のイメージ。なので重心を大きく下げるために(ついでにディテールアップのために)足は別キットのものに交換しました。

 

 

大幅に車高を低くしました。

 

フレームが決まったらアウターの制作に入ります。

 

 

前回のナイチンは浮遊ディスプレイでしたが、今回は接地・自立で制作しました。そのため足部の強度が必要になるので、可動・固定の選択やディテールなど変更になりました。

 

 

塗装乾燥時間などを使って、ノズルの組み立てなどを行います。

 

見た目は地味ですが大好きな塗料、ペールグリーンメタリック。チラ見えで使うと効果的。

 

 

パネル可動は、シルエットを前後に伸ばすことを念頭に置いて、前後に開き、左右は閉じにしました。

 

 

しっかりした足が仕上がりました。

 

 

 

●テールバインダーの制作

MGやRGだとフレームを詰め込むので重くなりがちですが、RE100は軽量というのはこの場合大きいメリットです。しかしER100は組み立て方法も簡易のため、何度も組み立て分解をする制作がやりにくい。後ハメできるようにしたり、スナップや接着ではなくネジで固定できるように加工しました。

 

最近は細かくスリットするのが流行っていますが、切り返しのない大きい曲面っていうのも魅力があります。せっかくなので曲面を切らずに仕上げることにしました。

 

プロペラントタンクはモナカ割ですが、形状やバランスはとても良いです。接着して合わせ目消し、スジボリ、塗り分け、デカール。

 

 

●ファンネルコンテナです

ノーマルです。右半分の流線型にたいして、左半分の直線が機械的すぎる。左も流線型にしたらずっと良くなったと思います。

 

 

今回はコンテナ全体を変更、取り付け方法も大きく変更します。

 

 

スパンが大きい部品なので、基部の取り付けがわずかに違うだけでシルエットが大きく変わります。

 

やはりここも単体だけでなく・・・

 

頭部・股間ブロック・シールド・ライフルとファンネルコンテナのラインが統一されることが大切です。そしてどの角度から見てみてもラインが崩れないようにするのはさらに難しい。そういったところにデザインの醍醐味があると思います。

 

 

ファンネルは設定と同じ左右5個ずつ合計10個。サザビーやヤクトドーガと同系統に揃えました。

 

 

裏側はノズルなどメタルパーツ多めに取り付けました。

 

 

●ウェポンの制作です。

こちらはノーマルのライフル。元デザインとはぜんぜん違うアレンジだったりモナカ割りなのはRE100なので納得です。でも全ガンプラ共通の鬼門である「ちゃんとグリップできない、重底が干渉して構えられない」は、改善しないとどうにもなりません。

 

 

というわけでライフルは全交換しました。

 

デザインもパーツ分割も良くできています。抜きの制限で面とディテールが甘い部分を起こしていきます。

 

本体と共通性をもたせてカラーリングを配分。

 

 

センサーレンズはゴールドで統一しました。

 

 

 

マニピュレータもしっかりグリップできるものに変更。手首にオフセットがついているのでライフル保持が改善されます。たったこれだけの工夫ですので、ガンプラもこれが標準になったらいいのになぁ。

 

 

ライフルが完成しました。

 

 

●シールドの制作です。

個人的に好みとは違うというのもありますが、装備したときに本体と干渉するのでどこにも位置決めができないという根本的な問題があります。

 

シールドも全交換になりました。

 

 

このシールドはデザインも抜きも良いので、ほぼストレートに組んでいます。

 

ジオン紋章はエングレービングを生かして塗り分けで再現。

 

各所にメタルパーツを配置。

 

ジョイントはキットのものを加工しました。

 

 

 

●最後に全体の写真です。

 

 

 

このキットについてはいろいろと厳しい感想を書きましたが、こうして制作のキッカケになっていますし、やはり出してくれただけでも感謝しています。マイナー機体を出してくれるRE/100というカテゴリは、ぜひ続けてほしいですね。

 

 

 

RE100 ナイチンゲール、完成しました。

 

 

制作写真の一部は、過去の制作から流用している場合があります。なぜかというと、制作に夢中になると写真を撮り忘れることが多いからです。また製作工程の時間軸が前後する場合もあります。できるかぎり制作風景をわかりやすくしたいので、そういった処理をする場合がありますことをご了承ください。
最後まで観て頂いてありがとうございました。 みなさんの感想やリクエストが僕の製作の励みになっています。 よろしかったら気軽にメールなどくださいませ。

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