友達から「これ作れないから、作って」と、謎のキットを頂きました。
ステルス攻撃機 F-117 ナイトホーク。スケールは1/165。
まじめなスケールモデルなら「4D」という用語は使わないはずなので、食玩か子供向け玩具っぽい感じがします。日本語がないし、中国などのアジア語表記もない。アメリカ製なのかな?
パーツ分割はプラモデルというよりパズルですね。だから友達は組み立てられなかったのかな。
「5分くらいで組み上がる感じだな」と、気軽に始めたのですが・・・
ほぼすべてのハメ合わせが全く入りません。
2mmの穴に4mmの棒を差し込む感じです。プラモ制作というより、昔のヨレヨレのガレージキットを再生してる感じ。修正のために硬い素材に刃物を大きく入れるので、刃物破損やケガのリスクが高く、とても神経を使いました。なので途中写真がほとんど撮れませんでした。たぶん3時間か4時間くらいかかりました。
これは子供が組み立てるのは無理です。大人でも相当マニアな工具と応用技術を持ってないと、たったひとつのアッセンブルも無理です。
だいぶ苦労しましたが、なんとか完成しました。完成してみると、なかなか良くできてます。分割ラインはステルスラインに沿ってる凝った作りだし、ツラもキレイに合ってます。
まぁ実際の飛行機も「ここ部品が入らない!」とかありますからね・・・
すこし余談になります。(個人的意見なので、読まなくてOKです)
学生の頃は戦闘機など陸海空すべてのミリタリー物も大好きで、プラモデルもたくさん作ってました。社会人になってから、好きが高じて某重工業で自衛隊戦闘機の実機をいじる仕事に就きました。また、米軍基地のすぐ近くに住んで毎日飛行訓練を見て、少し電車に乗れば海自&潜水艦も見られる。総火演で陸自を見て、海外で実銃を撃つという、ミリタリー好きには幸福な環境でした。
そうして本物の飛行機の図面や実機の「ふくろ」までも見てきましたが、当然「機密」なので、他人に話せない&模型で表現できないというジレンマに陥りました。そして、それまで持っていた「リアルを求めて模型をつくる」という探究心が崩壊しました。(ガンプラだけじゃなくスケールモデルも作ったほうがいい、と言われると、辛かった)。
同じように自動車も実車や競技に夢中になった時期があり、「メカ欲」はリアルのほうで満足していたので、スケールモデルは30年くらいほとんど制作しなかったです。
そんなわけで実車実機は楽しさもあるけど、神経使うし辛い出来事も多いので、模型は「楽しむこと」を最優先にしました。たとえば「実機ではC面だけど、ここはRのほうが好きだなぁ。Rで作ってみよう」とか。そういう自分にとってガンプラは表現の自由があって良かったです。ガンプラ作るときも、ガンダムの青焼図面とかMS27039の長さとか、腕はいいけど怒りっぽい現場主任とか、実機整備の思い出を盛り込みながら作っています。
余談おわり。
上記文章は【ぷらちく】僕はリアルを求めないの記事に転記しました。
ステルス機の不思議な造形は興味があったのですが、ステルス初期のような「ウワサ話」はあまり好きではないのもあって、ステルス以降の知識はほとんどありません。なので、このプラモデルがどれだけ再現性があるのかも解らないです。
でも知識がなくても、飛行機ってやっぱり魅力的。
同時に SR-71 ブラックバードのキットも貰いました。
ブラックバードは飛行機の中で一番好き。速さが好きなのではなく、速さ以外の大切ないろいろを犠牲にしてるバランスの悪さが好き。いずれ作りたいと思います。
みなさまに、楽しい模型ライフを!