PG ゼータガンダム MS形態固定仕上げ 完成しました
|トップ|完成写真|頭部|上半身|腕|腰|足|ウイングバインダー|ライフル|サーベル|シールド|
■2000年に販売された「PGゼータガンダム」をモビルスーツ形態固定で仕上げました。
■今回の制作内容は非常にボリュームが大きく、写真だけでも5000枚以上あります。全部掲載すると長くなりすぎてしまうので、基礎工作やキット自体の説明は省略しています。今回特有の改造内容と、自分自身の製作メモと言う感じで記しています。
■キットの品質の良い部分については改造もなくスムーズに進むため、写真も解説も少ないです。逆に、改造内容(キットの欠点)の記述が多くなりました。そのため相対的に欠点指摘が多くなっていますが、総評は素晴らしいキットです。
■改造のほとんどが「強度不足をブラケット追加してネジで固定」「謎のC面を美しく整面」です。本文中に何度も何度も言ってるのでしつこく感じるかもしれませんが、あらかじめご理解ください。
■略称で表記する場合があります
PGZ=パーフェクトグレードゼータガンダム
MS=モビルスーツ形態
WR=ウェーブライダー形態
2025年現在では、ツインアイはクリアーとブラックで別パーツにするのが定番で、加工や塗装の利便性がアップしています。
2000年のこのキットは、システムインジェクションの同時多色成形。25年前の当時は革新的技術でしたが、塗り分けが必要なのが少々デメリットになります。とはいえ今回のパーツはディテールがしっかりしてるので、加工も塗装もキレイに仕上げることができました。
簡単に仮組みしました。アニメ調の面長ですね。正面はバランスとれてるのですが、側面からみるとちょっとバランスくずれてるかな、と思います。
可動をたくさん盛り込んでギミック満載です。しかしそれが原因でパーツがグラグラ、隙間ができてしまいます。フレームやパネルの加工、ポリキャップをカットするなどしてフィッティングしました。
アニメ風の面長なシルエットを、小顔に加工します。個人的にはセンチネル・Ex-sなどの小顔が好みなので、それをイメージしてバランスとっていきます。
耳の下のアウトラインがグチャグチャです。ゼータプラスのヘルメットを参考にしてラインを整理しました。
同時にエリアシのラインも修正。
塗装とスミ入れをして組み立てたら、赤線のところに「四色問題」のような見た目の悪さが発生。仮組みサフで良かったとしても、塗装すると想定外の問題が発生!というのは良くあります。
※四色問題=どんなに複雑な地図でも4色で塗り分けられる。逆に4色で塗り分けができないのなら、別のなにかがミスってる。
小さい白い面が悪目立ちしてるので、パネルラインを変更して塗装を全部やり直し、黒い面を追加。
面構成と色が整理されました。
「センチネル風に・カトキハジメ風に」と書いてますが「センチネルを完全再現」というわけではありません。キットの素性をできるだけ残しつつバランスを整えていくと「自然とセンチネルに寄っていく」という感じです。
V字アンテナは開閉可動を残してあります。バルカンをPPアポジ3mm+ロングアポジ1.5mmに変更。アンテナのシャープ化。正面から見るとかなりイカツイ目つきですが・・・
横から見るとゼータの優しい顔になります。
このキットはモビルスーツからウェーブライダーへの変形のため、非常に多くの可動があります。そのため全身がグラグラで自立できない、パーツは隙間だらけでポロポロ外れる。このキットに限らず、変形式ガンプラの強度不足は共通の弱点ですね。
今回はMS形態固定でしっかり強度を作っていきます。
接着剤は経年劣化でいずれ分解しますので、できるだけ使いません。ネジなら位置の微調整ができる、耐久性は半永久、分解メンテもできる、とメリットづくしです。デメリットは接着やスナップフィットよりも数倍の加工時間がかかる、コストが高いなど。圧倒的にメリットが多いですね。
首のユニット(メタリック部分)はボールジョイント2つで構成されてます。が、ジョイントが2つというのは設計ミス(設計未熟)です。なぜなら可動させようとしたとき、ジョイントのどちらが可動するかが制御できないので、思ったようなポージングができない。真っすぐにすることもできません。
そもそもジョイント2個でも1個でも可動域はほぼ変わらないので、下側のジョイントを固定にしました。同時に首の高さを約3mm低くなるように加工。
コクピット。シートが回転します。こういうギミックは楽しいですね。
ハッチの開閉もスムーズでよくできてます。ただしコクピット周辺は圧倒的に強度不足なので、ギミックはオミットし、大幅に改変します。
コクピットのキャノピーの開閉機構。ここは設計がかなり頑張っていて、露出するポリキャップもメカニカルなデザインで見栄えが良くなっています。この可動フレームを露出させる表現もありなのですが、強度を出すために、また自分の好みもあって、フルフェアリング式に変更します。
構造的に厚盛りができないので、硬度の高いパテとプラ材を混ぜることで肉薄でも最大の強度を出しました。また揮発性パテは経年でヒケるのでNG、物性が安定してる化学変化パテを使用してます。
赤いコクピットのノーマルの固定方法です。背中フレーム(A)からジョイント7箇所(赤点)を経由、先程のメカニカル露出ジョイント(B)、そして赤コクピット(C)です。つまり赤いコクピットはほとんど宙に浮いた状態で、フワフワしてます。注:いちおう固定機能もあるのですが、実質、機能していません。
横から。
プラ材でスキマを埋めてネジで固定。
背骨のフレーム。古いキット&パーツサイズが大きいので、歪みがおおきくスキマが発生します。見た目が悪いだけでなく、最悪の場合は普通に組み立てられないことも。
面が荒れてます。このまま組み立てると仕上がりが悪くなります。
荒れた接合面の整面、スナップフィットの解除、補強ブラケット追加、ネジ固定などでピッタリにします。ほぼすべてのパーツにこの工作を行っています。(写真は別キット製作から流用)
パーツの反りは「タル型とイトマキ型」の2種類があり、それぞれ固定方法が違います。補強用のプラ板が左右で違う形だったり、ネジの位置が不規則だったりするのは、そういう理由からです。全てに意味があります。
胴体のフレームだけでねじ50本くらい使ってます。
どこにも固定されずフワフワだったコクピットを、胴体フレームに直接固定しました。またプラ材スペーサーの厚みを変更することでコクピットの配置を微調整できるようになりました。
そのコクピットの上面にもブラケットを追加。こに胸上部(青部分)を固定できるようになりました。ここもスペーサーを変更することで、胸上部の張り出し(上下)を調整できるようになりました。
フレームが仕上がったら、外観の工作に入ります。
一体成形だったセンサーバルジ。加工して別パーツ化しました。
近年のPGUガンダムのようにディテールを増やすことも検討しましたが、このキットの素性を活かしシンプルな方向で進めます。
胸のサイドに合わせ目が来ております。いちおうディテールっぽくデザインされてます。このまま合わせ目消しをすることも検討しましたが、しかし前述の「フレームフワフワ状態」なので青パーツも位置が安定しません。
下側のパーツを2分割し、上側に接着。合わせ目消し。
これで後ハメもできるし、上面下面それぞれ独立でフレーム固定できる、それぞれの位置を微調整できる。ほぼすべてを改善しました。
黄色いダクトもグラグラポロリなので、スペーサーで調整してしっかり固定できるように。
黄色いパーツのピンは青いパーツに繋がります。それだと微調整ができない。黄色ピンをカットして・・・
上面の青、黄色ダクト、下面の青、それぞれの位置関係を独立して微調整できるようになりました。
見た目はキットノーマルと変わらないように見えるかもしれません。しかし中身は別物です。
脇腹の変形可動。キットでもネジを使用してますが、ユルユルで2mmくらい移動します。そして「バネを使って自動で開閉ギミック」なのですが、バネが弱すぎてフワフワです。
プラ板などでフレームを増設。ついでに位置も調整します。
接着剤を使わないでも組み立てができるスナップフィットは、ガンプラ初心者さんにとっては便利で素晴らしい技術です。このままスナップフィットも初心者さんもより発展して欲しい!
しかし模型歴が長くなり、美意識や追求が強くなると、デメリットと感じることも多くなります。ときどき力ずくが必要で、力いっぱいやってもスキマができる、さいあく部品が壊れる。部品に無理な応力がかかってるので、面が歪んだり、白化したり、スミ入れで割れたりする。失敗を修理しようと思っても分解ができない。
けっしてスナップフィットに文句を言ってるわけではありません。より美しい完成品を目指すなら、スナップフィットを完全解除することが必須になります。
スナップフィットの穴。円の平面と、内周外周のエッジが荒れています。一つのキットで数百〜数千ヵ所、丁寧に整面と面取りします。これを処理するかしないかで、パーツのフィット感がまったく変わります。
スルスル!ピッタリ!カチカチ!気持ちいい!
ポリキャップの受け側の穴です。このとおり面が荒れています。
削り過ぎに注意しつつ、整面します。さらに丸ビットで面取りすると「ポリキャップつぶれ=キノコ化」を防止できます。こういった処理をすべてのパーツに(PGゼータなら3000〜5000ヵ所に)行っています。最終的には眼に見えないですが、仕上がりが全然違ってきます。(※こういう見えない部分でも丁寧に処理してるかどうかは、見る人によってはちゃんとわかります)
胴体の製作に戻ります。
中央にコクピット固定のためのブラケットが2枚あります。これは同時に、脇腹を外に押し出し固定する役割も持っています。
そういった微調整が必要なため、ブラケットは何度も何度も作り直します。キットパーツの負担をできるだけ小さくしたいのでキットパーツへの加工は最小限にして、追加プラ材の方で調整するようにしてます。そのため何回調整してもキットパーツは劣化しません。
胴体が完成しました。
表面はディテールがたくさんあって良いですね。今回は強度を優先するので加工は最小限にします。裏面は面が荒れていて仕上がり精度が落ちるので、丁寧に整面します。
肩外側ダクトのフレーム。モナカ割で接合面が小さすぎるのでどうやっても部品が歪みます。プラ板やパテで肉詰めして本来の形状を保てるようにします。
金型の劣化なのかパーツがはまらない事も多かった。微調整したり、取り付け方法を完全に変更したり。
肩フレームは4重構造。それぞれ可動用のクリアランス(グラつき)があるので、すべてのスキマをゼロに埋めます。
こういった改造はノギスやシクネスゲージを使って数値計算でピッタリにできるはず。なのですが、現実にやってみると計算通りにならないことが多いです。ほんとうに不思議です。そして長年やってると「目検・現場合わせ」のほうが仕上がりが良くなります。まず目検で形を作ってノギスで微調整するという、逆の手順になってます。
この辺のパーツは改修の必要がないくらい、精度も強度もよくできていました。このキットではネジ固定も多用されていて、やはりネジを基調にした設計は安心感があって良いですね。
しかしキットのネジ(左)は柔らい鉄で精度も低いので、ステンレスネジ(右)に交換しています。さらに今回は1/60サイズと大きいため、規格サイズのネジでは足りなかったので、長ネジをいくつか特注しました。
可動が多いためグラグラだった肩も、しっかり安心になりました。
ガンプラは「挟み込み接着・はめ殺し」つまり一度組み立てると二度と分解できない構造が多い。でもこのパーツだけはキットノーマルで「後ハメできる、強度も適度、見た目も良い」の素晴らしい設計でした。
黄色いダクトの下に下がっている青いジャケットが、その部分です。こういうパーツが後ハメできるのはとてもありがたい。
このキットのデザインの特徴で「面取りが美しくない」というのがあります。自分は自衛隊航空機設計の経験があるので、こういう面取りは機能的にも精神的にもNGです。
いっぽう、プラモデル特有の金型設計や安全対策などの制限があるのも理解してます。いずれにしろ、左上の角だけで面が10以上もあるのは、美しくないですね。
雑多なC面を整合性のあるC面に整理するのも一つの方法ですが、今回はセンチネル風のR面取りに変更しました。この面取り処理は全身のパーツほぼ全てに行っています。
水転写デカールは自作です。フォントやサイズなど長年調整しつづけて、ほぼ自分のイメージ通りになってきました。それでもキットにあわせて毎回アレンジが必要になります。
上面のアーチ部分は白に変更。
黄色いダクトやグレーのフィンなどは、パーツの精度が良かったです。
肩の六角パネルはポロポロ外れます。フレームも白パネルもネジで固定。
古いキットのせいか、いくつか成形不良がありました。部品請求も頭に入れつつ、今回は自力で修正しました。
押し抜きピン跡。これ悩みます。これが合わせ面のツラならば切ってはダメだし、金型制限の不要なものなら切らなければならない。そういう判断を何千回も繰り返していきます。ただし、これを面倒とはおもいません。これをキッチリやるかどうかで完成品の仕上がりが大きく変わることを経験から知っています。
いわゆる「がわらヒジ」。通常のヒジ関節のほかに、もう一軸可動があります。特に問題ないのでこのまま可動を残します。
腕のフレームは特に問題がなくて、微調整&強度アップ。
前腕のシリンダーです。
シリンダーとシャフトは多重成形で可動し、手首の白パーツとも連動します。しかしフリクションがキツくて手触りが悪い、可動箇所が多すぎてポーズをコントロールできないなど、正直に言うとストレスしか感じません。いろいろ検討した結果、シリンダーは固定式、手首は独立可動に変更しました。機能的にも見た目も完全に良くなりました。
ガンプラのシリンダーケースのカラーは、いつも悩みます。若いころ4輪レースをやってて、ショックアブソーバーはオーリンズが主流でした。なのでシリンダーケースといえばゴールドのイメージが強いです。その後テイン車高調のように派手な配色も多くなりました。航空機や重機の油圧ダンパーなども参考にしています。しかし結局は、機体のラインとカラーに合わせて毎回アレンジする必要があります。
今回は数パターンのカラーテストを組み合わせた結果、オレンジ系にしました。
上腕のシリンダー。完成後は完全に見えなくなりました。
・こだわりが強いので、以前は見えない部分まで作り込んでいた。
・しかしそれだと製作期間が年単位になってしまう。
・一作品長期間よりも、完成品を数多く作りたくなった。
・スムーズ、強度アップ、短時間などメリットあれば作る。
・ぎこちない、壊れやすくなる、面倒なら作らない。
・依頼者さんの希望により、作ることも作らないこともできる。
「見えない部分を作り込むかどうか」について、特にポリシーはなく、その場でメリット・デメリットを検討しながら判断しています。
赤い六角形のパーツ。ここは人によって、キットによって、時代の流行りによって、多くのイメージがあると思います。
6角形、5角形、4角形、台形、変形ひし形、平面、山型、などなど。今回はキットノーマルの雰囲気を残すのもいいかな、それとも大きく変更しようかな、と迷っていたのですが、いつも結論は「両方作ってみて、良い方を採用しよう」になります。
というわけでセンチネル系の形状を採用しました。ここはだいぶ時間がかかってしまいましたが、作ってよかったです。
ゼータガンダムはすごく思い入れのある機体で「好きすぎて理想高すぎて完成しない病」です。ゼータガンダムの完成品がすくないのはそういう理由です。作りかけのゼータが何体もあります。そんななか、今回のように制作依頼で「納期や予算が決まっている状態で、依頼者さんのイメージを最大限作り込む」という機会があり、さらに自分の理想も盛り込んだゼータを完成させることができて、魂が一段落したなぁと感慨深く感じています。
・・・というわけで現在の製作にもどります
C面とエッジの処理して。
腕が完成。
システムインジェクションで指がのフル可動。25年前は革新的技術で感動しました。が、ヤスリも塗装もできないので、いまとなっては改造塗装派には困った素材です。
さいわい、プライマーの性能が上がったり、ポリ素材へのノウハウも開拓されて、手間はかかるけど仕上げることができるようになりました。
ディテールも良く、保持力も十分なので、今回は可動のまま仕上げました。
こういったディテールの品質は、30年前のキットで素晴らしいものもあれば、2025年最新でも手抜きっぽいキットもあります。そのときの担当者の技量や予算によるのでしょうか。などと妄想しつつ、自分の好みに改修していきます。
ここも多重C面ですね。きれいなC面とR面に修正していきます。
水転写デカールは自作です。以前からの蓄積されたデータをもとに、今回用にアレンジしました。
真っ赤なプラスチックノズルは自作のPPノズルA(ステンレス+ブラス+プラパーツ)に置き換え。
裏面ディテールは、デザイン・金型ともに精度よかったです。
本体との接続は小さいポリキャップなのでブラブラです。ポリキャップは取り除き、角度調整用プラ材を追加してネジで固定しました。
サイドジャケット。ノーマルでは太ももの上面にジョイントされます。これは変形後WRのためのジョイント構造ですね。MS形態では足を動かすたびに向きが変わってしまうのが不都合です。
本体フレームにマウントを新造。足とは独立させました。
フレームが決まったのでジャケット本体を製作。
ここにビームサーベルが収納されます。ビームサーベルの設定色はブラックに近いブルーグレーですが、ここに収納すると黒つぶれで存在感ゼロになってしまいます。ジャケットにあわせたカラーにアレンジしました。
背骨から坐骨にあたるフレームです。荒れた面を全部キレイにし、スナップフィットを解除、スキマを埋めて、ネジで固定していきます。
トラス風ディテールが入っていますが、より強度を確保するため、ディテールは埋めて平面を作っていきます。
股間のプレート。変形のために独立可動するようになってます。
さきほど延長といいましたが、そのまえにまず幅増しをします。股間プレートをプラ板でコピー。
厚さの違うスペーサーを何種類か作って、バランスを見ます。こういうのは実際に全身組み立ててみないとわからないので、スペーサー付け替えるたびに全身組み立て全身分解を繰り返します。
いくつかの試作でバランスを見て、3.6mmの幅増しスペーサーになりました。
左右合わせて7.6mmの股間幅増し。
幅増しが決まったので、次に延長(その1)です。
足の延長方法は太モモのカットなどいろいろあるのですが、今回は股間ジョイント部を下方に移動させる方法にしました。上部の白いプラ板が左右の長さ合わせや水平取りのゲージになっています。このプラ板を変更することで延長長さを調整できるようにしました。ここでの延長は12mmで落ち着きました。
このジョイントは変形用で回転可動しますが、今回は固定します。固定のラッチがポリキャップでしかも小さいので強度不足。
左右それぞれ独立固定なのでシンメトリーが崩れていたが、左右貫通型ブラケットを新規作成して改善。
強度も数十倍になりました。
太モモの上部、股関節のユニットです。古いキットなのでプラもポリもバリが多い。丁寧に処理。
ここには大きな荷重がかかるのですが、モナカ割で空洞で強度不足。ピッタリサイズのプラ板で中身を埋め、そこにネジで固定。
注:細かいことを言うと「ピッタリ」ではダメ。大きいのは0.1mmオーバーでも絶対ダメ。実際には0.1mm〜0.3mmくらい小さいサイズが適切です。
このユニットはこれ単体で構成されてるので、工作もスムーズでした。
キットノーマルでネジ止め。ここの軸は荷重方向と可動方向が異なるので、ノーマルで強度十分。
これまで神経を使って最大限の強度を作ってきました。MS本体の素立ちは十分に安定。ですが背中のフライングユニットを装着すると、物理的にバランスが後ろに寄り過ぎて、自立はするものの、地震などで倒れる姿を想像してしまう・・・
体積や質量や運動エネルギーは2乗3乗で増えます。MG1/100とPG1/60は約2倍、つまり4倍以上の強度が必要。とはいえポリキャップの大きさを4倍にしても強度はほぼ変わらない。むしろ摩擦が落ちることもある。そもそも4倍以上のサイズのポリキャップを入れる場所もない。可動軸を摩擦で補うのは限界があります。実際のメカは摩擦じゃなくて歯車とモーター駆動の機械的結合ですが、模型でそれは非現実的。
上の写真の前後方向可動軸はこれ以上の強度がどうしても確保できないので、ベストな角度で固定にしました。いくつかのネジを外せば可動に戻せるようにもしました。なので「ディスプレイアームを使って浮かせたい」という場合でも対応できます。
股間の幅増し約7mm、足の延長12mmなどが完了。今回の製作でいちばん時間のかかった部分でしたが、納得できるまでやってよかったです。
ここから太モモの工作です
太モモの上端周辺はクリアランスが足りず、足を広げることができません。干渉部分をカットしつつ、周辺とアウトラインが揃うように処理。足の回転と広げができるようになりました。
太モモの裏側のパネルの開閉。細いバネでの固定なので、本来の位置に留まってくれません。
バネも可動軸もオミットし、ベストの位置に固定しました。
ヒザの製作です
WR形態のヒザの様子。複雑な変形とパーツ同士のクリアランス、とても考え抜かれた設計です。
本格製作するまえにWRとMSの変形を何度か往復し、そのシステムを履修しました。MS固定製作とはいえ、WR形態も理解したほうが、仕上がりが大きくアップします。
WRでは必要だけど、MSでは必要ない部品を加工。ポリキャップに切込みを入れるともとに戻すことが不可能なので、確認に神経を使います。
普段の制作では同じキットを2つ3つ買ってノーマルと改造を2本同時で比較しながら進めたり、失敗しても予備があれば安心して製作できます。が、今回のPGゼータは金額的にも流通的にも3つ買うのは難しい。
そのため工作が慎重になり、製作期間が想定よりも長くなりました。とはいえ振り返ってみれば、予備キットがあったとしても制作時間はあまり変わらなかったかも。それほど内容の濃い制作でした。
ノーマルではメッキシャフトが収まる場所ですが、プラのクロムメッキは精度がイマイチで、しかもシャフト径が細いので見栄え悪い。フレームを改造してシリンダーが収まるようにしました。
チラ見えですが効果ありで、いい感じになりました。
ヒザ上の関節。ノーマルだと間違いなく「ヒザカックン」します。ヒザと太モモを固定。
ヒザ下可動の固定。変形用スライドフレームの固定。クリアランスをピッタリに埋め。などなど。
典型的なポリキャップの失敗。もともとの差し込みがキツイので、正常に押し込んでるのか、無理入れしてつぶれてるのか、わからない。分解したときに「ああ、失敗してる」と気がつく。白パーツのダボの赤部分を少しカットして対策。
ポリキャップも内側を面取り。ここの構造は奥の方が重要で、入口部分は強度に関係ないのでカットしても大丈夫。キットノーマルで面取りしてくれたら、まさに「パーフェクト!」になるし、初心者にも優しいくなれると思うのですが。こういう地味なところはなかなか改善されないですね。(たまに面取り改善されてるキットもあって、それは感動します)
このグレーのパーツは、足のスネの白いパーツと青いパーツを保持するフレームです。ここ周辺の精度と強度が脆弱で、どうやっても赤矢印のところにスキマができます。
グレーフレームの合わせ面を0.2mmくらい削って幅を縮め、さらにネジで固定して外に広がらないようにする。さらに青いパーツも内側によせるようにしてネジで固定。
スキマの最適化ができました。スキマをなくすのではなく、スキマを安定させるのが重要。
ヒザ裏の動力パイプ
左がノーマル。右が改修後。
ファーストのザクの動力パイプは、衝撃的にかっこよかったです。ただその後、乱用が多くなり、デザイン的にもかっこ悪いものも出てきました。このように最小曲げ半径が小さすぎるものは、設計的にも個人的にも違和感があります。
マウントを他キットから流用。
変換シャフトは1mmと4mmを完璧に同軸にしてくれる便利アイテムです。アルミなので加工もできます。
面取りパイプF薄型5mmはステンレス製で質感が良い。
いい感じに仕上がりました。
足の後ろ、ふくらはぎのバルジです。
ダークブルーのパーツは変形のため位置も保持も不安定だったので、バルジ内側に固定。
左右のクリアランスを揃えるための治具、シクネスガイド。
かっちり固定。あとから位置も変更可能。
シリンダーを追加。
バルジ内部のスラスターエンジンユニットです。
ノーマルではフレームに挟み込みのハメ殺し。グラグラです。
変形用のスライドフレームとのクリアランスがギリギリなので、改造が難しい。
限られたスペースを利用し、後ハメ加工、スペーサーとブラケット追加、ネジ固定でガチガチ。あとから位置調整も可。
バルジ完成。
足外側のダクトフィンの製作
最初はグレー数色で塗り分けましたが、組み立てると真っ黒で何も見えなくなってしまった。プラチナゴールドに塗り直しました。
このダクトフィンも固定にする方向で製作してましたが、完成後も適度な強度があったので開閉可動は残しました。
ダクト本体は全く可動しないにもかかわらずポリキャップ固定になってました。それだとやはりグラグラするので、スキマをプラ板で埋めて固定。
大きめのポリキャップはスナップフィットを押し戻してしまうので、大きめのネジで固定。
スキマが抜けてしまってるので、プラ材で裏打ちしてスキマを埋めました。
ただし、完成後はものすごく下から覗き込み、ものすごく不自然に強い光を当てないと、奥の方は見えまえん。つまりほとんど隠れてしまいます。でもここは作りこんでよかったです。
ここから足首フレームです
合わせ面の整面、外見の整面。
ガンプラの多くはボールジョイントで強度不足になりがち。このPGZでは単軸ジョイントで、さらにポリキャップを2重構造にしてフリクションを増やす構造。さらにネジで締め付け。少しでも強度を増やそうとしてる設計ですばらしいです。じっさい結構な強度になっています。それが2軸あるので可動域も十分。
さらにシリンダーシャフト4本がフリクションを増加してるので、ノーマルでも足首がグニャることはなさそう。シリンダーが見た目だけじゃなく、ほんとうにシリンダー(ダンパー・ショックアブソーバー)としての機能を持っています。
通常ですとシリンダーとシャフトはユルユルなくらいに調整するのが良いのですが、今回はフリクションを残したかったのでキツめのままで仕上げます。ユルユルは簡単だけど、適度なキツメは難しいです。
メッキパーツはマスキングで塗り分け、ディテールをメタルパーツに交換。
なおキットノーマルでは正立シリンダーと倒立シリンダーの混在です。そのほか、全部倒立、全部正立の3種類が考えられます。倒立だとせっかく塗装したシリンダーが見えなくなるので、全部正立に決定しました。
足首周辺の改造はすごく精度が必要で、集中しすぎて写真を全然撮ってなくて申し訳ありませんです。最終的にグレーフレームの取り付け位置を8mm下に移動しました。股間の延長と合わせて約20mmの延長です。
素立ちポーズで足を大きく広げようとすると、スソの下端とくるぶしが干渉してしまう。これ以上ひろげると足裏と地面が接地しなくなるので自立ができない。
それを解消するためにグレーフレームを外側に寄せる工作をしているところです。ここもかなり時間をかけた部位でした。
足先が可動しますが、そのため前に転倒します。かなりキツめのポリキャップですが、テコの原理でかかる荷重にたいして摩擦ではどうしようもなく、転倒します。
キツすぎるポリキャップは害になるのでMKカット。スルスルピッタリの加減にして、位置決めだけの役割にします。
足裏が平面になるための角度を固定するガイドを追加。角度が決まったら荷重のかかるパーツのスキマを埋め、ネジで固定。
足を広げられるようになり、足裏も地面にしっかり接地。安定して自立できるようになりました。なおPGZの足裏はモールドが凸状になっているので、地面から1mmくらい浮いて見えるのがデフォルトです。これでピッタリ接地しています。
足裏は赤一色だったので塗り分け。モールドが凸になってるのがわかると思います。ここのシリンダーは固定なので完全に見た目重視です。
ところで、コーション系デカールのデザインでは「文字と図形」という組み合わせをよく使います。今回の四角いマークは「Z」のロゴになっています。毎回、なんらかの意味やインスピレーションをもたせるようにデザインしています。
ついでにカラーリングについて
ほぼ全色が新色になりました。特にブルーは非常に試行錯誤、たぶん100色くらい調色したとおもいます。1/60というサイズ、旧キットでディテール少なめ、ゼータガンダムという精神的に特殊な機体、などなど。普段はセンチネル系明度彩度高めが多いですが、今回は全域抑え気味のトーンを目指しました。苦労したぶん非常に満足しています。
テールスタビと本体とつなげるジョイント。このパーツはすごく精度が良くて、精度が良いと強度も出ます。
ここでは接着がベストと判断。こういった貼り合わせパーツは、離れることはあっても寄せることはありません。乾燥中に離れるのを防止するため、ハタガネで圧着しておきます。
丁寧に作ると安心します。
テールスタビと本体との接続は上記のジョイントと、その上方でフレーム同士がラッチ固定される仕組み。それほど荷重もかからないのでノーマルでも十分なのですが、何度か動かすとすり減ることが予想できるので、しっかり固定に変更します。
C面=平面で面取り。R面=曲面で面取り。糸面=見た目ではわからないくらいの細い面取り。左がC面、右がR面と糸面です。
カラーリングについて、当初はディープブルー・ダークとディープブルー・ライト色のツートーンで塗装。全体を組み上げてみると「色が多すぎるなぁ」と感じました。ディープブルーは1色にして、フレームと共通のウォームグレーで塗装。このほうがバランス取れました。
部分的にプラチナ・ゴールドなどを配色。
フレームを加工し、シリンダーを追加。
テールスタビ本体の工作
LED発光スイッチをパテで埋めます。
多重C面を美しいR面と糸面に。
多重C面を美しいR面と糸面に。
テールスタビは形状もバランスもいい感じなので大きい改造はなし。基本工作と細かいアレンジなど行いました。
下面のダクトガイドを後ハメできるように加工。
色別にパーツ化されてるとヤスリや塗装の仕上がりが良くなるので、後ハメ加工などできるだけ別パーツ化します。ただしマスキングのほうが仕上がりが良くなる場合もあります。ここは後ハメとマスキングの複合です。
センサー部分はLED発光のためにクリアパーツ。ガンプラのクリアパーツはヒケがすごいのでしっかり処理します。
赤いパーツのアウトラインを修正。スリットが抜けて反対側が透けて見えるので、内部にプラチナゴールドのパーツX2を追加。
テールスタビライザーが完成しました。
ウイングバインダーは大きくわけて4ユニット構造。それぞれ挟み込んでいくので8枚重ねです。変形可動に連動式を採用してるのでとても複雑。それらすべての機能を8枚で挟み込んで接着する、その後は内部にアクセスできない、という難しい構造です。
ここはモナカ割り。機能もないし荷重もかからないので基本的にはこのままで大丈夫。
ここ(赤い部品)もモナカ割りです。後ハメ加工してから合わせ目消しをしました。
このパーツは左半分が接着合わせ目消しで固定、右半分が接着なしでパカパカ開けるという、珍しい「半ハメ殺し構造」になりました。これができたことで工作や塗装が大幅に効率よくなりました。
取り付け位置微調整用の穴を開けたり、不要な穴を塞いだり。
本来は一体化されてしまうパーツを、後ハメで別々に処理できるようになりました。
ここから中間ユニット。スナップフィットは指の力加減でパーツの形状が変わってしまいます。とくにこのように空間が多いと歪が顕著に。なのでスナップフィットは除去。
代わりにサイズピッタリのスペーサーを配置。パーツを持っただけでも安定感が改善されてるのがわかります。またパカパカ音がしていましたが、それも静音になりました。音でも安定感を感じます。
同時進行でヒケやスジボリなどを調整。
変形用パーツはオミットしたり固定したりディテールとして流用したり。
位置微調整と位置固定のための加工。
可動用パーツは不要になるものも多いです、ディテールとして再利用します。
キットのシリンダーとデザインが揃うように、新規シリンダーを制作。
ウイングバインダーのいちばん大きいユニットです。
やはり複雑な変形システム。今回はすべて解除します。
ここ、説明書通りに組もうとしても、このグレーのパーツが入らない。無理やり入れるとかなりギチギチで壊れそう。スナップフィットをユルユルに解除しても、ぜんぜん入らない。
細長いパーツだし、経年で変形したかもしれません。いろいろ試行錯誤したけど、切り離して調整することで解決しました。
スナップフィットのピン位置が2mmくらいずれてるので、いちど埋めて調整。
取り回しも良くなって、分割して正解でした。
ここに中間ユニットを挟み込むのですが、やはり浮いた状態でパカパカになるので、ピッタリスペーサーを追加。
ノーマルだと各ユニットが浮遊状態なので、青矢印のスキマが左右でバラバラでどちらかに片寄ってしまう。ぴったりスペーサー追加によって写真のように各クリアランスが左右対称で固定できるようになりました。
ここも同じです。上下のスキマがおなじになるように加工してます。
同じく。ピッタリど真ん中で、かつ安定させる。0.1mm単位の調整です。
中間ユニットの位置を調整するためのブラケットを自作。
ノーマルだと赤いリップのせり出しが小さすぎると感じたので、3mmくらい外に移動。いい感じにボリュームアップしました。
中間ユニットの位置が決定したので、固定するためのネジ。完成後には隠れます。
フレームが決まったらディテール加工。
バインダーのダクトです。
ダクトの中央のフィンは可動します。が、全閉も全開もちょっと上下に寄りすぎている。なので中開きにしたいのだけど、回転軸の関係でフィンが斜めになってしまう。それだと排気方向が本体にあたってしまう、そういうのはエンジニア的に気持ちが悪い。
可動を解除しブラケット新造。これで中間開きで、排気方向も自然な感じになり、周囲のアウトラインも揃いました。
1/60と大きいサイズなので、塗り分けも少し多めにしました。
ウイングバインダーも工作量が多かったです。プラモデルの改造というより、難解なパズルを攻略した感覚でした。
デカールまで終わってほぼ完成。
ウイングと本体をつなげるジョイントです。
変形のために複雑な機構。強度もかなり頑張っています。
ノーマルだと左のようにスキマで浮いてしまう。これを加工してピッタリに。
ここもかなり時間がかかりましたが、工作内容はこれまで書いてきた内容と基本的に同じなので、詳しくは省略します。
今回はこのようなスペーサーやネジ用ブロックを新造することが多かったです。
ガチガチになりました。
モナカ割りなので空洞にスペーサー埋め込み。
可動部品がたくさんありますがほとんどがウェーブライダー用のものなので、固定にしたり、ディテールとして処理します。
ライフルがちゃんと握れないのは、ガンプラ共通の弱点です。ネジでしっかり固定します。
設定ではダークグレーのほぼ一色です。今回はおおきくカラーアレンジしました。
仮組み撮影のため黄色いパーツが浮いてますが、最終仕上げでしっかり固定します。
センサーユニットはモナカ割り。接着して合わせ目を処理。センサー部分を切り取っって別パーツ化。
後ハメ加工。仮組みして確認、いい感じになりました。
ここのパイプも曲げ半径が不自然だったので、ストレートタイプにしました。
ライフル前半のスライド可動について。かなり精度が悪くまともに動きません。ここを改善するには全部作り直すくらいの規模ですが、スペースや強度がギリギリ足りるかどうか。固定にするのも候補に考えながら、スライド機構を作り直していきます。
ここでもピッタリスペーサーを仕込みます。ただしここではピッタリではなく、薄いプラ板を斜め弓なりに配置することで板バネを作っています。板バネによって、可動はするけどグラグラしない効果を狙っています。この時点では左右対称になっていますが、左右交互にしたら効果がより高くなりました。
しかもこのユニットは接着合わせ目消しするので、接着の前に完璧な状態にしなければならない。接着のまえに、必要最低限の機構にシェイプアップしていきます。この辺も集中してたので写真がなくて申し訳ないです。
スペース的にかなり厳しい工作でしたが、きちんとスライドできるようになりました。
ライフルのショートとロング。本体とのバランスもいい感じになりました。ちなみにキットノーマルでライフルロングにすると、銃口が地面に当たってしまうのでポーズが不自然になります。写真では足延長改造してるので、ロングライフルの構えを自然にできるようになりました。
ビームサーベルの設定色はブラックに近いブルーグレーですが、腰のジャケットに収納すると黒つぶれで存在感ゼロになってしまいます。ジャケットに装着した状態のカラーリングを優先し、同時にサーベル単体でもバランスとれるようにカラーアレンジしました。
なおLED発光サーベルですが、設計的にもともと無理があり、電池も金具も劣化してて、どうやっても動きません。もし動いたとしてもキレイな発光にはならない構造です。
ちょっと・・・かなり設計不良です。さまざまな努力をしましたが、発光はオミットする決断をしました。
まずは先端の赤いユニットから。モナカ割りで接着必須。内部にスライド可動用部品やポリキャップなどが入るので、接着する前にすべての機能をフィックスしておく必要があります。
ウェーブライダー用のポリキャップは必要なし。フタのパーツをハッチのようにしようと加工を進めてました、が、最終的にはパテで埋めて平面にしました。
ここにも謎の多重C面や、機能的に意味がわからないエッジが多数存在しますので全部整理。中央上面にはWR用のクボミがありましたが、これも埋めました。
この辺の固定機能も「接着するともう修正ができない構造」でしたが、固定方法を移植して、ぜんぶ個別にメンテできるようになりました。
水転写デカールは自作。VMsAWrsのロゴも何十年何百回とアレンジしつづけ、かなり自分のイメージに決着が付きました。そうはいってもスケールやカラーによって微調整は必ず入ります。たぶん(いい意味で)一生完成することはないでしょう。模型が飽きないのは、こういう要素があるからかなぁと思います。
ここにも不要なC面やエッジがあります。
ヤスリしてサフ吹いてチェックしてまたヤスリの繰り返し。ここでは5回くらい繰り返しました。こういうのは時間や回数をかけるほど精度がダレていきます。できれば最短で仕上げるのが理想です。荒削り・サフ・調整削り・サフ・表面処理・サフの3回が理想的です。
それから、ヤスリが終わるごとに必ず超音波洗浄をしています。なので正確には「ヤスリ・超音波洗浄・洗剤で脱脂・熱風強制乾燥・サフ・ヤスリ」の手順の繰り返しです。
シールドが完成しました。
ここからシールドと左腕を接続するジョイントの製作です。まずはキットのパーツです。
複雑な可動でポリキャップ多用してるので、完全なフニャフニャです。シールドはクルッと回転したあとボロっと落下します。
できるだけキットのパーツを生かして、強度を確保していきます。
大きくて重いシールドをたった一本の軸で支える設計。これは無理です。
丸軸を切り落とし、3枚のプレートで挟み込み、ネジ固定に変更。
この工作だけで写真300枚ありました。すべて省略いたします。
ガチガチになりました。しかしまだ理想に足りないというか、もっと良くできるのでは?と、このあと何度も作り直します。
時系列が前後しますが、先に完成状態の写真です。
シールド赤ユニットの凹みの部分に、肩が収まるのが理想です。シールド(マウント)の高さ、前腕や肩との距離感、シールド先端が前後左右に傾かない。そしてもちろんグラグラせず完全にこの位置に保持できる強度。どうしても理想を求めすぎてしまう。
キットのジョイントの改造だけでは強度不足だったので、さらにネオジム磁石を仕込むことにしました。これでジョイント部は十分な強度になりました。しかし・・・
シールド側だけでなく前腕の強度も不足してることがわかりました。
前腕にはミサイルランチャー用可動と追加マガジン用スライド可動があり、それが強度を落としてます。
前腕が0.5mずれれば、シールド先端では5mmずれます。構造自体を変更し徹底的に補強しました。
シールドとの連結を改善すべく構造から根本的に変更してますが、外見はほぼ変わらない。そういう仕上がりを目指しています。
ふたたびシールド側のマウント工作のつづき。
キットの部品はどうしても精度がでないので、自作パーツをメインにし、部品数も可能な限り少なくしました。
シールド側のマウントも作り直し。
キットのスライドマウントを利用していましたが、これも精度が落ちる原因なので、これらの工作もすべてボツに。スライドマウントは一切使わない構造にしました。
このW型のパーツがシールドマウントを保持するのですが、いかにも強度不足ですね。
マウントとしての機能がなくなり独立したパーツになったので、ディテールを増やしました。
肩から腕の可動をすべて残し、シールドの配置も理想的で、さらにシールド脱着も可能という状態で、おそらく最大の強度と安定感を出せたと思います。
郵送事故で完成品が破損するのは、購入者さんにとってはもちろん、僕自身もすごく悲しいです。なので梱包はしっかり行っています。ウレタンスポンジで囲って中箱に入れます。その中箱をエアキャップで囲って、さらに大きいダンボールに入ます。ウレタンスポンジ+ダンボール+エアキャップ+ダンボールの4重クッションで発送しています。梱包方法を常に改善してきた結果、この方法がとても安定していると思います。
過去数百の完成品発送で郵送中に破損したのはかなり昔の3件のみ、それも明らかに運搬中の手荒い落下衝撃が原因です。幸い軽度の損傷だったので無料で修理しました。運輸会社の信頼度も年々上がっていますので、近年では郵送中破損の可能性は極めて低くなってます。万が一の場合、軽度なら無料修理、重度なら相談しつつ運輸会社の保険適用などで対応したいとおもいます。(なお可動模型特有の微細なコスレ等については、正常範囲内としてご了承ください)
パーフェクトグレード MSZ-006 ゼータガンダム 完成しました♪
|トップ|完成写真|頭部|上半身|腕|腰|足|ウイングバインダー|ライフル|サーベル|シールド|
みなさまに、楽しい模型ライフを!