RG 1/144 ニューガンダム
ウイングファンネル仕様

作品番号 W06

 

RG ニューガンダム・ウイングファンネル仕様が完成しました。

 

 

ここから制作風景です

 

RGニューガンダムはプロポーションもディテールもほぼ完璧な超優良キットです。しかしRG特有の「関節グニャグニャ・パーツポロポロ」という欠点も持っています。

本制作では「ギシギシポロポロしない、しっかり自立する、安心感のある完成品」を目指して制作しました。写真ではわかりませんが、手にとった時に「重量感」を感じる完成品になったと思います。

 

フェイスはフレーム・センサー・マスク・アゴの4パーツで構成されています。フォルムやディテールは良好なので彫り込みなどでコントラスト強化。組み立て時のフィッティング精度が少々悪く、そのまま組み立てると最終的にスキマができてしまいます。接合面やダボを調整して、正しくフィットするように調整しました。またフレームはグレー数色で塗り分けを行いました。

 

頭部バルカンはキットのパーツを切り落とし、PPロングアポジ1.5-3mmに交換。トサカの断面が荒れているので整面&フチ薄面取り。ホホのラインのスジボリ強化、ヒサシ・アゴなどのアウトライン変更。

 

頭部はパーツ分割が非常に良く出来ているおかげで加工や塗装がやりやすく、最終的な仕上がりへの持って行き方がスムーズにできました。RG・MG・PGの中においても、非常にクオリティの高い頭部です。

小さくて奥まっているので写真では撮りきれなかったのですが、左右のインテーク・後頭部のスリット、薬莢排出口などはディテールを強化したうえでグレー数色で塗り分けています。

 

 

ノーマルの頭部は、位置が少し浮いてる感じ。首のマウントを1.2mm後方に移動。キットのボールジョイントを切り落として自作のボールジョイント4mmに交換し、頭部を1.7mm低くするともにアゴを引けるようにしました。また首マウントの白は頭部とのカラーコントラストが悪いので、グレーに塗装。

 

首のボールジョイントは自作パーツです。耐久性・耐摩耗性に強いエンジニアリングプラスチック素材をCNC切削で削り出しているので、精度も強度も非常に高いです。写真では伝わらないのが残念ですが、ヘッドパーツを動かすと全くガタがなくスムーズに動かせる、非常に気持ちの良いボールジョイントになっています。

 

頭部を1.7mm低く1.2mm後ろに移動するとともに、アゴが引けるようになりました。キットそのままでも悪くはないのですが、こうして比較するとキットノーマルは首が長すぎることが分かると思います。

 

胴体は可動を盛り込んだ影響で強度不足でグラグラです。これをしっかり自立させるために、プラ材やネジを使ってフレームを強固に組み上げました。肩のせり出し機構もポーズ保持できないくらい弱いので、ベストの位置で固定しました。

 

胸ダクト(黄色)のディテールが甘いので、プラ材で自作したベクターダクトに変更。コクピットハッチ(赤)は可動のための引掛けノブが付いていますが、これはプラモデル特有のものなのでオミット。左胸のセンサーは面取りと奥行きを修正。F18・F19の納まり位置が不安定なのを修正。

 

 

肩は可動が多いのは良いのですが、各パーツの位置が落ち着かず隙間が多くできてしまいます。ここは各パーツのすり合わせをして固定。肩外側スラスターのイエローの塗り分けがレベルダウン仕様になっているので、設定画のように塗り分け。アムロレイ紋章とアムロラインの自作デカールを貼り付け。

 

前腕側面のスラスターディテールは一体成型になっています。ここはディテールを切り落とし、PPアポジ2mmを埋め込みました。またフレームはグレーやメタリックなどで塗り分け。ビームサーベルは着脱式ですがグラグラなので、シルエット重視で固定。

 

 

また左腕前腕はシールドマウントがラッチされるので、強度を確保できるように組み立てました。

 

 

右腕。ライフル用マニピュレータはほとんどのガンプラで保持力が弱すぎるため改造が必要でしたが、このキットではシンプルながらしっかり握れるように改善されていました。

 

 

股間フレームは可動を大きくした弊害で、強度不足でグラグラで自立しません。しっかり自立させるために治具を使って強固に固定しました。

 

可動箇所が多いですが、それが返ってポージングを難しくしています。前から見も横から見てもキレイな立ち姿になるポジションを、何度も何度も調整して探し出します。好みにもよりますが、ベストな位置は実は一点のみです。

 

可動範囲の調整、フレーム強化、HWSアタッチメントのスポイル、塗り分け追加など工数の多いアッセンブルですが、しっかり仕上がりました。

 

他のRGシリーズとは異なり、このキットではアドバンスドMSジョイントは不使用。またポリキャップも不使用で、プラ材の摩擦のみで関節が構成されています。パーツ自体も小さいため、プラ材に負担がかからないように関節調整または関節の解除を行っています。また連動スライドなどのギミックが仕込まれていますが、ラッチが無いため決め位置から逃げてしまう不具合があるので、正しい位置に収まるように修正・固定しました。

 

 

 

ヒザフレームのシリンダーはゴールドに塗装。ふくらはぎのノズルはPPノズルCに交換。

 

キットでは省略されいているカカトのイエローの塗り分けを再現。足裏ノズルはペールグリーンメタリックとPPアポジ3mmに変更。クルブシ周辺はメタリック塗装とメタルパーツでデコレート。

 

四肢を大きく飛ばす派手なアクションポーズと比べて、シンプルな立ちポーズは実はとてもむずかしいです。芯の通った体幹・左右対称・横から見たS字姿勢・足裏の設置感・配色のバランスなど、美しいシルエットにするために考える要素がとても多い。模型歴が長くなるにつれ、シンプルほど美しく難しいことを実感します。

安定して自立させるためには、足裏の平面性が大切です。ガラス板を使ってソールパーツ接地面を完全平面固定で仕上げています。完成写真の足元を見てください、しっかり接地していると思います。

ちなみにこういう固定をする場合「広げてから真っ直ぐ固定」と「縮めてから真っ直ぐ固定」では、結果は同じ「真っ直ぐ」でも強度が大きく違ってきます。応力や可塑性を想像しながら正しい選択をしなけれればなりません。

 

バックパック。ウィングファンネルにするためマウントを変更。キットでは塗り分けが簡易変更されているので、設定画に習って塗り分け。メインノズル4つはPPノズルBに交換。そのほかセンサーグリーンの追加、メタルパーツ埋め込みなど。

 

 

ファンネルの可動部は異素材一体成型のアドバンスドMSジョイント。このジョイントは素材が柔らかいので粘る可動には良いのですが、そのかわり直線や直角にするには向いてません。今回は固定で仕上げるので、ジョイントの可動部を解除し、ファンネルを真っ直ぐや折りたたみにした時の精度をアップしました。

 

 

キットだと結合部の制限から高差が11mmになり、そのままだと段差が大きすぎます。結合部を解除し、自然な段差でマウントできるようにしました。

 

デカールはすべて自作しています。プリンタ設定・ヘッド熱ユニットの改造・インク・用紙・フォント厳選など突き詰めた結果、0.3mm程度の文字でも読める精度のデカールになっております。ただ、あまり情報を詰め込みすぎてもバランスが悪くなるので、わざと潰すようなこともしております。

 

 

バズーカ。小スケールながらもできる限りのパーツ色分けを行っていて、非常に良い設計になっています。またMGニューガンダムVer.Kaではバズーカとバックパックとの接続が致命的に弱かったのですが、RGではシンプルかつ強度な接続に改善されておりました。

 

マズル口の精度が悪く、フェアリングパーツが収まりにくい不具合を修正。マズル先端の黒ガードの内輪が歪んでいる不具合を修正。一体成型のセンサーをグリーンで塗り分け。マズルとレシーバを後ハメ加工。ディテールの修正などなど。

 

バズーカの弾頭です。設定画が赤なのでキットも赤なのは納得です。しかしやはり兵器として道具として赤単色っていうのは違和感があるので、グレーで塗装しメタルパーツでディテールアップ。

 

スライド機構等はオミットし、バックパックに背負った状態のシルエットを最優先で仕上げました。

 

ライフルは合わせ目が目立たないパーツ分割で、まとまりが非常に良いです。黄色いパーツがデザイン的に追加されていますが、ここは好みで黄色でも白でも良いですね。

 

内部フレームはメタリックなど5色で塗り分け。メタルパーツ埋め込みなどなど。少し手を加えるだけで非常にバランスの良いライフルになりました。

 

シールドのミサイルも設定画どおりの赤ですが、やはりグレーに変更しメタルパーツ追加。センターのビームマズルも塗り分けとPPアポジを追加しました。

 

シールドの表面はディテール多めにアレンジされています。そのぶんデカールを貼るスペースは小さくなったので、最大面に合わせてデカールを新規作成しております。シールド裏面は簡略ながらもディテールのメリハリがあるので、塗り分けをすることで情報量を増やしました。

 

 

 

RG ニューガンダム ウイングファンネル仕様、完成しました。

 

 

 

今回の制作で使用したメタルパーツとPPカラーセットを【ぷらもぷらす】で販売してます。デカール購入希望の方は直接メールください。
制作写真の一部は、過去の制作から流用している場合があります。なぜかというと、制作に夢中になると写真を撮り忘れることが多いからです。また製作工程の時間軸が前後する場合もあります。できるかぎり制作風景をわかりやすくしたいので、そういった処理をする場合がありますことをご了承ください。
最後まで観て頂いてありがとうございました。 みなさんの感想やリクエストが僕の製作の励みになっています。 よろしかったら気軽にメールなどくださいませ。

みなさまに、楽しい模型ライフを!