2017年9月に発売された MG ダブルゼータガンダム Ver.Ka です。
このキットは予約して発売当日に入手し、すぐに自分のディスプレイ用として制作をはじめました。しかし複雑な変形のため部品数が多い、カラーリングをどうアレンジするか悩んだ、制作依頼が忙しくなった、などなどの理由で制作がなかなか進みませんでした。それでも時間が出来たときやアイディアが出たときに少しずつ進め、95%くらい完成した段階でディスプレイしていました。
さいきん制作依頼を頂いて MG FAZZ Ver.Kaを制作した際に、ちょうど良いタイミングだったのでこのダブルゼータも最後まで仕上げ、完成写真を撮りました。
※この写真ではバックパック・サイドバルジにメタルノズルが付いてませんが、実際の完成品ではPPノズルBx4が装着されています。
このMG ダブルゼータ Ver.Kaは、「Ver.Ka」の名にふさわしく明らかに上品質です。アウトラインの綺麗さやディテールも適度なので、造形の部分はノーマル基調で仕上げ。変形も熟考されてますが、今回はMS形態固定で仕上げました。いつもはユルユル関節(特にコシとヒザ)を完全固定に改造するのですが、このキットは関節強度もしっかりあるので、できるだけ可動を残す方向で仕上げました。
最大のアレンジはカラーリングです。ノーマルのカラーはいかにも「アニメ」で、それはそれで尊重しています。でもそのままアニメカラーで仕上げたら僕自信がモヤモヤしてしまうことが分かっています。なのでできるだけ落ち着いた色にアレンジをすること、同時にノーマルカラーとの違和感を感じない色にすることに、にとても気を使いました。
それではここから制作風景です。
ツインアイは眼とクマドリが別パーツになっています。ライトユーザーは塗装やシールなしでもGOOD、塗装派も塗り分けしやすいし、電飾派の人にも遮光に便利で、このパーツ構成が最善・最高だとおもいます。ぜひMGクラスは全部この形式にしてほしいです。
ヘルメットなど他の部分も、細かいパーツ分割、合わせ目が目立たない、塗装しやすいなどなど、とても作りやすいヘッドでした。
コアファイターの上半分は、完成後は見えなくなります。なので見た目はスポイルして機能性を最優先にしました。胴体の強度を上げるため変形は完全固定にし、金属ネジや補強材を入れるなどしています。
※なおコアファイターはキットに2機付いてます。もう一機は飛行状態で制作しました。制作風景はこのページの下端くらいに掲載しています。
変形のためフレームもアウターも複雑な構成です。強度はかなり考慮されているのですが、やはりどうしてもギシギシ・ユラユラしますので、全て補強を行っています。
腰の下半分のライトグレー部分がコアファイターの露出部分です。ガンプラを持ち上げる場合は腰を持つことが多いのですが、腰を持つと変形スライドで腰がズレ上がってしまう。一度ズレてしまうと引き出すのが困難で、いったん分解しなければならない。これを改善するためにコアファイター固定補強を行っています。
そういった「写真ではわからないけど、実際に手にしたときの機能性と安心感」を考えて制作するのが好きです。
デカールは新規作成。最初はいつもどおり大判デカールをデザインしていたのですが、どうしてもどうしても上手にできない。デカールが決まらないとカラーリングも決まらず、かなり製作期間が停滞してしまいました。
何十回も失敗デカールを作った結果、やっと気が付きました。このダブルゼータは全体的にアウトラインやディテールがにぎやかなので、デカールはシンプルにしたほうが似合う、ということでした。
肩周辺はパーツ数が多いです。変形のためだったり、ディテール、強度、色分けのためだったり。パーツそれぞれの役割を理解するのに時間がかかりました。それらをリアルなメカとしての機械的役割を考え直し、色の統一性を決めたり、ディテールやメタルパーツやデカールを追加しました。
もとの設定画のアウトラインが少々混雑してるので、どこまでアレンジするかとても難しい機体だと思います。放送当時の無印キットからMG ZZ Ver.1まで少しずつバランス改善されてきましたが、このVer.Kaもシルエットを大きく変ていませんが、細かい面取りや金型がより丁寧にアレンジされた感じがします。
たとえば前腕の段差の位置がVer.1の手首側から、Ver.Kaではほんの少し上になった、たったこれだけでも印象が変わりました。またウイングシールドは特に素晴らしいアレンジ、金型もすごい精度です。
股間上下や腰コアファイター四隅などの大河原風カラーを、落ち着いた色に変更しました。
なお今回、制作開始してから完成まで3年かかっていて、その間に急の引っ越しがあったり、カメラの故障などもあって、製作中の写真の半分くらいが行方不明になってしまいました。いつもならキチンと探さないと落ち着かない性格なのですが、今回はプライベート制作なのであまり根を詰めず、まずは完成することを目指して進めました。あとで制作中写真が見つかったら追記する予定です。
複雑なフレーム構成で、理解するまで何十回も組み立て分解をしました。可動部分を固定にすると失敗や調整ができないので、完全理解するまで固定はできません。可動を固定するのって結構むずかしい。時間はかかりましたが、納得の行く設計なので組んでいてストレスがなかったです。
ただ、金型の抜きで無理しているパーツがあり、大きいバリやメクレがいくつか存在しました。キット通りに整面したり、思い切ってアレンジしたりで対処しました。
左がアニメカラー。「同じような機能部品なのに、青赤シルバーと黄色グレーという5色もの色を使っているのは、どういう意味?」ということを考えると、脳がグラグラしてきます。というわけで今回は右のようなカラーアレンジにしました。
逆に、色を増やした部分もあります。白の面積が多くディテールも少ないので、白のメリハリが足りないように感じました。最初は白をベースに差し色する考えでしたが、どうしても組み合わせがピッタリこない。思い切ってアイスグレーをベースにして、白を少し足す感じにしました。
キットノーマル(左)とアレンジカラー(右)。
やはりダクトがシルバーなのは違和感があります、しかもシルバー粒子が粗い。もしダクトカバーだとしても、シルバーとグレーが混在してるのは違和感があります。
というわけで他の部分と共通したダクトカラーに変更しました。足裏はしっかり接地するようにガラス面で面取りして固定。
バックパックです。見た目は大きいですが結構軽いのでノーマルでも程々に強度が取れてます。そのぶんスナップフィットがキツすぎなのでMKカットでスナップ解除。接着剤は経年劣化するのでできるだけ使わず、ネジ等で機械的接合をしました。
バックパック下端のノズル。キットノーマルの写真が紛失です、すみません。PPノズルのAとCとBを組み合わせて取り付け。
バックパック・サイドブロック。下端のダクトが「奥まり&カバー」と、ちょっと機能性に不統合性を感じたので、ダクトを切り取ってPPノズルBに交換しました。
重たいバックパックを支えるステー。構造はシンプルで、位置固定用スライドパーツもあり、強度は十分です。
変形のための機構を排除して、強度アップする補強を行いました。
ビームサーベル。色分けとPPアポジを追加。
ダブルビームカノンも変形由来は固定にし、ライフルとしての機能表現を優先しました。カラーもブルー系からグレー系に変更。
コアファイターは2機付いていて、一機は固定して腰フレームに内蔵。もう一機は飛行状態で制作しました。
赤いノズル(!)は、PPノズルHに交換。
変形もするし、キャノピーも透明パーツとフレームが別パーツになってたり、よく出来たコアファイターです。
今回、ダブルゼータを完成させるキッカケになったMG FAZZ Ver.Kaと。
MG ダブルゼータ Ver.Ka 完成しました。
みなさまに、楽しい模型ライフを!