RG 1/144 FA-93HWS
ニューガンダム
ヘビーウェポンシステム

作品番号 W32

 

RG ニューガンダムHWSが完成しました。

近年のガンプラは可動を多くしたり細かいパネル分割など、より高密度な進化をしています。しかしその弊害として「関節グラグラ・パーツポロポロ」という弱点があります。本制作ではそういった脆弱な部分を補強し、美しい立ちポーズでしっかり自立する完成品を目指して制作しました。

 

 

 

ここから制作風景です

 

芯になるRGニューガンダムは超優良キットでした。そして今回のHWS追加装備も同レベルの優良キットです。しかし、芯になるニューガンダム単体だけでも「関節グラグラ・パーツポロポロ」という弱点があるうえに、さらにHWSの重装備を、さらに左側に偏って装備します。なので普通に組んだら全く自立しません。

今回はファンネルをウイングファンネル仕様に変更し、「しっかり自立する安心感のある完成品」を目指して制作しました。写真では伝わりませんが、手にとった時に「重量感・安心感」を感じる完成品になったと思います。

 

それでは、ここから制作風景です。

フェイス部分はフォルムもディテールも良好ですが、抜きが弱い箇所もあるので整面してコントラスト強化。ホホのラインのスジボリ強化。フレームはグレー数色で塗り分けを行いました。

またパーツ同士のフィッティング精度が少々悪く、そのまま組み立てると最終的にスキマができてしまいます。接合面やダボを調整して、正しくフィットするように調整しました。

 

次にヘルメット部分です。頭部バルカンはキットのパーツを切り落とし、PPロングアポジ1.5-3mmに交換。トサカの断面が荒れているので整面&フチ薄面取り。

 

小さくて奥まっているので写真では撮りきれなかったのですが、左右のインテーク・後頭部のスリット、薬莢排出口などはディテールを強化したうえでグレー数色で塗り分けています。

 

頭部の位置について。ニューガン単体のときは頭部が少し浮いてるので、1.7mm低く1.2mm後方に移動する改造をしていました。今回のHWSでは肩周りがボリュームアップしてバランスが全く変わったので、新たに頭部の位置関係を調整しなおしました。

 

腕側面のスラスターディテールは一体成型になっています。ここはディテールを切り落とし、マイナスモールド3mmを埋め込みました。またフレームはグレーやメタリックなどで塗り分け。ビームサーベルは着脱式ですがグラグラなので、シルエット重視で固定。

 

また左腕には重量のあるHWSシールドのマウントがラッチされるので、強度を優先して組み立てました。

 

右腕。ほとんどのガンプラでライフル用マニピュレータは保持力が弱くて改造が必要でしたが、このキットではシンプルながらしっかり握れるように改善されていました。すばらしい。

 

肩は可動が多いことの副作用で各パーツの位置が落ち着かず隙間が多くできてしまいます。ここは各パーツのすり合わせをして固定。肩外側スラスターのイエローの塗り分けが設定と違うので、正しい塗り分けに変更。アムロレイ紋章とアムロラインの自作デカールを貼り付け。

 

胴体にHWSが追加されるので、その厚みのぶん鎖骨フレームを外側に出す必要があります。しかしせり出す量が未確定だし、出したあと固定する機構がありません。そのため素組だとかなり不安定になってしまう部分です。ここはプラ材を使ってフレームの定量的せり出しと固定を行いました。

 

胸HWS装甲と肩とのクリアランスがピッタリになりました。フレームも可動もカチッと決まって、気持ち良いです。

 

腰の可動部もベストな角度で固定します。

 

コクピットハッチ(赤)は可動のための引掛けノブが付いていますが、これはプラモデル特有のものなのでオミット。ヒケが深いのでヤスリがけ。スライドレールにガタがあるのでしっかり固定。

 

胸の追加ブロックは開閉機構がありますがここもパーツの落ち着きが悪いので、ピタッと閉じるように調整して固定。

 

 

腰のフレームは左右でスイング可動になっています。しかし保持力がほぼゼロなので、ファンネルとHWSシールドを持たせると確実に腰が砕けます。プラ材やネジや接着パテを使って強固に固定しました。

 

余談です。
以前、完成品を納品したお客様から「完成写真のようなポーズにできない」というお問合わせを何度かいただきました。最近のガンプラは可動箇所が多いですが、それがかえってポージングを難しくしています。なので可動は必要最小限にして、ベストポーズ固定で仕上げて納品することが多くなりました。固定してしまうともとに戻せないので「ベストな一点」を狙うのは結構プレッシャーがあります。が、決まるととても気持ちが良いです。
余談おわり。

 

 

腰のアーマーは、ノーマルのパーツにHWSをかぶせる仕様です。ここもネジや接着パテを使って強固に固定しました。

 

リアアーマーは塗り分けを少し変更。このHWSはRGにしてはディテールが少なめなので、デカールを多目に貼り付け。股間中央と横アーマーはノーマルニューから変更ないので、従来どおりの制作手順で行いました。

 

他のRGシリーズとは異なり、このキットではアドバンスドMSジョイントは不使用。またポリキャップも不使用で、プラ材の摩擦のみで関節が構成されています。パーツ自体も小さいため、プラ材に負担がかからないように関節調整または関節の解除を行っています。

また連動スライドなどのギミックが仕込まれていますが、ラッチが無いため決め位置から逃げてしまう不具合があるので、正しい位置に収まるように修正・固定しました。

 

両足の開き具合を拡大するためにフレームとアウターパネルの一部をカット。ヒザ周りの3箇所の可動ギミックは、キレイな立ちポーズになる角度で固定。

 

フレームの改造補強が終わり、しっかり自立するようになりました。グラグラ・ポロリまったくなしです。

 

HWSは「完全にフィット」というより「いかにも後付け」という無骨なデザイン。でもちょうどよいフィット具合になってると思います。

 

取り付けの補強、塗り分け追加、デカール新規自作、ステンレス製ノズルC装着などなど。

 

キットでは省略されいているカカトのイエローの塗り分けを再現。足裏ノズルはペールグリーンメタリックとPPアポジ3mmに変更。そのほか塗り分けやメタルパーツ追加。

 

※こだわり余談・足の接地について

四肢を大きく飛ばす派手なアクションポーズと比べ、シンプルな立ちポーズはいっけん簡単に見えますが、実はとてもむずかしいです。芯の通った体幹・左右対称・横から見たS字姿勢・足裏の接地感・配色のバランスなど、美しいシルエットにするために考える要素がとても多い。模型歴が長くなるにつれ、シンプルほど美しく難しいことを実感します。

安定して自立させるためには、特に足裏の平面性が大切です。ガラス板を使ってソールパーツ接地面を完全平面固定で仕上げています。完成写真の足元を見てください、しっかり接地していると思います。

ちなみにこういう固定をする場合「広げてから真っ直ぐ固定」と「縮めてから真っ直ぐ固定」では、結果は同じ「真っ直ぐ」でも強度が大きく違ってきます。写真では伝わらない部分ですが、応力や可塑性をきちんと考えて、少しでも気持ちの良い完成品になるように作ってます。

余談おわり。

 

バックパックのメインノズルはステンレス製PPノズルBx4に交換。フレーム・センサー・ディテールなどを塗り分け。

 

ファンネルマウントのイエローの塗り分けが簡易省略されているので、設定画に沿うように塗り分け変更。

ファンネルとのアタッチメント部分は摩擦とラッチによるジョイントです。しかし元デザインの制限もあり、構造もギリギリだし強度も不足。改造するにしても微々たる効果か、または余計に弱くする可能性が高い。また塗装においても僅かな塗膜でクリアランスと摩擦係数が狂う、経年劣化で固定力が落ちたりプラが割れるなどリスクの多い部分です。完成後にはほぼ隠れるので、精度と強度と長年劣化しないことを最優先で、できるだけ手を加えない方法で仕上げました。何度もつけ外しをしたり、長時間ディスプレイすることを考慮すると、もっとも安定・安心できる方法だと思います。

 

ファンネルの可動部は異素材一体成型のアドバンスドMSジョイント。このジョイントは素材が柔らかいので粘る可動には良いのですが、そのかわり直線や直角にするには向いてません。今回は固定で仕上げるので、ジョイントの可動部を解除し、ファンネルを真っ直ぐや折りたたみにした時の精度をアップしました。

 

キットだと結合部の制限から高差が11mmになり、そのままだと段差が大きすぎます。結合部を解除し、自然な段差でマウントできるようにしました。

 

今回は左右1枚だけ開いた状態で仕上げました。

デカールはすべて自作しています。プリンタ設定・ヘッド熱ユニットの改造・インク・用紙・フォント厳選など突き詰めた結果、0.3mm程度の文字でも読める精度のデカールになっております。ただ、あまり情報を詰め込みすぎてもバランスが悪くなるので、わざと潰すようなこともしております。

 

バズーカ。小スケールながらもできる限りのパーツ色分けを行っていて、非常に良い設計になっています。またMGニューガンダムVer.Kaではバズーカとバックパックとの接続が致命的に弱かったのですが、RGではシンプルかつ強度な接続に改善されておりました。

 

マズル口の精度が悪く、フェアリングパーツが収まりにくい不具合を修正。マズル先端の黒ガードの内輪が歪んでいる不具合を修正。一体成型のセンサーをグリーンで塗り分け。マズルとレシーバを後ハメ加工。ディテールの修正などなど。

 

バズーカの弾頭です。設定画が赤なのでキットも赤なのは納得です。しかしやはり兵器として道具として赤単色っていうのは違和感があるので、グレーで塗装しメタルパーツでディテールアップ。

 

スライド機構等はオミットし、バックパックに背負った状態で一番バランスがよくなるように仕上げました。

 

 

 

今回は大型ビームライフルとノーマルライフルをラッチしてダブルライフルにしました。

 

ライフルはキットのスタイルが良いので大きな変更は必要なしです。細かい部分の調整、塗り分け追加、新規デカール、メタルパーツ装着などなど。

 

ノーマルニューのシールドにHWSシールドをかぶせる仕様になっています。

 

やはり固定強度不足でガタガタ・ポロリします。位置決めをしっかり検討してから、ネジで固定にしました。

 

ミサイルのディテールアップ、センターランチャーのステンレス化、プロペラントタンクの塗り分け変更とメタルパーツ追加、などなど。

 

いくつか可動部がありますが、可動範囲も少なくグラグラでシルエットを崩してしまうので、いちばん美しいラインで固定しました。

 

 

RGニューガンダムHWS、完成しました。

 

 

 

 

今回の制作で使用したメタルパーツとPPカラーセットを【ぷらもぷらす】で販売してます。デカール購入希望の方は直接メールください。
制作写真の一部は、過去の制作から流用している場合があります。なぜかというと、制作に夢中になると写真を撮り忘れることが多いからです。また製作工程の時間軸が前後する場合もあります。できるかぎり制作風景をわかりやすくしたいので、そういった処理をする場合がありますことをご了承ください。
最後まで観て頂いてありがとうございました。 みなさんの感想やリクエストが僕の製作の励みになっています。 よろしかったら気軽にメールなどくださいませ。

みなさまに、楽しい模型ライフを!