PGU パーフェクトグレード・アンリーシュド RX-78-2 ガンダム 完成しました。
このキット、パーフェクトグレードらしく極めてボリュームの大きいキットでした。制作内容を全部乗せると長くなりすぎてしまうので、キット自体の細かいレビューやノーマル状態の写真は省略し、改修点や特に注視する部分を記し、ています。(あとで時間ができたらキットレビューする予定です)
基礎工作や強度アップなどいつもどおりの改修にくわえて、このキットで一番神経をつかったのは「下品にしない」ということです。このキットはメッキパーツ・細かいディテールや色分け・電飾発光・3Dシール・金属パーツ・エッチングシートなど、もともとハイディテール気味なので、適所適材を外すと「リアル」どころか逆に品が悪くなってしまいます。過剰なディテールをオミットしたり、付け足す場合も最小限に抑えたりなど、バランス取りに気を使いました。(言うまでもありませんが、すべて個人的な好みにおいてのはなしです)
出来上がった完成品を眺めていると、大きいスケールならではの迫力と間延させない適度なディテールがあり、とても良いキットだと実感しました。
ここから制作風景です。文中「Perfect Grade Unleashed Gundam=PGUG」と省略して表記します。
頭部発光について。LEDユニットは首の下のあたりに装着されます。その光は喉・頭部のクリアーパーツを通り、ツインアイとセンサー前後を光らせます。しかし光量が低いのと、ツインアイの輪郭が見えず眼力が出ない。というわけでセンサー系は塗装で仕上げることにしました。
クリアーパーツはヤスリで下地足付けし、ベースコートからしっかり発色するように塗装しました。
多重構造で奥のパーツが見えにくくなるので、できるだけメリハリのある配色に変更しています。
キットはアニメ的プロポーションが再現されています。今回は首周辺の可動を改造し、カトキ版のようにアゴをひけるようにしました。
ガンプラでは初(?)のメタルディテール。しかし取り付け方法に凝ってフランジなどをつくったせいか、奥行がまったくなくて、せっかくのメタルパーツの効果が出てません。自作のメタルパーツに交換しても良かったのですが、せっかくなのでキットのメタルパーツを使用することに。底が丸見えのマズル内部をグレーで塗装し、インナーにPPアポジ1.5mmを埋め込みました。
両横の5連ダクトの奥のルーバーを明るめのグレーに変更。白ヘルメットの5連ダクトの四角形のユガミを一つ一つ整形。ホホのラインは段差モールドを極細スジボリに変更。などなど。
アンテナ先端はカットライン付き。ここは真っ直ぐストレートのほうがアニメ設定に近いですが、僕はこういうカットライン付きも好きです。
LED発光のためか、首周りはパーツ構成がギリギリに詰まって余裕がないのか、ディテールや可動が弱めになっています。なので加工や塗装で情報量を増やしました。
つづいてボディです。
キットのメッキパーツはほぼすべて塗装しなおしています。ペールグリーンメタリック、プラチナメタリック、EXゴールド、エキストラソフトシルバーなどなど。
コアブロック収納を下からフタをするパーツは保持強度が弱めで、上半身を持ち上げると下半身がスポッと落下する危険があります。ここはネジでしっかり固定しました。
肩ブロックがスイングします。ここはしっかり強度があったので、可動を残しました。
腰の赤い部分がスイング伸縮するのですが、可動や強度が少々弱い。今回はベストな位置で固定。黄色ダクトのルーバーは可動式ですが自重で垂れてしまうので、ベストなアングルで固定にしました。
キットのディテールをオミットしたり、新たにディテールを追加したりして、バランスを取りました。
つづいて腕の製作です。
肩の可動は全域残してあります。
芯になるフレームは、システムインジェクションのアドバンスドMSジョイントです。RGと比べると肉厚があるので破損やポロリは少ないですが、大きくなったぶんフリクションが増えすぎて可動がスムーズにできませんし、さらに力を加えるとフレームがたわんでしまいます。自重保持に影響のない可動部分はグリスなどで潤滑を改善します。
マルイチフレームの底部のメッキパーツは、自分の好みのメタリックで再塗装しました。同じゴールド系ですが個人的にはこの色味の差は極めて大きいです。
フレームやシリンダーは完成後にはほとんど見えなくなってしまいます。なのでフレームを少し派手にすることで、チラ見の効果を上げています。
前腕のカバーを開けると、金属プレス製のマウントパーツが仕込まれています。シールド側の磁石でマウント結合される仕組みです。
ヒジのパーツにディテールが入ってるのですが、他の部分との共通性が無いので、オミット。面取りの美しさを強調しました。
肘関節の前側にもクロームシルバーメッキのパーツがありました。はやりクロムメッキは超合金オモチャっぽい質感なので、グレーに塗装。肘外側のカバーは複雑かつ良い感じのパーツ構成。
今回、デカールはすべて新規作成です。
このキットではマニピュレータはまったく可動せず、固定式の手首が8種類入ってます。
最近の全指可動のギミックも素晴らしいのですが、指先の絶妙なニュアンスが難しかったり、ライフルを持てなかったり、加工塗装ができなかったりのデメリットも多かった。また完成品を納品した依頼者様から「指が写真のようにできないので、固定してほしい」というリクエストもありました。
なので最近は固定で仕上げてましたので、今回のPGUGのような固定指は個人的にはとても嬉しいです。(全可動指は別売りオプションで購入できるようにすれば、コストも需要もマッチしそうな気がします)
ここから腰の製作です。
フレームはABSとアドバンスドMSジョイント。ラストシューティングのような派手なポーズのために可動が多くあります。今回はキレイな立ち姿を目指すため、それぞれベストな位置で固定しました。
腰の前後4枚のプレートの可動。まず外側にスライドしてから、回転ができるようになります。
ヘリウムコアは2軸の可動があります。まず扉のように開いてから、自由に動くようになります。
サイドジャケットはフレームが露出するパーツ構成になっていますが、フレームの一部を外装の白にしてバランスを整えました。
サイドジャケットは上下にスライドします。
股間の連邦マーク部分は「大気圏突入」で使用した冷却機構が再現されてます。ここの赤いパーツはフレームも兼ねているようなので、塗り分けラインを追加、マスキングしてグレー等で塗り分けしました。
ここから足の製作です。
骨格はアドバンスドMSジョイント。可動はかなり固めで、それが設計どおりなのか精度誤差の硬さなのか、判別が難しいです。荷重部分はそのまま、スライドなどの不荷重部分にグリスアップしました。
スナップフィットもかなり固め。あまり固いと最後まで差し込めない、分解ができない、完成後もプラに負担がかかり経年ひび割れする、などリスクが多いです。ここではV字型にMKカットしてスナップフィットを解除しています。
アドバンスドMSジョイントのPE・PP部分は加工や塗装ができないのですが、できる限りの整形や色合わせを行いました。周囲の色をハイキーにすることで、PE・PP部分を目立たなくする工夫をしました。
膝のスリット状パーツはシルバークロムメッキですが、ここでは悪目立ちしないのでそのまま組み合わせました。ただしクロムメッキとのコントラストを出すため、組み合わせるパーツは濃い目のゴールドに塗装してバランス調整。
キットのパーツ色分けはかなり良くできているのですが、やはりどうしてもパーツ単位でバランスの限界があるので、細かい塗り分けを追加しています。ただし色やパートを増やしすぎないように、配色はとても気を使って行いました。
膝裏にクロムメッキがあります、これが「昭和の超合金メカ」っぽくて当時の憧れの雰囲気をよく再現しています。しかし今回はメッキを落とし、再塗装しました。
スネのシリンダー。いつもなら自作アルミシャフトに交換しますが、キットのクロムメッキがとてもキレイに仕上がっていたので、今回はクロムメッキを生かして仕上げました。ですが完成するとまったく見えなくなります。
ヒザと足首のマルイチモールド。キットのメッキはムラがあるので、ヒジと同様にゴールドに塗り替え。
ソールパーツの接地面は3分割可動。保持力は悪くないのですが、今回は固定にし、より重量感と安定性を増しました。
パーツ分割・色分け・マイナスモールドなどキット自体もすごく良く再現しています。さらに塗り分けやステンレス製マイナスモールド等を埋め込みました。
足まで出来上がって自立できるようになったので、フレーム状態で撮影。
かなり何度も検討した結果、すこし派手な色味のフレームになりました。
最初、キットの配色&色味だと少し派手すぎると感じたので、いったんはもっとダーク系の色に塗りました。しかし外装でほとんど隠れることと、ハッチオープンしたときに光が回らず黒つぶれになってしまいました。なので全部分解して「見える部分・隠れる部分」を十分検討し、最終的には写真のようになりました。フレームだけで観るとだいぶ派手ですが、外装パネルを付けるとちょうどよい感じになっています。
コアブロックの製作です。
胴体内蔵用のコアブロック。変形なしのシンプルなパーツ構成なので強度が取れて良いですね。完成すると隠れてしまうのですが、簡単に塗装しました。本体に内蔵するとフィッティングはかなり良いのですが、でもやはり上半身がグラグラしてしまいます。なので取り囲むフレーム部分をネジでしっかり固定しました。ネジを外せばコアブロック分離可能です。
つづいて変形式コアファイターです。
基本的な変形構造は近年のコアファイターと同様、ですがスライド可動がとても絶妙です。機種を動かすと同時に垂直尾翼をつまんで少しアシストすると、スムーズに変形できます。
開閉するキャノピーはマスキングで塗り分け。
ランディングギアの可動。コクピットシートは90度回転します。
リアエンジン部はPPアポジなどでディテールアップ。
コアブロック状態。従来の直線的から、PGUは曲面構成でマッシブなラインになりました。すごく凝ったアレンジです。
つづいてバックパックの制作です。
ガンプラ初(?)のメタルノズル。たぶんアルミにブルーのアルマイト、重量感のあるメタリックでとても良いコーティングです。
LED内蔵ビームサーベルを差し込むことで、光がバックパック内クリアーパーツを通り、ノズルが光る仕組み。しかし導線が長いため光量が少なく、暗室にしてもほとんど見えない感じです。ですので発光ギッミックはオミットすることにしました。
キットのクリアーレッドパーツは取り外し、PPノズルAを内蔵するようにしました。
クリアーパーツはフレーム色に塗装。フレーム内側のダボ(緑色部分)をカットするとノズルの可動範囲が大きくなります。
中央にはシールドラッチがあります。回転して収納することができます。左写真のサーベルラックの丸モールドが金型抜きで歪んでいるので、マイナスモールドに置き換えます。
ここからライフルの製作です。
メッキパーツはムラが目立つので、メッキ落とししてから再塗装。
同じくクロムメッキは、クリアー層・メッキ・アンダーコートの三段階でメッキ落とし。再塗装。
ここはクロムメッキを活かし、クリアーイエロー部分をセンサーグリーンに塗装。
アンダーバレル的な部分はボリュームが不足してると感じたので、メタルパーツに交換しました。
従来のガンプラの多くが「ライフルの銃底が腕と干渉して、まともに構えられない」というデザインでしたが、PGUGでは改善され、気持ち良いくらいピッタリのデザインになっています。
キットのままでもパーツ分割やボリュームは素晴らしいです。お好みでさらに手を加えて、非常に良い仕上がりになりました。
ここからシールドです。
シールドもそうですが全体的に「見える部分・見えない部分」の判断がとても重要です。普通のガンプラの感覚で組んでいると、完成後に「あ、ここ露出するのか」と後から気づく部分も多いです。なので仮組みを何度も繰り返し、特に露出部分の処理漏れがないようにチェックしています。
またディテールとスナップフィットが兼用されている部分は、ディテールに負担がかからないようにスナップフィットを解除します。
ノーマルと塗装後の比較。
ビューファインダーは開閉できます。
こちらは左手で握るためのグリップ。本体にくらべて簡易なディテールでしたので、メタルパーツを追加。ただしマグネットだけで十分保持できるので、完成品撮影でもグリップは使用しなくてもOK。そのため左手のポージングの自由度をもたせることができました。
シールドの表面はシンプル。最近の流行だとココも細かくパネル分割するガンプラが多いですが、PGUGでは一体成型がベストだと思います。このノッペリした感じが「初代ガンダム」のイメージにピッタリです。
ここからサーベルの製作です。
サーベルは3本あります。そのうち1本がLED発光内蔵です。
やはり光量が少なかったので、ビーム部分のサンディング・下地付け・蛍光数色でk-ティングし、光量アップをしました。
パーフェクトグレード・アンリーシュド RX-78 ガンダム 完成しました♪
みなさまに、楽しい模型ライフを!