RG ハイニューガンダム 仮組みレビューです。ひとことで感想を言うと、とても良いキットです。
最初に感想を言うと、とても良いキットです。
「RG」というグレードについて。一時期のRGはインジェクション技術を複雑にしすぎて、作るのも飾るのも不安定という負のスパイラルでした。しかしこのキットでは原点回帰してシンプルで作りやすいガンプラになりました。とても安心しました。
ハイニューガンダムについては昔話になりますが・・・古くからのハイニューガンダム・ファンはキット化を長年(30年近く?)待っていました。そして2007年、ついに初キット化されたMGハイニューガンダムは(詳しくは省略しますが)多くのファンが絶望した瞬間でした。
僕もガッカリしすぎて、あれほど好きな機体だったのに、仮組み途中で心がくじけました。その後も「せっかくだから」と箱を開けるけど、やっぱり箱を閉じるを繰り返し、14年たってもいまだに仮組みも完了していません。あぁ、すみません、他のキットのグチになってしまいました。(その失敗と反省を生かしたMGハイニューガンダムVer.Kaは良いキットでした)
このRGは全体的にアレンジされているが、全体のシルエットでみれば間違いなくハイニューガンダムだし、細かい調整も非常によく出来ていて、ガンプラとしてもハイニューガンダムとしても満足できる、とても良いキットでした。
それではレビューです。
ガンプラは金型が高品質でシャープなときと、そうでない場合があります。このキットはシャープで良い金型です。
もともとものデザイン自体が、形状を把握しにくいと言うか、人によって受け止め方が大きく変わる頭部。このキットではもとのデザインの雰囲気を再現してるんじゃないかな、と感じます。
最近では当たり前になってきた、フレームのディテール。センスも機能的にも素晴らしいです。
ガンプラのパーツ構成をほぼ把握してるので、説明書を読む前にパーツを全部切り離してます。ただし、解りにくいパーツは書き込みをしておきます。いずれにしても組み立てバラシを何回も行うので、番号を書いておくと効率良いです。
左腕。色分けもほとんど再現。マニピュレータは平手・握り手・武器持ちの3種類かな。
右腕。バルカンが可動します。肘関節のサークルが黄色って、なにかの設定でありましたっけ?
色分けもディーテルも素晴らしい。フィンアンテナは自分で作ると大変なのでインジェクションで出してもらえるのはありがたい。好みじゃなければカットするだけで簡単に処理できるし。
上半身の構造はRGニューガンダムとほぼ同じです。可動が多いのにグラグラしない。最近ではベストのフレームだと思います。
脇腹の丸モールド7つは「ブチ穴」だと思うのですが、やはり古くからのファンにはコレジャナイ感が強いです。ただの丸穴だけど、機能的意味とかセンスとか歴史とか個性とか大切なものがたくさん含まれてます。モデラーなら「ただの丸穴」も繊細に扱いたいという信念を持ちたいです。
腰。上半身との接続はユルユルのボールジョイントじゃなくキツめの一軸です。ハイニューは背中の重量が重いので、可動よりも強度を優先してもらったのは嬉しいです。
股間フレームもRGニューガンダムとほぼ同じ構成。ただし腰のシーソーが左右にグラグラしてしまうので、プラ版挟んで接着する予定です。
腰のアーマーも元デザインと少々のアレンジでバランス良く仕上がってます。
ただし「透明メタリックシルバー成形色」は素材の特性なのか、成形不良が多いです。色味が好みじゃないという問題もあるし、整面もやり直さなきゃいけいけないので、いろいろと気が重い成型色です。
アーマー裏は部分的に3重構造で、凝ったデザイン。ガンプラが正常進化し続けてる部分ですね。これでも十分完成形ですが、もしさらに進化するなら楽しみです。
ヒザのフレームは多重構造でとても凝った作り。可動と連動機構もスムーズだしピッタリ収まるし強度もあるし、かなり高品質に仕上がってます。
色分けも良いです。黄色を赤系の黄色にするのは、個人的にとても好み。ただしヒザの丸とふくらはぎのダクトが同じ黄色っていうのは、メカニカル的にはありえないんですよね。色にも意味がある。
ふくらはぎのノズルです。
このノズル周辺とヒザ周辺は、パーツの前後の向きが把握しにくく、組み立てを間違いやすいです。なおかつ挟み込みが多いので、やり直しとなるとほぼ全部を分解になります。組み立てるときに十分注意してください。
開閉機構も精度高いです。
ここは大きいアレンジがされてます。
ただ、これは本当に個人的な意見ですが、自分としては、突発的な安易なアレンジでメインデザインを崩してしまうのは、良くないことだと思います。元のデザインに対しても長い歴史に対しても。もしアレンジが必要だとしたら最小限のバランス調整に収めてほしかったな、というのが正直な感想です。
足裏もディテールがしっかり入っています。
ファンネル。カトキハジメ版(でしたっけ?)では白と紫のグラデーションになっていた部分を、3色のスプリッター分割で再現。これは古さと新しさとプラモの技術的制限を上手にミックスした、素晴らしいアレンジ。
RGニューガンダムのファンネルの流用とハイニュー専用新規パーツで構成されてます。しかしパーツ同士の整合性をするのにだいぶ無理をしてて、そこまで調整に時間かけるなら、全部新規パーツでも良かったのでは?と思います。
ファンネルコンテナとの接続は、かなり大型のマウントにアレンジされてます。スポスポと抜けてしまうのを防ぐためには良い決断。
可動部はKPS(?)でキツめの一軸ジョイント。ここも強度を意識したしっかりした作りになっています。しかもこんなに小さいのに3自由度あるので、ポージングは十分にできます。
ファンネルコンテナ。けっこう大きくアレンジされてますが、全体的なシルエットで見れば違和感ないという、よいアレンジ。金型も精度良く抜けてて気持ちいい。
ビームサーベル内蔵機構。ただ取り出しの可動が少しキツめ。素手での開閉が無理そうだったら、極細のピンセットなどで前方向に引き出してから上にスライドするとスムーズに開けます。
センタースタビライザーも大きくアレンジ。後端が可動して真っ直ぐになります。これも「アレンジしたけど、元のデザインも尊重してる」っていう、とてもよい思想だと思います。
バックパック本体は複雑で強度取れない形状ですが、フレームも外装も1パーツで抜いてるので、強度はしっかりあります。目立たない技術だけど、ここのパーツ設計と金型の抜きは、とてもスゴイです。感謝するほど。
プロペラントタンクも現代風に分割ディテールが入ってます。後端は凸凹のパーツ分割になっていて、真っ白でも白青ツートンも再現できる、素晴らしい。
ライフルは見たことのないデザインで、何かベースデザインが存在するのか、このキットのオリジナルなのか、僕はちょっと勉強不足でわからないです。個人的にはテーパーではなくパラレルの直線的なライフルが好きかな。でもキットのライフルもよく出来ています。右手にもたせてもグラグラしないし、腕との干渉もありません。
バズーカは最近の定番のパーツ構成&ディテールです。合わせ目もほとんど無いし、1/144スケールではほぼ完成形かな。このパーツ構成のバズーカはここ数年で30か50本くらい作ってますが、スムーズに作れて不満が無いです。
無理に要望するとすれば、中央のグリップのマウント部分(銀色台形部分)の丸モールドが、非常にボヤッとしています。他のディテールはシャキッとしてるのに、なぜかここだけはディテールかヒケなのか区別つかない。ちなみに本キットだけでなく、他のキットでもこの部分は同じようにボヤッとなっています。ここははっきりとした丸穴にするか、平面でも良いと思います。
ビームサーベルのグリップ。手に持たせる用と収納用の2種があります。マウント形状が違うのは理解できるのですが、表側のディテールが違うのは、なにか意味があるのでしょうか?ガンプラのけっこう多くが、同じような設計になっていますが、ディテールは統一したほうが自然な気がします。
青白グラデーションのアレンジとしての、3色スプリッター。とても良いアレンジ。
裏側はパーツ数を少なくしながらも、見た目は最大限頑張ってる感じ。
キットには専用のマウントが付属。胴体背中とバックパックで挟み込むようにしてマウントされるので、強度と重量バランスがちょうどよい。これは付属してもらってありがたいパーツです。
全体のバランスも良いです。良いキットでした。
最後に、塗装完成品を添付します。(塗装済み完成品の詳細写真は近日中にアップします)
パーツ分割が適切なので加工も塗装もしやすかったです。とても良いキットでした。
みなさまに、楽しい模型ライフを!