RG ffニューガンダム

作品番号 Z05

 

RG FFニューガンダム完成しました。

 

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ここから制作風景です

 

今回は「RG FFニューガンダム」のキットを使用し、カラーリングやディテールを「劇場版ニューガンダム」にアレンジして製作しました。

 

それでは、頭部の製作からです。

フェイスはフレーム・センサー・マスク・アゴの4パーツで構成されています。フォルムやディテールは良好なので彫り込みなどでコントラスト強化。フィッティング精度が少々悪く、そのまま組み立てるとスキマができてしまいます。接合面やダボを調整して、正しくフィットするように調整しました。またフレームはグレー数色で塗り分けを行いました。

 

頭部バルカンはキットのパーツを切り落とし、PPアポジ1.5mmに交換。トサカの断面が荒れているので整面&フチ薄面取り。ホホのラインのスジボリ強化、ヒサシ・アゴなどのアウトライン調整。

 

小さくて奥まっているので写真では撮りきれなかったのですが、左右のインテーク・後頭部のスリット、薬莢排出口などはディテールを強化したうえでグレー数色で塗り分けています。

 

アンテナはノーマル版(上)とFF版(下)の両方を作りました。ノーマル版のほうがいいかな、と思います。

 

頭部の位置は、ノーマルだと少し浮いてる感じ。首マウントを1.7mm低く、1.2mm後方に移動。キットのボールジョイントは切り落とし、自作ボールジョイントに交換。頭部内フレームを加工しアゴが引けるようにしました。

ちなみに首のボールジョイントは自作パーツです。耐久性・耐摩耗性に強いエンジニアリングプラスチック素材をCNC切削で削り出しているので、精度も強度も非常に高いです。写真では伝わらないのが残念ですが、ヘッドパーツを動かすと全くガタがなくスムーズに動かせる、非常に気持ちの良いボールジョイントになっています。

 

頭部の位置、キットノーマルは首が長すぎることが分かると思います。頭部の高さと前後位置を調整し、アゴが引けるようになりました。

 

 

胴体の製作です。

胴体は可動を盛り込んだ影響で強度不足でグラグラです。これをしっかり自立させるために、プラ材やネジを使ってフレームを強固に組み上げました。肩のせり出し機構もポーズ保持できないくらい弱いので、プラ材を使ってベストの位置で固定しました。

 

コクピットハッチ(赤)は可動のための引掛けノブが付いていますが、これはプラモデル特有のものなのでオミット。

 

胸ダクト(黄色)は、個人的な好みでベクターダクト(自作)に変更。左胸のセンサーは面取りと奥行きを修正。F18・F19の納まり位置が不安定なのを修正。

 

RGニューガンダムはプロポーションもディテールもほぼ完璧な超優良キットです。しかし可動を多くした弊害として「関節グニャグニャ・パーツポロポロ」という弱点も持っています。

 

本制作では「ギシギシポロポロしない、しっかり自立する安心感のある完成品」を目指して制作しました。写真では伝わりませんが、手にとった時に「重量感・安心感」を感じる完成品になったと思います。

 

 

肩外側スラスターのイエローの配色が設定画とちがう簡易カラーなっているので、設定画と同じに塗り分け。アムロレイ紋章とAマークの自作デカールを貼り付け。

なおこのキットでは「FF版の分割可動式の肩」が本来のパーツですが、余剰パーツとして「ノーマル版の肩」も入っています。今回は劇場版ニューガンダムのイメージで制作するため「ノーマル版の肩」を使用しました。このほか腕や足などもFF版とノーマル版があり、どちらも精査した結果、ほぼすべてをノーマル版パーツで組み上げました。

 

腕やヒジ周辺はフレームがそのまま露出する部分が多いです。メタリックやグレー数色で塗り分けました。

 

前腕側面のスラスターディテールは一体成型になっています。ここはディテールを切り落とし、マイナスモールド3mmステンを埋め込みました。ビームサーベルは着脱式ですがグラグラなので、シルエット重視で固定。また左腕前腕はシールドマウントがラッチされるので、強度を確保できるように組み立てました。

 

右腕。ライフル用マニピュレータはノーマルでもしっかり握れます。ちょっとだけ微調整して完成。

 

股間フレームもグラグラで自立しません。ニューガンダムは左側に重いファンネルを背負うので、特に特に腰回りの強度が大切です。ブラケットや治具を使って強固に固定しました。

 

可動が多くなると、強度が落ちるのが欠点です。さらにもう一つ、可動が多すぎると返ってポージングが難しくなる。前から見も横から見てもキレイな立ち姿になるポジションを、何度も何度も調整して探し出します。好みにもよりますが、ベストな位置は実は一点のみです。

 

以前、完成品を納品したお客様から「完成写真のようなポーズにできない」というお問合わせを何度かいただきました。可動箇所が多すぎるせいでポージングが難しくなっています。なのでベストポーズで固定にして納品することが多くなりました。固定してしまうともとに戻せないので、可動よりも固定のほうが難しいです。

 

足の製作です。

他のRGシリーズとは異なり、このキットではアドバンスドMSジョイントは不使用。またポリキャップも不使用で、プラ材の摩擦のみで関節が構成されています。プラ材に負担がかからないように関節調整または関節の解除や固定を行っています。

また連動スライドなどのギミックが仕込まれていますが、固定のラッチが無いので、パネルのスキマが発生しやすいです。正しい位置に収まるように調整・固定します。

 

両足の開き具合を拡大するためにフレームとアウターパネルの一部をカット。ヒザ周りは3箇所の可動ギミックは、キレイな立ちポーズになる角度で固定。

 

ふくらはぎのノズルはPPノズルCに交換。

 

ヒザまわりはグレー単色なので、塗り分けを増やしました。

 

キットでは省略されいているカカトのイエローの塗り分けを再現。足裏ノズルはペールグリーンメタリックとPPアポジ3mmに変更。そのほか塗り分けやメタルパーツ追加などなど。

 

●足の接地について

四肢を大きく飛ばす派手なアクションポーズと比べ、シンプルな立ちポーズはいっけん簡単に見えますが、実はとてもむずかしいです。芯の通った体幹・左右対称・横から見たS字姿勢・足裏の接地感・配色のバランスなど、美しいシルエットにするために考える要素がとても多い。模型歴が長くなるにつれ、シンプルほど美しく難しいことを実感します。

安定して自立させるためには、特に足裏の平面性が大切です。ガラス板を使ってソールパーツ接地面を完全平面固定で仕上げています。ちなみにこういう固定をする場合「広げてから真っ直ぐ固定」と「縮めてから真っ直ぐ固定」では、結果は同じ「真っ直ぐ」でも強度が大きく違ってきます。写真では伝わらない部分ですが、応力や可塑性をきちんと考えて作ってます。見た目も大切ですが、見えない部分も最大限の神経をつかっています。

完成写真の足元を見てください、しっかり接地していると思います。

 

 

ランドセルの制作。

キットではファンネルマウント(イエロー部分)の塗り分けが簡易に省略されているので、設定画に沿うようにマスキング等で塗り分け。

 

サーベルマウントも黄色一色なので、本来の配色に塗り分け。

 

メインノズル4つはPPノズルBに交換。フレーム・センサー・ディテールなどを塗り分け。

 

ライフルは合わせ目が目立たないパーツ分割で、まとまりが良いです。部位ごとに細かくグレーやオレンジなどで塗り分け。メタルパーツ埋め込みなどなど。

 

グリップ周辺のカラーリングを変更したり、メタルパーツを埋め込んだり。

 

バズーカ。小スケールながらもできる限りのパーツ色分けを行っていて、非常に良い設計になっています。またMGニューガンダムVer.Kaではバズーカとバックパックとの接続が致命的に弱かったのですが、RGではシンプルかつ強度な接続に改善されておりました。

 

マズル口の精度が悪く、フェアリングパーツが収まりにくい不具合を修正。マズル先端の黒ガードの内輪が歪んでいる不具合を修正。一体成型のセンサーをグリーンで塗り分け。マズルとレシーバを後ハメ加工。ディテールの修正などなど。

 

バズーカの弾頭です。設定画が赤なのでキットも赤なのは納得です。しかしやはり兵器として赤単色っていうのは違和感があるので、グレーで塗装しメタルパーツでディテールアップ。

スライド機構等はオミットし、バックパックに背負った状態のシルエットを最優先で仕上げました。

 

シールドの製作です。

シールドのミサイルも設定画どおりの赤ですが、やはりグレーに変更しメタルパーツ追加。センターのビームマズルも塗り分けとPPアポジを追加しました。

 

シールド裏面は簡略ながらもディテールのメリハリがあるので、塗り分けで情報量を増やしました。

 

シールドの表面はディテール多めです。そのぶんデカールを貼るスペースは小さくなったので、面の大きさに合わせてデカールを新規作成しております。

 

シールドマウントは強度がギリギリですが、根本的な改善をするスペースが取れないので、すこしでも保持力があがるように微調整しました。腕とマウントを固定にするのもオススメです。

 

サーベルグリップは丁寧に基本工作。ビーム部分は塗装で発光を表現しました。

 

 

●ロングレンジ・フィンファンネル

ロングレンジ・フィンファンネル(以下ロングファンネル)の製作は今回が初めてで、なおかつ配色を大きく変更したので、写真と説明がとても長くなりました。

まずはキットどおりに仮組み。ニュー本体のカラーリングと対比すると、どう考えても配色バランスが悪いです。サンライズの初期のロボットアニメみたい(それはそれで好き)

 

裏面は白赤グレーの3色のみ、ここだけみても配色悪すぎ。配色もイマイチだし、パーツの精度もイマイチで、RGというよりHGUCに近い感じの品質です。

 

パーツのフィッティングも少々荒いので、まずはスムーズピッタリに組み上がるように調整。初めての製作なので仮組み&バラシを20回以上やったと思います。

 

配色はと何度も何度もながーく考えました。使用する色は本体と同じ色で良いのですが、どこに何色を置くかで印象がすごく変わります。組み合わせが無限にある。

自分はセンスがないので、こういうカラーリングはいつも悩みます。何度も何度もテストや失敗を繰り返し、このままずっと完成しないのではないか?と落ち込むこともあります。でもいつも諦めずにトライし続けると「お!決まった!」ってなります。「失敗を恐れない」「とにかく手を動かす」は、模型作りをずっと続けることができた自分の長所かなと思います。

 

ここだけみても「あ、ニューガンダムだ!」って分かるようなカラーリングになったと思います。

※ちなみにセンスがある人はこういうカラーリングを短時間で決められるのでしょうか?「そんなに苦労しないよ」って人がいましたら、ぜひお話きかせてください。

 

単色一発抜きで色分けがされてないパーツも多いです。ここではグレーのスリットを塗り分けました。

 

同じく、赤一色のパーツを塗り分け。マウントの部分はフレーム色で塗装。

 

 

色を変えるだけでも立体感が出たと思います。

 

たとえばライフルやバズーカは現代兵器と同じ構成をしてるので、加工やアレンジがしやすい。しかしこのロングファンネルはオリジナルなので、どのパーツが何の役割なのか全くわからないです。おそらく機械工学的な正解はないので、自分で整理整合する必要があります。

この周辺は曖昧な部分がおおかったので、かなりの面や線を整理しました。なおかつ、オリジナルのデザインを崩さないように気を使いました。

 

後端部です。

同じように、面やディテールの整理、塗り分けのためのライン追加、などなど。

 

白い部分が多いほうがガンダムらしくなります。立体感もアップ。

 

ディテールは消したり増やしたりしてバランスをとってます。

 

FF版は青の明度が高めです。これがおもちゃっぽい印象になってる一因と思います。

 

今回は劇場版ニューガンダムのカラーリング・イメージにアレンジしました。

 

いったん分解して、内部構造。ファンネルの開閉と尾翼が連動しています。ですが、フリクションが多すぎてガチガチで動かない。無理して動かすと壊れそう。

 

そもそも尾翼が前後するのは機能的に違和感がある。なのでファンネルと尾翼の連動を解除し、尾翼は固定。ファンネル開閉はスムーズにできるようにしました。ただし長くて重いパーツはスキマができてしまうので、閉じ状態で固定にしました。仮固定なので開くことも可能にしてありますが、閉じ状態がオススメです。

 

右腕のマウントパーツは内側を未塗装にすることで、腕の塗装汚れを防げるようにしました。

 

ただ重量バランス的に右腕に持たせるのはちょっと難しいです。自立が不安定です。もともと無重力の機体ですから、これは仕方がない。

 

長くなりましたが、ロングレンジ・フィンファンネルが完成しました。

 

RG FFニューガンダム 完成しました♪

 

 

 

制作写真の一部は、過去の制作から流用している場合があります。なぜかというと、制作に夢中になると写真を撮り忘れることが多いからです。また製作工程の時間軸が前後する場合もあります。できるかぎり制作風景をわかりやすくしたいので、そういった処理をする場合がありますことをご了承ください。

今回の制作で使用したカラーセットとメタルパーツセットを【ぷらもぷらす】で販売してます。デカール購入希望の方は直接メールください。

最後まで観て頂いてありがとうございました。 みなさんの感想やリクエストが僕の製作の励みになっています。 よろしかったら気軽にメールなどくださいませ。

みなさまに、楽しい模型ライフを!