RGニューガンダム
劇場版カラー仕様

作品番号 Z10

 

RG ニューガンダム完成しました。

 

 

 

 

ここから制作風景です

 

RGニューガンダムはプロポーションもディテールもほぼ完璧な超優良キットです。しかし可動を多くした弊害として「関節グニャグニャ・パーツポロポロ」という弱点も持っています。

本制作では「ギシギシポロポロしない、しっかり自立する安心感のある完成品」を目指して制作しました。写真では伝わりませんが、手にとった時に「重量感・安心感」を感じる完成品になりました。

これまでRGニューガンダムは20機くらい作り、いろいろなアレンジやカラーバリエーションを楽しんできました。今回は原点に戻り、ほぼ設定どおりのイメージで仕上げました。

 

 

それでは、頭部の製作からです。

フェイスはフレーム・センサー・マスク・アゴの4パーツで構成されています。フォルムやディテールは良好なので彫り込みなどでコントラスト強化。組み立て時のフィッティング精度が少々悪く、そのまま組み立てるとスキマができてしまいます。接合面やダボを調整して、正しくフィットするように調整しました。またフレームはグレー数色で塗り分けを行いました。

 

頭部バルカンはキットのパーツを切り落とし、PPアポジ1.5mmに交換。トサカの断面が荒れているので整面&フチ薄面取り。ホホのラインのスジボリ強化、ヒサシ・アゴなどのアウトライン調整。

 

左右のインテーク・後頭部のスリット、薬莢排出口などはディテールを強化したうえでグレー数色で塗り分けています。小さくて奥まっているので写真では視認しずらいですが、現物は奥まで見られるので塗り分けの効果は高くなっています。

 

頭部の位置は、ノーマルだと少し高すぎて浮いてる感じ。首マウントを1.7mm低く、1.2mm後方に移動。キットのボールジョイントは切り落とし、自作ボールジョイントに交換。頭部内フレームを加工しアゴが引けるようにしました。

ちなみに首のボールジョイントは自作パーツです。耐久性・耐摩耗性に強いエンジニアリングプラスチックをCNC切削で削り出しているので、精度も強度も非常に高いです。写真では伝わらないのが残念ですが、ヘッドパーツを動かすと全くガタがなくスムーズに動かせる、非常に気持ちの良いボールジョイントになっています。

 

頭部の位置の比較です。キットノーマルは首が長すぎることが分かると思います。頭部の高さと前後位置を調整し、さらにアゴが引けるようになりました。

 

 

胴体の製作です。

胴体にも可動がたくさんあり、強度不足でグラグラです。これをしっかり自立させるために、プラ材やネジを使ってフレームを強固に組み上げました。肩のせり出し機構もポーズ保持できないくらい弱いので、プラ材を使ってベストの位置で固定しました。

 

コクピットハッチ(赤)は可動のための引掛けノブが付いていますが、これはプラモデル特有のものなのでオミット。

 

胸ダクト(黄色)は、個人的な好みで自作のベクターダクトに変更。左胸のセンサーは面取りと奥行きを修正。胸のフェアリングのパーツ(F18・F19)の納まり位置が不安定なのを修正。

 

本制作では「ギシギシポロポロしない、しっかり自立する安心感のある完成品」を目指して制作しました。写真では伝わりませんが、手にとった時に「重量感・安心感」を感じる完成品になったと思います。ファンネルを装着しても左に傾くことなくしっかり自立します。

 

 

肩と腕の製作です。

肩外側スラスターのイエローの配色が設定画とちがう簡易カラーなっているので、設定画と同じに塗り分け。アムロレイ紋章とAマークの自作デカールを貼り付け。

 

腕やヒジ周辺はフレームがそのまま露出する部分が多いです。メタリックやグレー数色で塗り分けました。

 

ビームサーベルは着脱式ですが、シルエットと安定性重視で固定化。また左腕前腕はシールドマウントがラッチされるので、強度を確保できるように組み立てました。そのほかディテールの調整やメタルパーツ装着など。

 

右腕。ライフル用マニピュレータはノーマルでもしっかり握れます。ちょっとだけ微調整して完成。

 

 

ここから下半身です。

股間フレームもグラグラで自立しません。ニューガンダムは左側に重いファンネルを背負うので、可動を固定にしただけでは強度不足です。プラ材や金属で補強を増やしました。

 

「可動が多くなる代償として強度が落ちる」というのは何度も書いてきました。さらにもう一つデメリットがあります。「可動が多すぎると、かえってポージングが難しくなる」ということです。以前、完成品を納品したお客様から「完成写真のようなポーズにできない」というお問合わせを何度かいただきました。

製作や撮影では、前から見も横から見てもキレイな立ち姿になるポジションを、何度も何度も調整して探し出します。もちろんディスプレイ状況や人によってベストポーズは変化しますが、いろいろ経験した結果ベストポーズで固定にして納品することが多くなりました。固定してしまうともとに戻せないので、可動よりも固定のほうが難しいです。

 

骨格や強度をしっかり決めてから、ディテールの製作に入ります。

 

製作中の写真はデスクライトで撮ってるので色味の安定性にややバラツキがあります。完成写真では安定した光源(演色性Ra97〜98、色温度ニュートラル、ノンフリッカー)を使っているので、色味については完成写真が実物に近いので参考にしてください。なお完成品観賞用のライトは家庭用の一般的なものでOKです。写真だと色味が固定されますが、人間の肉眼は幅広く色補正しますので大丈夫です。


 

足の製作です。

他のRGシリーズはアドバンスドMSジョイントが多かったですが、このキットはプラ材の摩擦のみで関節が構成されています。それぞれメリットデメリットがありますが、改造や全塗装をするならアドバンスドMSジョイントじゃない、このキットのほうがメリット多いです。

プラ材に負担がかからないように関節調整または関節の解除や固定を行っています。また連動スライドなどのギミックが仕込まれていますが、固定のラッチが無いので、パネルのスキマが発生しやすいです。正しい位置に収まるように調整・固定します。

 

両足の開き具合を拡大するためにフレームとアウターパネルの一部をカット。ヒザ周りは3箇所の可動ギミックは、キレイな立ちポーズになる角度で固定。

 

ふくらはぎのノズルはPPノズルCに交換。

 

キットでは省略されいているカカトのイエローの塗り分けを再現。足裏ノズルはPPアポジ3mmを設置。そのほか塗り分けやメタルパーツ追加などなど。

 

【重要】足の接地について

四肢を大きく飛ばす派手なアクションポーズと比べ、シンプルな立ちポーズはいっけん簡単に見えますが、実はとてもむずかしいです。芯の通った体幹・左右対称・横から見たS字姿勢・足裏の接地感・配色のバランスなど、美しいシルエットにするために考える要素がとても多い。模型歴が長くなるにつれ、シンプルほど美しく難しいことを実感します。

安定して自立させるためには、特に足裏の平面性が大切です。ガラス板を使ってソールパーツ接地面を完全平面固定で仕上げています。ちなみにこういう固定をする場合「広げてから真っ直ぐ固定」と「縮めてから真っ直ぐ固定」では、結果は同じ「真っ直ぐ」でも強度が大きく違ってきます。写真では伝わらない部分ですが、応力集中分散や可塑性をきちんと考えて作ってます。見た目も大切ですが、見えない部分も最大限の神経をつかっています。

 

完成写真の足元のアップです。足裏と地面をしっかり接面させるのはけっこう難しいです。

 

 

ランドセルの制作。

キットではファンネルマウント(イエロー部分)の塗り分けが簡易化されているので、設定画に沿うようにマスキング等で塗り分け。

 

サーベルマウントも黄色一色なので、本来の配色に塗り分け。

 

メインノズル4つはPPノズルBに交換。フレーム・センサー・ディテールなどを塗り分け。

 

 

ライフルは合わせ目が目立たないパーツ分割で、ノーマルでもクオリティが高いです。ただ少しだけコントラストが弱いので、塗り分けやメタルパーツ埋め込みなど行いました。

グリップ周辺のカラーリングを変更したり、メタルパーツを埋め込んだり。

 

バズーカ。小スケールながらもMGやPGと同じくらいのパーツ分割&色分けで、非常に良い設計になっています。また過去のニューガンダムはバズーカとバックパックとの接続が弱かったのですが、RGではシンプルかつ強度ある接続に改善されておりました。

 

スライド機構等はオミットし、バックパックに背負った状態のシルエットを最優先で仕上げました。マズル口の精度が悪く、フェアリングパーツが収まりにくい不具合を修正。マズル先端の黒ガードの内輪が歪んでいる不具合を修正。一体成型のセンサーをグリーンで塗り分け。マズルとレシーバを後ハメ加工。ディテールの修正などなど。

 

バズーカの弾頭です。設定画が赤なのでキットも赤なのは納得です。しかしやはり兵器として赤単色っていうのは違和感があるので、塗装とメタルパーツでディテールアップ。

 

 

シールドの製作です。

シールドのミサイルも設定画どおりの赤ですが、やはりグレーに変更しメタルパーツなどでディテールアップ。センターのビームマズルも塗り分けとPPアポジを追加しました。

 

シールド裏面は簡略ながらもディテールのメリハリがあります。ただしほぼ単色なので塗り分けで情報量を増やしました。

 

シールドの表面はディテール多めです。そのぶんデカールを貼るスペースは小さくなったので、面の大きさに合わせてデカールを新規作成しております。

 

シールドマウントは強度がギリギリですが、根本的な改善をするスペースが取れないので、すこしでも保持力があがるように微調整しました。ちなみに自分でディスプレイするときは、腕とマウントをネジ固定しちゃいます。

 

 

ファンネルの可動部はアドバンスドMSジョイント。この素材は柔らかくて粘りがあるので可動には良いです。しかし形状の精度やヤスリや塗装には向いてません。今回は固定で仕上げるので、ジョイントの可動部を解除し、ファンネルを真っ直ぐや折りたたみにした時の精度をアップしました。

 

ファンネル同士の結合部が共通化されてるのでアニメのような段差が再現できません。結合部を解除し、自然な段差でマウントできるようにしました。

 

 

デカールはすべて自作しています。プリンタ設定・ヘッド熱ユニットの改造・インク・用紙・フォント厳選など突き詰めた結果、0.3mm程度の文字でも読める精度のデカールになっております。ただ、あまり情報を詰め込みすぎてもキットとのバランスが悪くなるので、わざと精度を下げるようなこともしております。

 

 

●梱包と破損リスクについて

上の写真はPGUガンダムの梱包例です。

郵送事故で完成品が破損するのは、購入者さんにとってはもちろん、僕自身もすごく悲しいです。なので梱包はしっかり行っています。ウレタンスポンジで囲ってダンボール(70サイズ)に入れます。そのダンボールをエアキャップで囲って、さらに大きいダンボール(140サイズ)に入ます。ウレタンスポンジ+ダンボール+エアキャップ+ダンボールの4重クッションで発送しています。梱包方法を常に改善してきた結果、この方法がとても安定していると思います。

過去数百の完成品発送で郵送中に破損したのはかなり昔の3件のみ、それも明らかに運搬中の手荒い落下衝撃が原因です。幸い軽度の損傷だったので無料で修理しました。運輸会社の信頼度も年々上がっていますので、近年では郵送中破損の可能性は極めて低くなってます。万が一の場合、軽度なら無料修理、重度なら相談しつつ運輸会社の保険適用などで対応したいとおもいます。(なお可動模型特有の微細なコスレ等については、正常範囲内としてご了承ください)

 

 

 

RG ニューガンダム 完成しました♪

 

 

 

制作写真の一部は、過去の制作から流用している場合があります。なぜかというと、制作に夢中になると写真を撮り忘れることが多いからです。また製作工程の時間軸が前後する場合もあります。できるかぎり制作風景をわかりやすくしたいので、そういった処理をする場合がありますことをご了承ください。

今回の制作で使用したカラーセットとメタルパーツセットを【ぷらもぷらす】で販売してます。デカール購入希望の方は直接メールください。

最後まで観て頂いてありがとうございました。 みなさんの感想やリクエストが僕の製作の励みになっています。 よろしかったら気軽にメールなどくださいませ。

みなさまに、楽しい模型ライフを!