RG リアルグレード 1/144 RX-78 GP01Fb フルバーニアン 完成しました
RGフルバーニアンは、気軽にそのまま組んでも充分満足できる優秀キットで、初心者にもおすすめできます。僕はガンプラ1000体以上作ってきましたが「おぉ〜これは久々に傑作キットだ!」と感動しました。
しかしスタイリングや可動変形を重視したためパーツ構成が非常に繊細になっており、設計者の意図を正確に受け取るのが少々難しめではあります。また、かなり完璧に組み上げても、RGシリーズ共通の弱点である「グラグラ・ポロポロ」もあります。
今回の制作では、強度を補強して安定安心の完成品にすることをメインに制作しました。そのため数十回(数百回?)の仮組み分解を繰り返し、結果、説明書とは全く違う組み立て方法になりました。
キットノーマル状態。パーツ分割やディテールはとても良いです。センサーやアンテナ横の半円状のモールドなど、いくつか塗り分けが必要です。
センサー系は塗装で仕上げます。クリアーパーツはヒケやバリがすごいので、全面整形&下地足付けし、ベースコートから時間をかけて塗装を重ね、しっかり発色するように塗装しました。
ツインアイは単体で見るとかなりのツリ眼になっておりますが、ヘルメットをかぶせると丁度よい角度になる、絶妙なデザインです。
センサーが別パーツになっているのはとても嬉しいです。制作もしやすいし仕上がりもきれいになります。
細かい部分の塗り分けは「これが正解」というのは存在しないですね。色や形状によって、筆塗り・マスキング・エアブラシ・ラッカー・エナメル・水性など、何十種類の組み合わせを適所適材で選ぶことが大切かなと思います。
写真では大きく拡大してますが、実際は小指の爪くらいの小さいパーツです。
頭部が完成しました。
多くのガンプラで首の位置を修正する事が多いですが、このキットはノーマルのままでちょうどよい頭部ポジションになります。
強度の調整をし、ペールグリーンメタリックなどで塗り分け。
コアファイターはアウトラインもディテールもキレイです。
これが変形して上半身に収納されるのは、すごい優秀設計です。
なおコアファイターは完成後にはほぼ見えなくなります。なので強度を優先して制作します。
全く見えなくなる部分も、簡易ではありますが塗装を行いました。
パーツのほとんどが「見た目だけのデザイン」ではなく、ドッキングのラッチ機能やストッパーなど、何かしらの機能を持っています。全部を理解するのは相当なボリュームがあります。
コクピット周辺です。黄色いパーツの組立が少し難しいです。写真の位置まで奥に押し込むのが正解です。ここの押し込みが足りないと、黄色パーツ、赤パーツの収まりが悪くなりスキマができます。
変形や可動がおおいうえにコクピットはフロート可動なので、なかなかピタッと組み立てるのは難しいと思いますが、正しくできればスキマなしでピタッと組み立てることができます。
腹部は可動が多く強度不足でグニャグニャです。プラ材で補強を入れたりしてガチガチに補正しました。
米粒くらいの大きさのノズルが連動可動するのはスゴイですね。すべてのノズルをメタルパーツに置き換えます。
肩先端ノズルと上腕ノズルが連動する構造です。技術的には高度ですが、連動する意味(機能性)は感じられません。緑矢印の部分をカットすると連動が解除され、それぞれ独立して可動するようになります。
基部になる部品が小さいのでドリルなど加工の精度が必要です。ここに自作したメタルパーツや変換シャフトなどを装着します。自作パーツは±0.01mmの交差で設計してるので、精度も組み付けもバッチリです。
ちなみに市販のプラ棒は交差±0.2mmくらい、2mmプラ棒が1.85mm〜2.3mmくらいのバラツキがあるので、こういった精度の必要な工作には使用できません。
ここで使用したパーツは、ノズルB、アポジ2mmと3mm、変換シャフト121mmです。自作パーツは【ぷらもぷらす】で販売してます。
自作デカールを貼ってトップコートして完成。
腕の構成も良いですね。一部がアドバンスドMSジョイントで、加工と塗装に制限があります。可能な限り処理してます。
キットの良さを活かしつつ、細かいアレンジを入れてます。
腰のフレームもアドバンスドMSジョイントですが、腰骨に当たる部分は1軸可動でしっかり強度があり、ジャケット6枚も特に問題なし。
ジャケット裏面はほとんど見えなくなりますが、塗り分けを行いました。
股間のパーツは、キット通りのグレーと、ガンダム定番である赤の2つを作ってみました。この機体ではグレーのほうが似合ってると感じました。
「脳のイメージ」と「実際作ったもの」は、けっこう違いが出ます。なので迷ったときは2つ作って良い方を採用するようにしてます。
アウトラインもスジボリもディテールも、ある程度の機能性も考慮されてて、とてもセンスよくまとまっています。
ディテールを整理したり増やしたり。
ここはPPノズルCがピッタリでした。
ヒザのモールドも凝ったパーツ分割になっています。面出しやC面処理などでさらに精度をアップします。
カラーリングもアレンジしました。
ヒザ周辺も塗り分けが必要です。パーツ分割が優秀なので塗装しやすいです。
マイナスリベット&丸皿モールドなどでディーテルアップ。
グレーやペールグリーンメタリックLなどで塗り分け追加。PPアポジ2mmと3mmを装着。
コアファイターのエンジン部分がMSのバックパックになる構成です。そのため複雑な可動が多く不安定。対策としてバクパックを支持するパーツを根本から変更し、背中にしっかり保持できるようにしました。
PPノズルCやアポジ2mmなどでディテールアップ。
ポッドの可動軸には変形のための伸縮機能がありますが、ストッパーがないのでちょっとでも動かすと奥に入ってしまい、戻すのが難しい。プラ材などでストッパーを作って仕込みました。
フレームの強化が終わっったらディテールを加工していきます。
フルバーニアンのいちばんの特徴は多数の増設バーニアですので、これらを大型化するとよりフルバーニアンらしくなります。
ライフルはパーツの合いがかなりきついので、スナップフィットは完全解除。パーティングラインやバリが多いので整面。塗り分け追加やメタルパーツで仕上げ。マニピュレータとグリップはしっかり保持できます。
なお塗装全般についてですが、市販の模型用塗料ではなく業務用の強力な塗料を自分で調色して使用してます。塗膜を薄くできる・発色が良いなどのメリットが多い。また模型用よりも経年劣化や退色にも強いので、長年ディスプレイできるという未来を考慮してのメリットもあります。
表の青いパーツのスナップフィットが裏側に露出します。が、周辺のディテールと同じにデザインされてるので塗装すれば違和感なく収まります。本当にこのキットは優秀です。
金型の制限や押出ピン跡も目立たない、すばらしいパーツ設計です。
サーベルはシンプルな構成。モナカ割ではなく一発整形。また真円度が高いのも優秀。ただし緑矢印4つの部分のすべてが非常にキツくパーツが割れる可能性が高い。個々に調整します。
ちょっと細長いかなと感じたので、長さを3mmくらい短縮。PPアポジ3mmを装着して完成。
ふたたび完成写真です
写真では伝わらないのが残念ですが、目に見えない部分を大きく改造して強度ガチガチに仕上げました。実際に手にとったときズッシリとした重量感を感じます。フニャフニャポロポロしない安定安心の完成品になっております。
というわけでRG GP01Fb フルバーニアン完成しました!
みなさまに、楽しい模型ライフを!