MGサザビーVer.Ka 完成しました。
■キットについて
このキットが発売されたのは2013年12月、現在から12年前です。かなり大幅なアレンジされてますが、デザインやバランスが優秀で、いま見ても古さを感じない・・・むしろ最新キットよりも質が高い部分も多いです。RGサザビーも傑作キットですが、このMGサザビーVer.Kaも傑作でオススメです。
■制作について
MGサザビーVer.Kaは過去に10機以上作っていて、キットの弱点や改造案などほぼすべてメモしてあります。今回もそのメモを基準に制作します。そして、最後に制作したのが数年前。その間に技術も素材も向上しましたので、最新のアレンジも加えます。
予定では「過去と同じ工作80%+新規工作20%」くらいの見積もりでした。が、いろいろ理想やこだわりを盛り込んだ結果「過去工作80%+新規工作70%」になりました。そのため製作期間が予定より長くなってしまいましたが、そのぶんクオリティも大幅にアップしました。
■説明文は大幅に省略しています
制作内容は非常にボリュームが大きく(今回は写真が4000枚)全部掲載すると長くなりすぎてしまうので、ヤスリがけや塗装などの基礎工作の説明は省略しています。
改造内容は基本的に「スナップフィット解除・アトハメ加工・センター出しと位置決め・ブラケット追加とネジで強度アップ・メタルパーツ装着」の繰り返しを全身に行っています。
見た目はもちろんですが、眼に見えない部分もしっかり作り込み、ユルユルポロポロしないガチガチで安心の完成品を目指しています。このことは本文中に何度も言ってるのでしつこく感じるかもしれませんが、あらかじめご理解ください。
キットのモノアイは透明パーツ1個だけの簡略なものです。ガラス製レンズと丸皿モールドに交換しました。透明モノアイカバーは厚さや形状など精度が悪く、加工したとしても良い表現にはなりません。バイザー無しのほうが模型としてもメカとしても良いと思います。
脱出ポッドはヘルメットやフェイスなどの位置決めに影響するので、精度と強度を優先して組みました。
コクピットの球形は、アニメだと本体同色にみえたり、別の資料では濃い赤だったりと、いくつか存在するようです。「脱出ポッド」という役割を考えると「エマージェンシーカラーの鮮やかなオレンジ色」が思い浮かびますが、カラーシミュレーションしたら全く合わなかった。いろいろ試した結果、少し濃い赤色がいちばん良かったです。
首を加工して頭部を2mmほど低くして、完成。
デザインや金型もかなり良い感じ。ただし機械設計経験がある自分にとっては、動力パイプ後端の「最小曲げ半径が小さすぎ」は、メカ的にも精神的に違和感があるので改善します。
マウントを加工して、自作の「動力パイプ3mm3点セット」に置き換え。
首のプレートがピッチ方向に可動するのですが、意図せずパタパタと動いてしまうので固定にしました。
腰のピッチ・ロール可動をふくめいくつかの可動があります。しかし可動範囲が小さすぎてポーズが取れるわけでもない。強度が不足で前後左右に傾いてしまって、良い姿勢を保つことができない。これをベストなポーズになるように固定します。
まずピッチ(前後おじぎ方向)のゆるゆる可動を、まっすぐ+すこしだけ前傾で固定します。どれくらい前傾させるかは、機体によって、個人の好みによって変わるので毎回調整しています。ちなみに、後傾(のけぞり方向)にすることはほぼないです。
ここはロール方向の可動です。真っすぐで固定したいのですが、目視や手作業では「まっすぐ」にはなりません。理想ではノギスと計算で一発で決めたいのですが、現実にはなぜか論理値どおりにならず、うまくいきません。
模型歴50年になりますが、一番の近道は「現場合わせ」です。どこか基準になる面に治具やスペーサーを仮固定してまっすぐを割り出します。仮スペーサーをノギスで測ってさらに微調整。このスペーサーを何十回も作り直して「ピタッ!」となるとろを探し出します。センター出しや位置決め等ができたらネジで固定。ネジだと分解再調整ができるのが便利。必要ならば接着剤も併用しますが、実際にはほぼ使わないです。接着剤使用率5%以下、ほんの小さい部品だけです。
このキットはパーツ分割、色分け、レイヤー構造などがとても複雑で凝ったデザインになっています。しかし全ガンプラの共通の弱点、スナップフィットがきつくてパーツがハマらない、なのにポロポロ外れる、といった弱点があります。つまり可動軸だけでなく、固定組立部分も同様に強化が必要です。
このボディだけで50箇所以上あるスナップフィットをすべて解除。クリアランスを調整したりスペーサーを追加したりで、スルスル・ピタッ!と吸い付くように組めるようにしました。
たくさんのスペーサーとネジにはそれぞれ2つの役割があります。「位置決め」と「強度アップ」です。同じプラ板でも位置決めと強度アップはまったく違う役割です。
またアトハメ加工も必須です。接着剤は全く不使用で、ネジだけで組み立てられるようにします。ユニットごとに分割すると加工や塗装の精度があがるし、梱包や万が一の修理などの安全安心も向上します。こいうった加工を全身に行っています。
フレームが決まったら外装パネルの工作です。
平面の処理。平面と言ってもほんとに真平面と、緩やかにカーブしてる平面が混在します。それぞれにどういう意味があるのか。機械設計的意味よりも模型的見栄えを優先するか。バランスを見ながら調整しています。
ヤスリがけなどの工程が一区切りするごとに、アルコールや中性洗剤や汚れを落とします。特に超音波洗浄は絶対必須です。洗浄が終わったら乾燥ブースで加熱乾燥。
細かいディテールはノーマルのままでもデザインも良いので、少々整えて塗り分けなどで強調。
ガンプラ改造パーツ通販【ぷらもぷらす】の動力パイプ3点セットに変更。従来の「大中小の汎用オプションパーツ」ではなく、ガンプラ設計と金型に合わせて作ったガンプラ専用メタルパーツなので、当然ながらサイズピッタリです。
動力パイプも仕上がりました。
胴体と肩と腕をつなぐジョイント。可動軸が多数あり強度がほぼゼロ。メカというよりコンニャクにちかい。
キットではできるだけフリクションを増やすためにボールジョイントがキツキツになってます。そのせいでポリキャップが大きく変形しています。写真では伝わらないですがポリキャップの四角いタブが3mmくらいズレちゃってます。普通にノーマルで組み立てようとしても組み立たない可能性もあります。仮に組めたとしてもぐにゃぐにゃです。
全体的に新規部品をスクラッチしたほうが早い場合も多いです。ですが僕は「キットの素性はできるだけ活かしたい」という指標(理想)もあります。ここではポリキャップを除去し・・・
位置決めのスペーサー、固定強度のスペーサー、ネジで固定。カチカチになって気持ちがいいです。なお肩のロール可動(上下スイング)は残してあります。
重量のある上半身をボールジョイントで接続。そもそもボールジョイントは支持点が1点しかない、そんな設計は間違ってます。例えばバスケットボールの上に熱々のラーメンを置く風景を想像してください。
ボールジョイントは切り落とし。接続用のプレートを製作。ついでに腰の高さを4mm高くしました。
上半身側のボールジョイントの受け側のポリキャップもオミット。接続用のプレートを装着。これで上半身と下半身の接続が本来必要な強度に、それ以上に強固になりました。
上半身と下半身を固定しました、が、ここは分解できるようにしたかったので、さらに脱着機構を追加工作します。ネジがたくさんありますが、それぞれ全く別の役割があります。センタリング用、ロールやピッチの固定用、ブラケット固定用、胴体と腰の貫通接続用、などなど。
分割方法はいくつか候補があり熟考の結果、写真のような分割になりました。ここも時間がかかりましたが、とても安心できる構造になりました。徹底改修してよかったです。
ノーマル。多重構造や開閉ギミックは丁寧にデザインされてて良い感じです。基本的にはこの構造をキープします。
まずは各パーツのデザイン的な意味や、金型由来の誤差などを把握します。特に組み立て途中で見えなくなる部分などは何十回と組立分解を繰り返します。そうして十分に理解したつもりでも、工作を勧めていくうちに「あ、違った。やり直しだ」ってことも多いです。こういうのはすべてのプラモデルに共通です。
ペールグリーンメタリックは自分で作った色です。アクセントになるけど目立ちすぎない、深みあがり、周囲の色に干渉されない、とても気に入っている色です。
ただ、写真だとその良さが伝わらないのが残念です。色味やホワイトバランスをきれいに撮るのが非常に難しい。リサイズやJPEG圧縮のときにメタリックの粒子感がザラザラになってしまう。実物はもっと粒の細かいなめらかなメタリックです。
肩の上面の可動フレームです。
開閉ギミックが見えない(手の届かない)場所にあるので、理想の位置で止まってくれない。ここもストッパーを製作。
ところで「できるだけキットの素材を活かしたい。ただしできるだけキットのダメージを少なくしたい」という背反する理想があります。
なんども調整や失敗をするような加工のときは、キットを加工するのではなくプラ材を加工すればOK。どんなに失敗してもプラ材を交換すれば良い。キット側はネジ穴加工だけで済みます。
接着剤を使う場合はプラへのダメージが少ないものを選びます。速乾性や水性や瞬間接着剤など数種類を使い分けてます。
プラ材スペーサーでクリアランス調整、センター出し、位置決め、補強用プラ材追加、ネジ固定。ちなみにここでは10回くらいプラ材を作り直してます。でもキットのネジ穴は2x2箇所だけ。
フレームと平行してパネルも進行します。
このパーツはモールドが埋まってたり段差ガタガタです。以前の制作でも修正した記憶があります。が、こんなにひどかったかな?以前はどうやって修正してた?と古い制作風景を見直したら・・・
2013年頃、発売当時の写真です。モールドがシャキッとしています。十数年で金型が劣化したようです。
埋まったディテールを復活させることも考えたのですが、そもそも、元のディテールのデザインに統一感がなかったので、オミットすることにしました。パテで整面して、デカールやメタルパーツでディテールアップします。
ゲート跡、めくれ、バリ、ヒケ、小口、エッジの糸面などなどを処理。
赤の対照色は緑。つまりペールグリーンメタリックの相性がとても良いです。
つぎは肩から下がるジャケットです。
工作内容はこれまでと同様。
プラ材でクリアランス調整しセンタリング。オープンにした場合に大きいスキマが発生するので、マウントを作ってメタルノズルを追加。
肩ユニットが完成しました。
以前よりもノズルを増加したぶん、サイズを小さくしたり高さを調整してバランスを取りました。マーキングはキット付属デカールと自作の水転写デカールを併用しています。
市販のメタルノズルはアルミ製が多かった。アルミも良い素材ですが、熱に弱く溶けてしまうイメージ。なので自作でステンレス製ノズルを作りました。ステンレスは材料費・加工費のコストが高いですが、重厚感があって気に入っています。これにセンター用の黒樹脂シャフト、真鍮アポジなどを組み合わせるセットです。
ノズルの向き(センターライン)を放射線状に揃えました。
ノーマルだとノズルの向きがバラバラです。これを改善するにはマウントを新規に作る必要がある。しかしキットパーツの殆どに平面がないのでマウントの基部になる部分が無い。さらに4枚の開閉機構の開き具合も完全に揃えなければならない。
理想のゴールが一つではなく、いくつもの組み合わせがある。「難しくても時間かければ完成形はあるのか?それとも構造的に無理なのか?」って自問自答しつつ、とにかく手を動かして、時間はかかりましたが理想的に仕上がりました。
肩のジョイントはシンプルな軸ジョイントなので強度も十分あります。ただし広がり方向に弱いのでネジで固定。PPアポジ4mmを仕込んで完成。
ヒジ周辺はポイントカラーを追加。おもにマスキングで塗り分けています。
プラスチックノズルをメタルノズルに置き換え。ここではPPアポジ5mmがピッタリでした。
複雑なギミックが入り組んでて、設計もデザインも素晴らしい。唯一の弱点である強度不足を改善。
メタリックフレーム部分はキットでは単色でしたが、バランスを考えてグレーなどで色を増やしました。
袖口は多数のパーツが組み合わされますが、少々精度が悪いです。塗装の塗膜の厚みも考慮してすり合わせを行います。
塗り分け色を増やしました。中央のリング部分のペールグリーンメタリックがいい感じに撮れました。この写真が実物に近いです。
スタビパネルの開閉機構は位置を決める機能がありません。きっちり位置決めして固定。
前腕の改修も終わりました。
マニピュレータはシステムインジェクションですべての指がフル可動。当時は革新的技術で感動しました。が、ヤスリも塗装もできないので、改造塗装派には困った素材です。
さいわい、プライマーの性能が上がったり、軟質素材の技術的ノウハウも開拓されて、手間はかかるけど仕上げることができるようになりました。左手は握り手で固定。
右手はライフルグリップに固定。手首のボールジョイントではライフルを保持できないので、軸ジョイントに変更。
■下半身・股関節です
ネジ固定。より強固で精度良く固定するために・・・
中身はこのようになっています。モナカ割りをネジで締め付けるとパーツが歪んでしまうので、プラ材で面が接触するようにしています。この場合はピッタリサイズではなく、ごくわずかにスキマを作るようにします。スキマの大きさは一定ではなく、パーツ形状や機能によって0.05mm〜0.3mmくらいで適宜調整します。
重い上半身を支え、両足を安定させる大切な部分ですので、強度と精度をしっかり安定させました。
フロントジャケットです
フロントアーマーはデザインもパーツ精度も良く、小さな調整を加えて仕上がりました。
サイドジャケットです。
開閉機構がありますが、オープンにするとノズルが内側を向いてしまう。それじゃヒザが焦げてしまいます。これはこういうデザインなのでしょうか?それともコストや模型的な諦めでしょうか?
ノズルの向きを適正にする改造を行います。
複雑な可動のためフレームがとても細い。さらには疑似シルバーメタリックのプラ素材がかなり柔らかい。ノーマルの状態でグニャグニャです。プラ材で補強します。
これまでと同様「スナップフィット解除。センタリングと位置決め。補強材とネジで固定」を行うのですが、強度が足りないのに加えて曲面しかないので、かなり難しい改修でした。
脳内シミュレーションで数パターン。採寸で数パターン。現場合わせの調整で20回くらい。コツとしては「何十回失敗しても納得するまで諦めない」です。技術はもちろん精神的な面のほうが大きいかなと思います。ちなみにここでのプラ板は位置決めのための仮止めプラ板。位置が割り出せたらこれらのプラ板は取り外します。
位置が決まったので固定用補強用のプラ板を作成していきます。
完成すると見た目はノーマルとほぼ変わらない。でも中身は完全に別物です。
フロント周りが完成。
リアジャケットの制作です。
まずはノーマル。開閉機構があり連動するようになっています。
開閉可動が連動するのは、一昔前は「オー連動すごい!」と感動しました。が、模型歴が長くなり審美眼が煮詰まってくると「この角度、美しくない」と思うようになります。というわけで連動は解除し、アウトラインが整うようにします。
工作内容はこれまでと同様ですので、詳細は省略します。
フレームはアトハメ加工したので、塗り分けやポイントカラー追加の順番が効率よくなり、仕上がりもアップしました。
アトハメにより、マスキングによる塗り分けも簡単&精度アップ。
スナップフィットの解除。
さらに上下ユニットもアトハメできるようにしました。加工や塗装の精度があがるし、梱包や万が一の修理などの安全安心感も向上します。
いったん仮組み。アウトラインが整いました。中央の4つのノズルはキットノーマルでは表面2個、裏面2個の構成。マウントを加工して表面4つに変更しました。上下のベクトルを少しずらしてPPノズルAを装着。
裏面にノズルがあるのも珍しくて「逆噴射」「パージ!」など機能を想像するのも面白いですが、模型的には全く見えなくなってしまうので、表面に移動してよかったと思います。裏側はディテールパーツを増やしました。
テールジャケットが完成。
当時としてはかなり大幅なアレンジで、単調になりがちな足回りがおおきく改善されました。今見てもとても良いアレンジですね。フレームや関節の強度も悪くないです。今回はしっかり自立させるために関節を固定に変更していきます。
スナップフィット解除しネジで固定。スリットやヒザの塗り分け。4桁の数字はネジのサイズです(自分用のメモです)。
関節をねじで固定。左から、ヒザと太もも、ヒザとスネ、足首を固定しています。
スソの大型ノズル。
真円度や円周ディテールなどはとても精度が高いです。ゲート跡処理とフチ薄加工と表面処理をします。
チェックサフ・ヤスリ最終仕上げ・本サフ・メタリック専用下地ブラック・ペールグリーンメタリック・トップコート。
中心にPPノズルAセットを組み込んで、完成。
足の後ろ側のジャケットです。可動軸の強度がほぼゼロでプランプランです。
アトハメ加工。追加ブラケットで位置決めピッタリ。強度ガッチリ。PPノズルCセットx2を追加。
足後ろの3連ノズル。おなじくアトハメ加工。位置決めピッタリ。強度ガッチリ。PPノズルCセットx3を使用。
スネ側のユニット
開き具合の調整、足本体とのスライド量の調整、アトハメ加工。位置決めピッタリ。強度ガッチリ。内部にPPノズルCセット、フレーム部の塗り分け増加。
本体とのクリアランス、回転式開閉機構の角度を固定。ヒザの塗り分けなどなど。
ここについては大幅なアレンジを行いました。
赤い子羽根AとBがあります。クローズ状態ならば完全に隠れるので問題なし。
オープンにすると弱点があります。せっかくオープンにしても殆ど見えない。角度が固定なのでアウトラインが揃わない。模型的制限で不要な面が悪目立ちする。多重構造のクリアランスに統一感がない。良い感じに可動させようとすると周囲のフレームやパネルに当たる。可動が多すぎて位置決めができない。などなど。
このまま隠れた状態で作るなら弱点もあまり目立たないのですが、今回はしっかり見せてボリュームアップする方向で改造します。ちなみに片足で9枚の羽根があります。
「可動が多いほど偉い」みたいな固定観念が負の方向にこじれて、ここの可動だけで7自由度もあります。これが位置決めを不安定にさせ、パーツポロポロの原因になっています。
僕も昔は「フル可動」にこだわった時期がありましたが、ストレスが多かった記憶があります。いまは「固定のほうが難しくて楽しくてストレスなくて美しくて安心」になりました。ライトユーザーさんにとっては「可動が多いけどパーツポロポロで自立しないキット」と「固定だけどしっかり自立するキット」どちらが良いのでしょうか。ならば、固定と可動でシリースを分ける、っていうのも良いかと思います。けっか、両方買いそうです。
話がそれました。本題に戻って
前側の小羽根(左右内外の4枚)はマウントを追加して位置を調整して固定。
後ろ側の小羽根(左右内外の4枚)は本来のフレーム接続から切り離して、大羽に固定しました。やはり多くの失敗と調整を繰り返し・・・
羽根の位置変更とボリュームアップ、レイヤー構造のクリアランス、それぞれの羽根の角度。左右対称のシンメトリック。きれいに整理できたと思います。左右内外のレイヤーセットは1軸だけ可動を残してあり、取り外しアトハメもできます。あと、しつこく繰り返しになりますが「カッチカチで安心の強度!!」
本体と変わって、直線主体のデザインです。曲面と直線が混在する、サザビーの難しいところですね。複雑なパーツ分割になってますが精度も強度も良好です。フレームは基本工作と塗り分けで完成。
せっかくデザインにこだわってるのに、それを台無しにする謎のバンダイエッジ。ここは安全対策でもないし、コストなどの問題なのかな?
直線主体なので加工しやすいです。全重量が乗るのと、自立のための重要な足裏なので、あまり加工はせず精度と強度を優先しています。
シリンダーシャフト。以前は4mmのシャフトを取り付けるために4mmの穴を開けていました。それだとプラパーツが破損してしまうことが多かった。今は自作の「アルミ製・変換シャフト」が便利です。1mmの穴をあけて差し込むだけで4mmのシャフトが固定できます。さらに、ボアに対してストロークが長いので、4mm穴よりも1mm穴のほうがセンターと強度が出ます。この変換シャフトはシリンダー表現だけでなく、円柱パーツのセンター出しなど、いろいろ便利です。
足裏しっかり接地させる工作です。ガラス板に合わせて平面を出します。
足裏と大地がピッタリ接地。
四肢を大きく飛ばす派手なアクションポーズと比べ、シンプルな立ちポーズはいっけん簡単に見えますが、実はとてもむずかしい。芯の通った体幹・左右対称・横から見たS字姿勢・足裏の接地感・配色のバランスなど、美しいシルエットにするために考える要素がとても多い。模型歴が長くなるにつれ、シンプルほど美しく難しいことを実感します。
基本工作+位置調整+強度アップ+塗り分け+メタルパーツ。
ここではPPノズルGx1、ノズルBx4、ノズルMx2を使用。
プロペラントタンク。ここも金型劣化でバリや段差がひどくなっているので、以前よりも時間がかかりました。
フレームが上下分割されててスライド昇降。カウリングと内部サポートが開閉。ギミック満載です。
フレームの昇降は最大上げた状態から少し下げた位置で固定。
スナップフィットは便利だけど精度がいまいち。接着剤は分解ができない。ネジで固定したいが、隠れてしまう部分がおおくドライバーが入らない。難解なパズルを解くようにして組み立てをアレンジしていきます。試行錯誤に時間がかかりますが、アトハメ加工が成功すればスルスル・ピタピタ・カチカチ。分解メンテもできます。アトハメとネジのメリットは多大です。
このキットは、フレームで隠れるかとおもった部分が露出したりして、完成後に「あれ?ここ見えるのか。やり直し!」ってことも多いです。特にコンテナ底面の細長スリット2つはフレームとスナップフィットとディテールの3つを兼ねてるので注意が必要。すでにネジ固定に変更してあるのでフレームとスナップフィットは解除。ディテールの役割だけにします。こういう部分をメモに残してノウハウを蓄積させていきます。
この小さいサイズにフレームのスライドや小羽根の展開などギミックが満載です。今回は固定で仕上げます。センターや伸縮寸法を6個きれいに揃えるための治具を制作し、統一感の精度を上げます。
羽根4枚xヤスリ面6xファンネル6個=144。本体やフレームふくめ全部で200以上の面をヤスリます。こういう繰り返しの工作は、集中力があるときよりも、ほどよくリラックスしてるときのほうが効率が良いです。塗装乾燥待ち時間とかラジオを聞きながらとか、他の作業と同時進行するのも良いです。コツがあるとすれば時間読みですね。工作量の多さよりも工作時間を意識するようになってから質が上がりました。
ファンネルのノズル。変換シャフト121、ノズル専用スペーサー、丸皿6-5mm、PPアポジ4mmと2mm、PPロングアポジ2-4mmを使用。
ファンネルとコンテナが完成。
ひとつのキットのなかでも、パーツの表面処理の仕上がりの良し悪しがバラバラです。このサーベル基部の黒いパーツはかなりひどいので時間をかけて修正します。いっぽうグリップのパーツは精度が高い。
サーベルも仕上がりました。
シールド裏面が別パーツ化されてるのは、とてもありがたいです。
さらに表面の赤いパーツも程よく分割されていて工作や塗装ややりやすい。ありがたいですね。ただしこういう大きいパーツは経年劣化や熱などで歪みが出やすくその修正は難しいので、さらに分割して加工しやすくします。組立はブラケット追加とネジで固定。
スリットのグレーチングはペールグリーンメタリックで塗装。
中央先端に塗り分けを追加。
シールド裏面はグレー数色などで塗り分け・メタルパーツ埋め込み。
グレネードも塗り分け。
本体のほうでグレーを数色使っているので、ライフルにつかうグレーの選定にはすこし時間がかかりました。いちおう「色の組み合わせの基礎」みたいのは習得してるのですが、実際にはテキスト通りにはいかず、現物の感覚で選ぶ必要があります。テストペイントと失敗を何度も何度も、納得できるまで繰り返す。これが最善で最短の方法だと思います。
マズル先端にPPアポジを埋め込み。三角形の銃底パーツは腰にあたって銃をもつことができません。こういうデザインは残念ですね。銃底は取り除いてディテールに置き換えました。
右手はグリップした状態で固定。人差し指だけは可動を残し、指セフティと指トリガーの両方できるようにしました。
ノーマルのライフル。デザイン的にはかなり残念(個人の感想です)
バズーカのデザインが良いので、そちらに合わせてバランス取り。
写真のように、ライフルは浮かせた状態でも保持できるように制作しました。ただしどうしても重量があるので、実際のディスプレイではライフル(バズーカ)先端を地面に接地させるのが安定でベストと思います。
ちなみにライフルの色味(ホワイトバランス)がだいぶ違うのは、手元撮影と完成品撮影が別のカメラ・別の照明だからです。また僕のPCディスプレイはカラーキャリブレーションを行っていますが、スマホでは色味が違って見えます。つまりカメラやディスプレイの性質的に、ホワイトバランスを実物と同じに調整するのはほぼ不可能ということをご了承ください。そのうえで、制作風景と完成品はそれぞれ伝えたい内容が違うので、わかりやすく伝わるように写真を撮り分けています。(こういう場合、デジタルよりも紙媒体が便利ですね)
武器などのグレー系は手元カメラの色、本体の赤はどちらのカメラでも実物に近いです。もちろん完成品実物は肉眼で見てバランスの良い色に仕上げてあります。カメラ撮影についてはこれからも勉強してもっと良い写真が撮れるようにがんばります。カメラ余談おわりです。
というわけで数年ぶりのMGサザビーVer.Ka、充実した内容で完成しました♪
みなさまに、楽しい模型ライフを!