小さい部品をマスキングすると、マスキングテープがめくれてしまう現象があります。たとえばこんな感じ。
このパーツの右側をマスキングしたい。
境界線にそって貼る。
余白を裏面に折り込む(爪を切りなさい)
時間がたつとこっち側がめくれてしまう。
この例ではわかりやすい写真にしましたが、もっと小さい部品では見えてないくらいのメクレが発生してて、気が付かずに塗装して境界線が乱れる、という失敗はよくあります。
これはマスキングテープが「スプリングバック」したからです。これはマスキングテープだけじゃなく、プラや金属や素材全般で発生します。素材を曲げていくと、ある地点でスプリングバックや可塑性や破断などの現象が発生する、その発生する基準点を「最小曲げ半径」って言います。
ガンプラは「曲げ」の集合体です。理屈抜きで美しいデザインもありますが、機械設計の基礎からはずれたラインはすごく気になってしまいます。たとえばグフのランドセルから出てる動力パイプは「最小曲げ半径」よりも曲げが小さいので「リアリティに欠ける」「改造しなきゃ」となります。より良いガンプラを作るなら、とくに「リアリティ」を求めるなら「最小曲げ半径」は優先順位高い知識だとおもいます。ちょっと話がそれました、マスキングテープの話題に戻ります。
マスキングテープのスプリングバック対策はいろいろあるのですが、今回のような部品形状の場合、平らな台紙に貼り付けるのが良いです。
まずは部品と台紙をしっかり固定。
あとは周りをペタペタ。簡単に貼れるし、精度も良くできるし、最小曲げ半径のリスクもない。安定したマスキングができました。
余談:ツメについて→別記事に転載しました
常識的には「爪を切りなさい」は理解してます。過去に何度も「理想のツメの長さ」に切ったことがあります。しかしそれだとプラモが全く作れなかったです。この写真はさすがに伸びすぎ状態ですが、ある程度伸びてないとプラモ製作ができません。そのかわり清潔感は大切にしてます。プラモ触る前は必ず石鹸で洗って、さらに指先はエタノールで脱脂しています。
「だったら写真撮るときはピンセット使えば」も正論です。これもメリット・デメリットがあります。ピンセットだとパーツの大きさが伝わらない。指だと「実際の作業の感じ」「どこを持つのか」を伝えられる。あと時短の目的もあります。ピンセットや背景を用意するといつまでたっても制作も記事も進まないです(体感3倍くらい時間かかる、もしくは何年も保留してる件も多い)。自分の心身、完成品の精度、視聴者の気持ち、どうすれば最善なのかいろいろ試行錯誤してますのでご理解ください。
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