※今回はエナメル塗料によるスミ入れ・拭き取りについてです。ガンダムマーカーなどのスミ入れは別の方法論になります。
●スミ入れしてはみ出した塗料を拭き取る時、一般的には綿棒をゴシゴシと往復運動させている人が多いと思います。これだとスミを広げているだけです。そして地の塗装面に傷がつき、その傷にスミ入れ塗料が染み込んで汚くなります。こうなってしまうとしつこく拭き取りしても傷の奥のスミはもう取れません。最悪、プラが割れるリスクも高めてます。
●塗装面を傷めないキレイな拭き取りは、次の方法が有効です。
・綿棒をエナメルシンナーで浸す(通常と同じか、少し多め)
・綿棒をスミ入れに接触させる。押し付けるのではなく、そっと当てる感じ。
・そのまま5秒〜10秒くらい待つ。重要=ここでスミを吸い取っています。
・綿棒をそっとスライドさせる。
・うまく行けば一発で100%キレイに拭ける。
・スミ汚れが少し残ることもあります、優しく拭き取るか、同じことを何回か繰り返す。
●大切なのは「押し当ててる数秒でスミ汚れを溶かしつつ、綿棒で吸い取る」の部分です。もっともっと重要なのは「シンナーでスミを溶かしてる数秒の時間」です。時間が短いと溶けないし、長いと塗面やプラを侵食します。状況によって秒数は変わりますが、だいたい3秒〜6秒くらいでキレイに取れます。それで溶けないようなら、秒数を長くするのではなく、5秒を数回に分けるのがいいです。
●すこし細かい説明。
スミを吸い取って綿棒を外すとき、直角(真上)に離すのが傷をつけないベストです。しかし綿棒を真上に離すと、エナメルシンナーの水溜りができることがあります。これが塗装面を侵食したり、スジボリのミゾに流れ込んだりする弊害があります。対策として綿棒を外すときにスライドさせれば水溜りやスジボリ流入を防ぐことができます。また、入り組んだスジボリ周辺で作業するよりも、シンプルな平面にスミとシンナーを移動させてから処理することで、結果的により綺麗にできます。
●こういうのは動画で撮るのが一番分かりやすいと知っていますが、時間や環境を考えるといつまでたっても撮影&アップできない。だったら文字だけでも先にアップしたほうがいいかな、と思ってアップしました。余裕ができたら動画撮ります。
●追記:動画撮りました。普通なら「ツヤあり白」にスミ入れするのが定番です。実験動画では、あえて汚れの残りやすい「つや消し白」に、黒でスミ入れしています。(GIF動画 40MB)
基本的にはこんな感じです。スミ入れ&拭き取りは他にもたくさんの方法やコツがあります、いずれまた紹介します。
●動画で使用してる「スポンジ綿棒」が圧倒的にキレイに拭き取れます。スミイレで悩んでいる方にぜひオススメです。スポンジ綿棒はここで販売してます。消耗品にしては少しコストが高いので「100円ショップの綿棒で荒く拭いて、仕上げにスポンジ綿棒」という方法も良いと思います。
●エナメルでもプラを割らない
ときどき「エナメルスミ入れでプラが割れます、どう対策してますか?」という質問をいただきます。上記の通り、エナメルシンナーを最小限で済ませる、ゴシゴシと力を入れない、シンナーの水たまりを作らない、シンナーをスジボリに流さない、スジボリを避けて平面で処理する。これらを効率よく最短の時間で行えば「エナメルシンナーでプラが割れる」というリスクを最大限避けることができます。僕も初心者の頃はスミ入れでポロポロ割ってて恐怖感がありましたが、近年では割れたことがないです。極端な例だと、ラッカー塗装してないプラに直接エナメル処理しても、近年では割ったことがないです。ややまぁエナメルでプラが割れる原因と対策は他にもいくつかありますが、また時間があったらアップします。
●ここまでやってもキレイに取れないスミ汚れは、たぶんどうにもなりません。ラッカー塗装からやり直したほうが早いです。
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