デカールのシルバリング対策に「デカピタ」

2011.07.13 初記
2018.12.26 一部改定
2023.01.17 追記

 

「デカールをキレイに貼るにはどうしたらいいの?」という質問をたいへん多く頂きます。いろいろとコツがある中でも、今回はデカールフィット剤「デカピタ」の使い方を説明したいと想います。

 

大判デカール使用例 MG Ex-Sガンダム

 

 

デカールを多用する僕としても、デカールのしっかりした定着はずっと課題で、市販のデカールフィット剤はほとんど試しましました。ある程度の効果はありますが、同じ処置をしたのに剥がれたり剥がれなかったりで、どうしても不安定でストレスになっていました。

そこで知り合いの塗装屋さんに相談しつつたくさんの試作品を作りました。そんな中から「これは最強だ!」といえる定着剤が作れました。それから20年以上使っていますが未だに最強です。また経年によるトラブルもありません。

 

デカールを貼る場合はツヤ有り塗装にしておくのが定番ですが、ここれはあえてタブーとされている「つや消し塗装面」で効果を観てみます。

 

水転写デカールを普通に貼りました。貼った直後はこのように問題なく定着しているように見えます。しかし、

 

しかし乾燥が進むと空気が入ってきて、デカールが浮いてきます。

 

さらに時間が進むと、ほぼ浮いてしまいました。「シルバリング」です。

 

完全にシルバリングしてしまいました。こうなると軽く息を吹きかけただけで飛んでしまいます。

 

 

この状態からデカピタを使用してみます。

 

柔らかい筆でスッとひと塗りしてください。

 

「もっち」の部分だけぬりました。下地がつや消しなので、すこし多めに塗ってます。

 

だんだん乾燥してきます。空気も抜けて、スジボリにもフィットしていきます。

 

完全乾燥です。「貼った」というより「同化」してます。なので、この状態からは意図的に剥そうとしてもほぼ不可能です。剥がすには荒目のヤスリやIPAなどで塗面ごと落とすしか方法がありません。

 

全部にデカピタを塗りました。このあとつや有りクリアー・つや消しクリアー等で仕上げを行ってください。

 

 

大判デカール使用例 HGUC 1/144 デンドロビウム

 

 

ソフトとハードの使い分けについて(2023.01.17 追記)

デカピタはソフトとハードの2種類があります。単純に効果の強弱で使い分けもできます、が、下記のような使い方をするとより効果を発揮します。

 

●デカピタソフト
デカールを柔らかくするイメージです。
塗面とデカールの間に塗ります。
塗面にソフト1滴置いてからデカールを貼る。
デカールをソフトに浸してから貼る。
ゆっくり時間を掛けて貼りたいとき。
塗面が弱めのとき。
すでに貼ってあるデカールの上から塗っても効果はあります。

 

●デカピタハード
デカールを溶かして塗装面と一体化させるイメージです。
塗面とデカールの上からコーティングして浸透させます。
先にデカールを貼ってから水分をある程度拭取り(デカールがズレない程度が目安)
デカピタハードをサッと薄く素早く優しくコーティングします。
このとき使う筆は、非常に柔らかい平筆がベストです。
大型デカールの重ね塗り・返し塗りは短時間(5〜10秒以内)に行ってください。
時間超過や表面張力や垂れ状態までになると、塗面を痛めます。
完全乾燥したシルバリングでも上からコーティングで密着します。
塗面がつや消しでも、たいてい密着させられます。
密着後はデカールを剥がすことはほぼ不可能です。
失敗した場合はヤスリや剥離剤で塗装ごと落としてください。
デカピタを塗ってから1時間〜数時間で指触乾燥・クリアーコートできます。

 

●自分のデカピタ使用率はハードが90%でソフト10%くらいです。 ライトユーザーはソフトを。デカール多数貼る人や大判デカールにはハードをオススメします。ハードの取り扱いは多少デリケートですが、慣れればデカールの浮きで悩むことはなくなると思います。

 

デカピタはプラモプラスで販売しています。

 

 

 

みなさまに、楽しい模型ライフを!