九龍ガンダム DRW仕様
MG ニューガンダムVer.Ka &
MGハイニューガンダムVer.Ka
コンポジット制作

作品番号 V33

 

制作依頼を頂いておりました、クーロンガンダム・DRWファンネル仕様が完成しました。

 

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今作はディスプレイアームを使用した宙空ディスプレイを前提に制作しましたが、写真のように自立させることも可能です。

 

 

ファンネルコンテナを外し、背部を見やすくしました。

 

 

 

 

 

 

ここから制作風景です

 

●今回の制作は・・・
MGニューガンダムVer.Ka と MGハイニューガンダムVer.Ka をコンポジットし、DRWファンネル仕様で仕上げ。クーロンの特色を活かすため、バーストモードはオミットし、ノーマルモード固定。フレームや外装の塗り分け色を追加。ユニコーンマークなどデカールをリニューアルを新規にデザイン。などを行いました。

 

●頭部
・ホホのスジボリを掘り直し。
・ひさしの下のバリ取り。
・チンガードのバリ取りと面構成の修正。
・トサカのバリ取りと整面。
・フェイスパーツ下端のアウトラインを修正して小顔化。
・ダクト奥グレー部分のスジボリ塗り分け。

・首の関節がキツイのでポリキャップを調整。
・首の高さを約1.8mm詰めました。

・バルカンにはPPアポジ2mmを埋め込み。
・薬莢排出口はグレーで塗り分け。
・アンテナの整面とシャープ化。
・襟足のパーツは最適な位置で固定してあります。

※「ツインアイやセンサーを鮮やかに塗装するにはどうしたらいいんですか?」という質問を多くいただきましたので、ぷらもっちの【ぷらちく】のコーナーに「ツインアイ塗装方法」と「蛍光塗料と光源についての記事」をアップしました。蛍光塗装のウンチクなどが書いてありますので、ぜひ見てみてください。

 

 

・K22とK23の重なりにスキマが出来る不具合があり、これが原因でアウターパネルが段差になってしまいます。この対策のため、接合面を削り込み接着剤でしっかり固定します。

 

 

・肩関節に大きいスキマができるのが気になったので、プラ材から作り出したブロック状のパーツを追加しました。

 

 

●腕部
・ヒジのパーツ(K25)のダボが過干渉する不具合を調整。
・前腕の連動機構がパーツに過負荷をかけているので修正。
・フレームはペールグリーンメタリックやEXゴールドなど数色で塗り分け。
・ヒジ関節は丸皿5mmとマイナスリベット4mm。

・上腕前腕の関節は大きい荷重はかからないのでそれほど強度はいらないですが、標準的な強度調整と塗装面干渉調整を行っています。

 

●マニピュレータ
・軟質樹脂はPTLやヒケの処理が難しいので、パテを盛って整形。
・手首関節がグラグラなので、しっかり固定。

以前に完成品を納品した依頼者様から「左手が完成写真のようにならない」という問い合わせをいただきました。確かに、このマニピュレータは可動範囲が自由すぎるせいで、ポージングが非常に難くなっております。また、何度か動かしているとポロッと取れてしまい、そのあとはほとんど保持力がなくなってしまいます。ですので、いろいろと思案検討した結果、ベストプロポーションの握り手で固定にして仕上げています。

 

 

・右手はライフルグリップにしっかり固定。手首のピッチを調整しています。

 

 

・左腕のビームサーベル。手首との接続ピンなど可動部が大雑把な作りなのでギミックはオミット。収納状態での見栄えを最優先で制作しました。

 

 

●肩関節と胴体の接続
・肩のせり出し機構は、設計・構造・材料が致命的に弱いので、ネジでしっかり固定。
・ライフル&シールドを装備した状態でベストのアングルと強度を確保しました。

 

●胴体フレーム
・コクピットを支えるフレームにプラ板を挟んで強度アップ。
・横隔膜に1枚、脇腹に2枚のプラ板を取り付けて強度アップ。
・合計5箇所に補強プラ板を追加しました。

 

●腰ジョイント
明らかに設計不良なのにいまだに改善されない腰関節。特にニューガンダムは重いファンネルを背負うので改善必須です。キットのジョイントはオミットし、腰の高さを調整したうえで、ネジでしっかり固定します。(写真は撮り忘れましたが)肋骨可動部はカトキポーズになるアングル(腰骨間24mmノギス測定)で固定。

 

 

左は制作専用フレームで、これにパーツを取り付けて加工や塗装を行っています。 右は本番仕上げのフレームです。

制作中は何度も仮組み分解を繰り返しますので、どうしてもスナップフィットやパーツ自体が疲れてきます。なので本番フレームとは別に、仮組み専用のフレームを使用しています。仮組み専用フレームは、すべてのスナップフィットを少し緩めに調整してあるので、部品へのストレスが非常に少なくなっています。

また、スナップフィットがきつい状態のまま制作した完成品は、プラが割れやすくなります。製作中はもちろん、完成後もできるだけ長くコンディションを保てるよう、長年の経験からの調整を行っています。

 

胸ダクトの造形が今ひとつ良くないので、ここは自分の好みでハイニューガンダムタイプのベクターダクトをプラ材から造形しました。

 

●股間フレーム
・股間のパーツ(K1)の上部分がフレームと干渉するので、クリアランスを修正。
・股間軸の回転機構はあまり意味がない上に強度を落としているので、しっかり固定。
・太ももとの軸は強度設計が弱く、慣れてないと軸を折る可能性があります。軸とポリキャップのクリアランスを調整し、肉抜き部分にパテを盛って強度をアップ。

 

 

腰周りのアーマー類はパーツ分割もディテールも良好です。細かい調整、塗り分けの追加、デカール新規制作などを行っています。

 

 

余談になりますが、今回のキットで成形不良パーツがありました。レアアイテムが当たったようで、ちょっと嬉しい。

 

 

●足部
・立ちポーズでしっかり自立させるために、ヒザの関節を固定。
・フクラハギパーツ(L22/L23)は下のピンをカットして収納位置を調整。
・フクラハギのパーツがピッタリ収まらない不具合を調整。
・後ろ側のノズルフェアリングの可動範囲を拡大加工。
・ヒザ関節は丸皿6mmとマイナスリベット5mm。

 

今作は、塗り分けや差し色を多めに追加しました。最近のガンプラは最初から差し色パーツになっていることも多いのですが、パーツごとの色分けだとどうしても大雑把で意味的にも違和感があります。なのでまずは一色で統一して無垢な状態にしてから、あらためて機能性のある配置や配色を作り出します。

 

●フクラハギのバーニア
・フレームを改造し、下側のフェアリングの可動範囲を拡大。
・マウントを追加して、ノズルを4基から6基に増やしました。
・自作のステンレス製ノズルCを使用。

 

 

ノーマルのノズル2基では隙間が多かった、ここはノズル3基がピッタリです。

 

 

しっかりした自立を目指すため、足裏はガラス面を使って完璧な平面性を保持するようにして、ガッチリ固定します。ここは時間がかかる部分なので、早い段階で工作してます。

 

フレームの接着剤乾燥待ち時間などを利用して、外装パネルやディテールを加工していきます。

 

 

固定のためにネジを多用していますが、完成後にネジを見せないようにするのも、けっこう技術がいります。

 

 

●シールド
・クーロン仕様にするため、ディテールをパテで埋めるなどの加工。
・ジョイント部がグラグラするのを補強。
・ミサイルとマウントが干渉する不具合を調整。
・ミサイル先端やシールド内側にマイナスリベットなどのメタルパーツ装着。

・シールドのザインは、アウトライン内に収める部分とはみ出す部分のバランス取りなど、非常に時間をかけました。

 

 

●ビームライフル
・右手とライフルグリップをしっかり固定。
・ライフルの向きが体幹に対して正しくなるように手首のアングルを修正。
・指セフティを再現。
・甘いディテールにはメタルパーツを装着。
・カラー配色を一部変更。

 

 

●バックパックセンターユニット
ノーマルだとノズル2基ですが、プラ板でブラケットを追加してノズル6基に変更。フレームとアウターパネルの接合に不具合があるので、正しい位置に収まるように調整。ユニコーンマークは、ほぼ全部を新規作成しました。

 

 

MGのハイニューVer.Kaのファンネルは、パーツ構成がとても複雑です。これはニューガンとハイニューではデザインが違うのに、ニューガンVer.Kaのパーツを(やや強引に)流用していることが原因だと思います。フラッグシップ機の、しかもVer.Kaなので、値段が高くなっても新規パーツにしてほしかったところです。

 

 

前述のとおりMGニューVer.Kaからの流用パーツは、不要な穴があったり必要なディテールがなかったり、擦り合せパーツが中途半端だったりします。あまり目立たない部分ですが、これらを調整します。ファンネル6個の倍数で12個とか96回など加工数が多いので、時間とアドレナリンの様子をみて一気に仕上げます。

 

 

・ファンネルアタッチメントはプラの摩擦だけで固定する設計ですが、まったくの強度不足です。なのでネジと接着剤で強固に固定していきます。なおネジが中心からずれているのは、中心部にパーツの肉厚がないためで、少しでも肉厚の取れる横位置にずらすなどの工夫をしているため。

 

塗り分け・デカール・メタルパーツなど増量しています。

 

ファンネルコンテナ後端にはアンテナのようなディテールがあるのですが、機能も金型もボンヤリしています。今回はプラ材で作ったブロックパーツに置き換えました。

 

 

今回はスタンドを使用した浮遊形態ディスプレイで制作しました。本体取付部が干渉する不具合があるので該当部分をカット。角度調整部分はラチェットが2つしかなく、いずれも立ちすぎか前傾過ぎで使えないので、ベストな角度に調整してネジ固定しました。ネジをはずせば再調整可能です。

 

おまたせしました、完成しました。

 

 

今回の制作で使用したメタルパーツとPPカラーセットを【ぷらもぷらす】で販売してます。

制作風景の写真は、過去の制作から流用している場合があります。

なぜかというと、制作に夢中になって写真を撮り忘れることが多いからです。できるかぎり制作風景をわかりやすくしたいので、過去写真を利用したり、時系列を入れ替えたりする場合があります。ご了承ください。

最後まで観て頂いてありがとうございました。 みなさんの感想やリクエストが僕の製作の励みになっています。 よろしかったら気軽にメールなどくださいませ。

みなさまに、楽しい模型ライフを!