MG ゼータプラスC1

作品番号 W07

 

現在制作中のゼータプラスC1の途中経過です。

 

2020.03.03 足の制作風景アップ。
2020.03.25 胴体の制作風景アップ。

 

奥がノーマル、左が習作体、右が今回制作体です。

 

ゼータおよびゼータプラスは大好きな機体です。これまで無印・MG・HGUC・PG・GKなど何十体も作ってきました。特にこのMGキットは個人的な思い入れもあって「MGベースで理想の完成品を作りたい」と思っていました。それで左の習作を作り始めたのですが、理想が強すぎると例によって「完成しない病」にかかり、何年も進んでは直しを繰り返していました。

そんななか、久しぶりにMGゼータプラスの制作依頼をいただいきました。そこで今回は、習作で得たノウハウを整理してブラッシュアップする形で制作しようと考えました。今作の進捗は現在60%くらい、自立できるようになったので途中写真を撮りました。

 

 

左はノーマルです。19年前のキットですが、変形もプロポーションも非常に高レベルです。しかし複雑な変形機構のため関節グラグラで、どうしてもキレイな立ち姿になりません。

右が今作です。いちばん難しいのはしっかり自立させることだと思います。そのため制作内容のうち70%が、完成後には見えなくなるフレーム部分の強度改造です。アウター(外観)のバランスはキットをベースに、最近作った MG Ex-S ガンダム Ver.1.5 とラインを揃える感じで仕上げています。

 

 

フレーム系の改造では、頭部(首)の位置変更、胸の張り出し角度変更、足部の延長、頭頂高が高くなるなどが主な変化です。

 

 

 

胴体の制作です。

スナップフィットが3重になっています。このまま組むとキツすぎてスキマができるし、分解しようとすると破損します。また3重の場合はピンカットやMKカットだと精度も強度も取れません。

スナップフィットは「初心者でも簡単に組める親切設計」ですが、きちんとした完成品にする場合は、スナップフィットは全て解除することになります。

 

 

3重のスナップフィットは、一つ一つ丁寧にサイズの合ったドリルで調整します。0.1mmでもスキマがあると失敗となるので、経験を積めば積むほど慎重で時間がかかる工作になります。こういう調整は全身にわたって施しております。

 

 

これから胴体内のフレームを新規に作ります。たくさんのパーツを固定するため複雑な構造になり、全部を記載してもかえって分かりにくくなると思うので、主要な部分だけを記載しようと思います。

まずは腰ブロックです。変形のために4個の丁番・8個の可動部があります。キットでは摩擦で固定するためかなりキツくなっていて、何度も可動させると摩擦がすり減ってユルユルになってしまう。これを固定に変更します。

 

 

まず上面にブラケットをつけて左右の位置関係を固定。ここは板一枚でも良いのですが、あとで胸フレームと結合させるため積層にしてあります。

 

 

腰ブロック下端も中に浮いた構造になっているので、プラ板で延長ブラケットを作って位置固定。これで腰ブロックの位置固定ができたので、4枚の丁番はオミット。ついでに後ハメもできるようになりました。

 

 

つづいて胸フレーム。ここは腰・肩・背骨・胸・首の5つを支える一番重要なフレームになります。理想は論理値なのですが、実際にやってみるとピッタリになることはありません。なのでまず現場合わせで仮制作し、それを元に計算で微調整したものを新規作り直し、また計算して作り直し、を繰り返します。

 

 

非常に長い工作なので途中省略して、おおむね構造が決まった状態です。この周辺だけで20箇所くらいの可動部がありますが、全てこのフレームに固定になります。そのため工作途中はどんどん複雑な形になっいましたが、最終的にはできるだけシンプルに整理したものに作り直しました。

 

 

各部の役割を簡単に説明します。
・紫は首のエレベーションと前後左右位置を固定。
・青は背骨やコクピットなど前後左右上下6面を固定。
・緑は肩上面と胸を固定。
・赤は背骨と腰ブロックを固定。
・オレンジは肩フレームを固定。

 

 

 

肩の構造。赤四角はWR時のウイング固定ラチェットなので今回は不必要。緑丸は肩プレートを固定するものですが、位置決めも保持も不安定です。というわけでこのパーツは全部取り外し、新規フレームにネジ止めできるようにしました。

 

 

胸のパーツは、背中から6箇所の接合部を経ての保持なので、とうぜんフワフワしています。中心のフレームも変形のためには非常にスバラシイ設計なのですが、そのぶん固定力はどうしても弱い。そのさらに先に着くコクピットも当然弱い。

 

 

フレーム&接続部は全てオミット。ここでは胸の下の左右のパーツのスタビライザーを取り付け。

 

 

加工のための肉厚が少ないのが、とても難しい。平面が少ないのも難しい。

 

胸の上面のフレームパーツも、位置が落ち着かないパーツです。これを自作フレームにネジで固定。

 

コクピットです。ここでも既存のフレーム&接合はオミット。自作したメインフレームに直接固定できるようにします。

 

コクピットブロック(左黒)はプラ材でブラケットを作りました。

コクピットハッチ(右灰色)はその役割上肉厚が薄く、これから様々な加工をするための強度がたりません。なのでフレームの一部を切り取ってハッチ側に固定します。ついでにフレームとハッチを後ハメできるように加工しました。

 

 

コクピットハッチのフレーム部が決まりました。次に胸の張り出しに合わせてハッチの前後上下位置の微調整のためシムを挟みます。

 

変形のための開口部をパテで埋めます。ここはフレームをディテールアップする表現方法もあるのですが、この機体とこのキットは美しい曲面美を持っていますので、それを活かすような構成にしました。

 

 

コクピット上面と胸中央上面の面法線の角度が揃うようにする。

 

 

次に股間の制作です。やはり変形機構のため色々な制限があります。一番の改善点はQファクター(股間の広さ)です。

 

 

ゼータプラスは過去30機以上制作してきました。経験上、普通に作っても破損しやすいパーツがいくつかあり、この股間パーツもその一つです。そういった不安定なパーツは予備を持つようにしています。同じキットを複数買うことは、上達にとても有利です。

 

 

改造に入る前に、基本的な処理をします。このキットは設計も金型も素材も古いので、フィッティングが辛い部分が多いです。合わせ面やダボ等は念入りに処理します。完成後や写真では見えない部分ですが、ここをしっかり処理した完成品は「手にとったときの安心感」があります。

 

 

股間パーツのメインの保持がポリキャップ、そのため位置も強度も不足。ポリキャップは取り外し、ネジだけで固定していきます。

 

以前はクサビ型のブラケットを挟んでQファクターを広げていました。足を広げるには理想的なのですが、接合面がナナメだと強度と位置決めの精度が論理的にほんの少し落ちる。精神的なものかもしれないが。

 

 

最近はプラ板を挟む方式に落ち着いています。幅の広さの微調整が0.1mm単位でできるのと、やはりシンプルな構造が良いです。ここと同時に太ももの関節を調整することで、足を広げられるようにしています。

 

 

以上でフレームが決まったので、ここから外装とディテールに取り掛かります。

左側がノーマル、右側が加工中。

 

 

キットのアウトラインは維持しつつエッジを整えたり、細かいディテールを足していきます。

 

 

胸ダクトの奥のパーツ、ノーマルでもベクター式ディテールがあるのですが、パーティングラインと厚さがネックです。ここはいったん薄く成形して、組みながら様子を見ます。

 

 

腰ブロック。後ハメができるようになったので、加工がしやすくなりました。

 

 

胴体がほぼ完成。どこを持ってもカチカチで安心の構成です。

 

 

 

 

 

 

足です。

これはあくまで個人的な感想ですが、最近のMSやVer2アレンジは直線的で細長くしただけ、あるいはディテールを増やしただけの安直なデザインが多いのが残念。

ゼータプラスは元デザインもキットも、複雑で美しい曲面で構成されています。MSでもWRでもアウトラインが揃う、機能美も備えたデザインです。この特徴は活かしたいとおもいます。

 

 

ただし古いキットなので面のつながりが悪かったりバンダイエッジも強めなので、ほぼ全面を(裏側まで)整面しました。

 

 

ラインの幅は深さは? エッジかツライチか? C面かR面か?いろいろ試行錯誤を行っています。

 

 

足のパーツ分割は、アムロ専用A1の赤白の塗り分けを再現するための金型になっています。そのためC1では不要な部分に合わせ目がきてしまう。接着してから後ハメか、マスク塗装か、どちらも一長一短があるので悩みます。

 

 

キットでは肉厚段差があります。ここはツライチにする作例もありますが・・・

 

フチを薄く削ってレイヤー構造にしました。

 

 

足の内側。ここもA1型の塗り分けラインが邪魔になっています。接着して合わせ目消してディテール追加。

 

それぞれのパーツが独立してる感じになりました。

 

足の内側。基本的には悪いところはないので、面取りやディテール追加など。

 

 

古いキットなのでヒケが多い。ついでにバランスの悪いディテールはオミット。

 

習作では複雑にしすぎてバランスを崩していたので、本作では少しシンプルな仕上げにしました。

 

いちおう完全自立にできたのですが、デザイン的にどうしても後ろバランスが過ぎるのは、物理的にどうにもなりません。なのでネオジム磁石を埋め込んでディスプレイベースと脱着式にしました。

 

ダクトは分割して整形。

 

 

引き続き制作中です。

 

 

 

今回の制作で使用したメタルパーツとPPカラーセットを【ぷらもぷらす】で販売してます。デカール購入希望の方は直接メールください。
制作写真の一部は、過去の制作から流用している場合があります。なぜかというと、制作に夢中になると写真を撮り忘れることが多いからです。また製作工程の時間軸が前後する場合もあります。できるかぎり制作風景をわかりやすくしたいので、そういった処理をする場合がありますことをご了承ください。
最後まで観て頂いてありがとうございました。 みなさんの感想やリクエストが僕の製作の励みになっています。 よろしかったら気軽にメールなどくださいませ。

みなさまに、楽しい模型ライフを!