PG UNLEASHED 1/60
RX-78-2 ガンダム

作品番号 W37

 

PGU パーフェクトグレード・アンリーシュド RX-78-2 ガンダム 完成しました。

 

 

 

 

 

 

 

ここから制作風景です

 

今回は、キット発売入手からとにかく早く全塗装完成状態を見てみたかったので、比較的短期間での完成を目指しました。それでもはやり大ボリュームで相当な時間がかかりました。制作風景では改修点や特に注視する部分を記し、キット自体の細かいレビューやノーマル状態の写真は省略しています。(あとで時間ができたらキットレビューする予定です)

基礎工作や強度アップなどいつもどおりの改修にくわえて、このキットで一番神経をつかったのは「下品にしない」ということです。このキットはメッキパーツ・細かいディテールや色分け・電飾発光・3Dシール・金属パーツ・エッチングシートなど、もともとハイディテール気味なので、適所適材を外すと「リアル」どころか逆に品が悪くなってしまいます。過剰なディテールをオミットしたり、付け足す場合も最小限に抑えたりなど、バランス取りに気を使いました。(言うまでもありませんが、すべて個人的な好みにおいてのはなしです)

出来上がった完成品を眺めていると、大きいスケールならではの迫力と間延させない適度なディテールがあり、とても良いキットだと実感しました。

 

 

ここから制作風景です。文中「Perfect Grade Unleashed=PGU」と省略して表記します。

ツインアイと頭部センサー前後の三箇所は発光ギミックがあり、クリアーパーツになっています。ですが今回は塗装しました。その理由は・・・

 

キットどおり電飾をしこんでみたのですが、光量が少々たりず眼の輪郭が出ない。また消灯するとクリアーパーツゆえツインアイの輪郭がほとんど見えず眼力が出ない。というわけでセンサー系は塗装で仕上げることにしました。

 

ガンプラでは初(?)のメタルディテール。しかし取り付け方法に凝ってフランジなどをつくったせいか、奥行がまったくなくて、せっかくのメタルパーツの効果が出てません。自作のメタルパーツに交換しても良かったのですが、せっかくなのでキットのメタルパーツを使用することに。底が丸見えのマズル内部をグレーで塗装しましたが、やはり底突きの浅さが目立ったので、インナーにPPアポジ1.5mmを埋め込みました。

 

両横の5連ダクトの奥のルーバーは明るめのグレーで塗装し、スリットが目立つようにしました。白ヘルメットの5連ダクトの四角形はユガミがあったので一つ一つ整形。ホホのラインは段差モールドだったので、極細スジボリに変更。

 

 

スリットの奥やハッチ開閉で見えるフレームは、黒ベタで見にくくならないように、かつ派手すぎないように、何度も何度もカラーバランスを調整しました。

 

 

アンテナ先端はカットライン付き。ここは真っ直ぐストレートのほうがアニメ設定に近いですが、僕はこういうカットライン付きも好きです。

 

 

首は二重関節ですが、シリンダーやLED導光機構があるためか、可動に制限があります。カトキ版やセンチネルファンなら頭部の位置をもう少し後ろに移動したいところですが、アニメ設定に寄せるならノーマルの位置でちょうどよいと思います。

 

首の周辺はキットの塗り分けが地味だったので、ペールオレンジメタリックやグレーなど数色で塗り分けしました。

 

 

ここから腕の製作です。

芯になるフレームは、システムインジェクションのアドバンスドMSジョイントです。RGと比べると肉厚があるので破損やポロリは少ないですが、大きくなったぶんフリクションが増えすぎて可動がスムーズにできませんし、さらに力を加えるとフレームがたわんでしまいます。自重保持に影響のない可動部分はグリスなどで潤滑を改善します。

 

 

フレームの一部はメッキパーツです。メッキクリアーの色味が僕の好みとは違うのと、なによりムラが目立つので、即決で塗装で仕上げることにしました。同じゴールド系ですが個人的にはこの色味の差は極めて大きいです。

 

 

肘関節の前側にもクロームシルバーメッキのパーツがありました。はやりクロムメッキは超合金オモチャっぽい質感なので、グレーに塗装。肘外側のカバーは複雑かつ良い感じのパーツ構成。

 

パーツ数は多いですがとても組みやすい構成で「ただ大きい、ただ複雑」だけではない、とても良いキットです。

 

 

ハッチオープン。プラ同士の摩擦保持ですが、適度な保持力がありカパカパしません。

 

前腕のカバーを開けると、金属プレス製のマウントパーツが仕込まれています。シールド側の磁石でマウント結合される仕組みです。

 

 

肩はシンプルな構成。可動部の調整や塗り分けを増やすなど。デカールは今回新規に制作しました。

 

 

マニピュレータはまったく可動せず、指固定の手首が数種類入ってます。

最近の全指可動のギミックも面白いですが、指先の絶妙なニュアンスが難しかったり、ライフルを持てなかったり、加工塗装ができなかったりのデメリットも多かった。また制作依頼の完成品を納品したら「指が写真のようにできないので、固定してほしい」というリクエストもありました。

なので最近は固定で仕上げてましたので、今回のPGUの固定指は個人的にはとても嬉しいです。(全可動指は別売りオプションで購入できるようにすれば、コストも需要もマッチしそうな気がします)

 

プロポーションも良く、内部フレームも再現、強度も安心。さらに表情を付けたい場合は、この平手の指を加工すればできそうです。

 

右手はライフルをしっかり保持。ポロポロしないのは気持ちがいいです。

 

 

次に上半身の制作です。

フレームは通常ガンプラと同様のABSがメイン。上半身の中にもヒネリや上下スライドなど複雑な可動が設置されています。組んでしまうと可動軸が隠れて、役割や不具合が見えなくなってしまうので、あらかじめ十分に理解が必要なところです。

 

全身のフレームは、グレー数色・ペールグリーンメタリック・ペールオレンジメタリック・EXゴールドなどなどで塗り分けを行いました。

ペールグリーンメタリックは大好きな色なのですが、写真だとすごく地味になってしまいます。実物は深みと落ち着きと適度な輝きがある、とても良い色です。逆にペールオレンジメタリックは実物よりもだいぶ派手で平坦に写ります。写真撮影は難しいです。

 

 

コクピットブロック。はさみ込みではなく後ハメできるので、加工や塗装が効率よくできます。良いキット。

 

1/60の大スケールは久しぶりだったので、塗料も新色を調色しました。ディテールが多いのとメタリックフレームが露出するので、それに合わせて色のバランスを取りました。

 

黄色いダクト。キットでは発光するようになってます。しかしここは吸排気だとおもいます。ここが光るのは生理的な違和感があるので、クリアーパーツはグレーに塗装。またキットではエッチングパーツも用意されてますが、ラジエータコアへのエアフローをわざわざ塞ぐのも気持ちが良くないので、エッチングパーツはオミットしました。

最後に、黄色ダクトのルーバーは可動式ですが自重で垂れてしまうので、ベストなアングルで固定にしました。

 

 

全体を仮組みし、手にとって持ち上げたりポージングをしてみると、上半身が強度不足でフワフワした感じです。今回は派手なアクションポーズは取らせず、自立で美しい立ち姿にしたいので、グラつくフレームや効果の少ない可動部はネジ等で固定にしました。

 

肩のせり出し機構は十分な強度があったので、可動を残しました。なかなか思い切ったアレンジですが、閉じれば普通になるので、とても良い選択肢だと思います。

 

 

ハッチオープンは上面3面、コクピットブロックのせり出し、コクピットハッチの上下スライド。

 

 

ここから腰の制作です。

フレームはABSメイン。独特のスライド可動があります。おそらくラストシューティングのような特殊なポージング専用の可動だとおもいます。

 

写真では隠れてしまってますが、アーマー類の可動にアドバンスドMSジョイントが使用されてます。可動範囲が大きく、やはり落ち着きが悪いです。でもポロリはしないので可動のままでも良いかな。もし完成品納品する場合は、ご希望に応じて可動or固定にしたいと思います。

 

股間の連邦マーク部分は「大気圏突入」で使用した冷却機構が再現されてます。ここの赤いパーツはフレームも兼ねているようなので、塗り分けラインを追加、マスキングしてグレー等で塗り分けしました。

 

前後のアーマー。白プレート外側が回転スライド、黄色のヘリウムコアは二重軸で飛び出し開閉します。

 

サイドアーマーはシンプルな構造で、プレートが上下にスライドします。

 

ここから足の制作です。

骨格はアドバンスドMSジョイント。可動はかなり固めで、それが設計どおりなのか精度誤差の硬さなのか、判別が難しいです。荷重部分はそのまま、スライドなどの不荷重部分にグリスアップしました。

 

 

スナップフィットもかなり固め。あまり固いと最後まで差し込めない、分解ができない、完成後もプラに負担がかかり経年ひび割れする、などリスクが多いです。ここではV字型にMKカットしてスナップフィットを解除しています。

 

膝のスリット状パーツはシルバークロムメッキですが、ここでは悪目立ちしないのでそのまま組み合わせました。ただしクロムメッキとのコントラストを出すため、組み合わせるパーツは濃い目のゴールドに塗装してバランス調整。

 

キットのパーツ色分けはかなり良くできているのですが、やはりどうしてもパーツ単位で限界があるので、細かい塗り分けを追加しています。ただし色やパートを増やしすぎないように、配色はとても気を使って行いました。

 

ヒザと足首のマルイチモールド。ヒジと同様にキットのメッキはムラがあるので、ゴールドに塗り替えました。

 

 

スネのシリンダー。いつもなら自作アルミシャフトに交換しますが、キットのクロムメッキがとてもキレイに仕上がっていたので、今回はクロムメッキを生かして仕上げました。

 

ソールパーツの接地面は3分割可動。多くのキットが保持力弱く自立できないので固定にするのですが、このPGUは保持力がしっかりしているので、今回は可動を残しました。

 

キットにマイナスモールドがディテールされていて「素晴らしい!」と思いながら一旦完成させました。しかし普段から高精度のステンレス製マイナスモールドを見慣れてるせいかどうしてもシックリこなかったので、結局モールドを全部切り落とし、自作のマイナスモールドに置き換えました。

 

足裏のノズルは発光しないのにクリアーレッドパーツになっています。これは後述するランドセルノズルLED発光用のクリアーレッドと統一感を出すためかと思われます。

そのままだと色も質感も合わないのでメタリックに塗装。足裏のノズル外環はグレー単色だったので、メタリックなどでで塗り分けました。最後にノズル中央にPPアポジ2.5mmステンレスを埋め込み。

 

新規制作したデカールを貼って、トップコートして完成。なおこのキットはディテールが多いのでデカールは控えめにアレンジしました。

 

 

ハッチオープン。

 

 

足まで出来上がって自立できるようになったので、フレーム状態で撮影。

かなり何度も検討した結果、すこし派手な色味のフレームになりました。

最初、キットの配色&色味だと少し派手すぎると感じたので、いったんはもっとダーク系の色に塗りました。しかし外装でほとんど隠れることと、ハッチオープンしたときに光が回らず黒つぶれになってしまいました。なので全部分解して「見える部分・隠れる部分」を十分検討し、最終的には写真のようになりました。フレームだけで観るとだいぶ派手ですが、外装パネルを付けるとちょうどよい感じになっています。

 

 

コアファイターとコアブロックの制作です。

胴体内蔵用のコアブロック。変形なしのシンプルなパーツ構成なので強度が取れて良いですね。

 

完成すると隠れてしまうのですが、簡単に塗装しました。

 

本体に内蔵します。フィッティングはかなり良いのですが、でもやはり上半身がグラグラしてしまうので、取り囲むフレーム部分をネジでしっかり固定しました。ネジを外せばコアブロック分離可能です。

 

コクピットブロックをオープンするとコアブロックの機首が少しだけ見えます。

 

 

つづいて変形式コアファイターです。

基本的な変形構造は、近年のコアファイターと同様。

 

ランディングギアが内蔵されています。主翼をせりだすとギアハッチが開き、タイヤが昇降してきます。

 

タイヤでランディング。コクピットハッチの開閉。

 

ミサイルランチャーの開閉。

 

コアブロック状態。従来の直線的から、PGUは曲面構成でマッシブなラインになりました。すごく凝ったアレンジです。

 

 

つづいてバックパックの制作です。

ガンプラ初(?)のメタルノズル。たぶんアルミにブルーのアルマイトです。ここもLED発光できるのですが、導光線が長く光量が届かない。なので発光とクリアーパーツはオミットしました。

 

 

代わりに自作のPPノズルAとシリンダーシャフト2-1mmを使って、インナーノズルを作りました。

 

仮装着。ノズルの可動はシンプルに上下のみ。左右に傾けることってあまりないので、可動はこれで十分です。保持力も十分。

 

 

左写真のサーベルラックの丸モールドが金型抜きで歪んでいるので、ここはアポジかマイナスモールドに置き換えます。右写真はインクでマーキングしてスナップフィットの当たり具合を確認しているところです。それによって軸を細めるか、軸カットか、穴側をMKカットするか判断します。

 

ハッチオープンは上面、中段の観音開き、ノズル上変更プレートの5箇所です。あと真ん中のディテールを180度回転させるとシールドラッチ用穴が出てきます。

 

 

ライフルはパーツ分割も適切で厚みもあってとても良い出来です。

 

キットでは色分けが多く派手すぎに感じたので、メッキをグレーに変えるなどしてバランスを抑えました。

 

細部まで多くのディテールが入っているので、アフターパーツの出番は少ないです。マズル先端にPPアポジを埋め込んだりしています。

 

 

レシーバーの上部カバー、センサー、フォアグリップなどが可動。あと左面のセフティレバーとトリガーが連動して可動。なお上面センサー可動は検討した結果、写真の状態で固定にしました。

 

 

シールドの表面はけっこうシンプル。まぁここにディテールや可動が入るより、このノッペリした感じが「初代ガンダム」のイメージにピッタリです。

 

 

裏面は立体的な複合トラスフレーム。ただし底面は成型色の赤がそのまま見えてしまっていたので、明るいグレーに塗装しました。

 

 

ビューファインダーは開閉できます。

 

シールドのアームには磁石が組み込まれています。前腕の中に組み込まれた鉄皿にマウントすることができます。なぜかこの部分は完成状態でキットに入っているので、加工や塗装に手数がかかりました。磁石単品にしないのは、子供が磁石を誤飲するのを防止するためかもしれません。ライトユーザーのためなら、ハードユーザーの負担が増えるのも歓迎します。初心者や子供にも安全に楽しんでほしいです。

 

こちらは左手で握るためのグリップ。本体にくらべて簡易なディテールでしたので、メタルパーツを追加。ただしマグネットだけで十分保持できるので、完成品撮影でもグリップは使用しなくてもOK。そのため左手のポージングの自由度をもたせることができました。

 

ビームサーベルは3回りくらい太いアレンジ。ディテールも最新のアレンジです。

 

 

 

 

制作風景のオマケ。

通常のPGやMGは「頭だけ完成、次に腕だけ完成」と進んでいきます。このキットはまず全身の骨格フレームを完成、次に全身の肉付けフレームを完成、最後に全身のアウターパネル取り付け、という手順で進んでいきます。フレームだけでも完成品と同じくらい魅力があるので、このキットを楽しむには最適な組み立て手順です。

ですが自分の制作方法としては、一体目はキットどおりに制作し、2体目からは「頭部など部位ごとに完成」していくほうが綺麗にできます。そのために分厚い説明書を切り貼りして、自分の考えた最適な段取りになるように編集しました。改修点やメモなども書き込んでいきます。

 

 

ランナーのパーツ配置が部位ごとになっています。たとえば腕の組み立てが終わるとランナーの半分がカラになる。その時点で「ランナーのくびれ」に従って手でパキッと切り離すことで、不要なランナーだけを捨てられる。ランナー数がすごく多いので、とても助かるシステムです。

 

RGガンダムとの比較。

このPGUを作っていて一番感じたのは、長年のガンプラで凝り固まっていた固定観念が、とうとう改善されたと感じました。例えば40年前から今だに進化しない「ライフルを保持できない手指」の改善とか。例えば「部位ごとにパーツをまとめたランナー」は、他ジャンルのプラモデルではすでに採用されているので、ライトユーザーに楽しんでもらうためにもひガンプラでも採用して欲しいとずっと思っていました。

目に見える新技術だけでなく、目立たない部分にも確実に心に感じる革新があって、PGU、初心者にもおすすめできるとても良いキットでした。

 

 

パーフェクトグレード・アンリーシュド RX-78 ガンダム 完成しました♪

 

 

今回の制作で使用したカラーセットとメタルパーツセットを【ぷらもぷらす】で販売してます。デカール購入希望の方は直接メールください。

最後まで観て頂いてありがとうございました。 みなさんの感想やリクエストが僕の製作の励みになっています。 よろしかったら気軽にメールなどくださいませ。

みなさまに、楽しい模型ライフを!

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