PG UNLEASHED 1/60
RX-78-2 ガンダム

作品番号 X03

 

PG Unleashed パーフェクトグレード・アンリーシュド RX-78-2 ガンダム 完成しました。

 

 

 

 

 

 

 

 

ここから制作風景です

 

このキット、パーフェクトグレードの名にふさわしく極めてボリュームの大きいキットでした。制作内容を全部乗せると長くなりすぎてしまうので、キット自体の細かいレビューやノーマル状態の写真は省略し、改修点や特に注視する部分を記し、ています。(あとで時間ができたらキットレビューする予定です)

基礎工作や強度アップなどいつもどおりの改修にくわえて、このキットで一番神経をつかったのは「下品にしない」ということです。このキットはメッキパーツ・細かいディテールや色分け・電飾発光・3Dシール・金属パーツ・エッチングシートなど、もともとハイディテール気味なので、適所適材を外すと「リアル」どころか逆に品が悪くなってしまいます。過剰なディテールをオミットしたり、付け足す場合も最小限に抑えたりなど、バランス取りに気を使いました。(言うまでもありませんが、すべて個人的な好みにおいてのはなしです)

出来上がった完成品を眺めていると、大きいスケールならではの迫力と間延させない適度なディテールがあり、とても良いキットだと実感しました。

 

 

 

 

ここから制作風景です。文中「Perfect Grade Unleashed Gundam=PGUG」と省略して表記します。

ガンプラでは初(?)のメタルディテール。取り付け方法に凝ってフランジなどを設けたのはいいのですが、その代償として奥行がまったくなくて、せっかくのメタルパーツの効果が出てません。自作のメタルパーツに交換しても良かったのですが、せっかくなのでキットのメタルパーツを使用し、底が丸見えのマズル内部をグレーで塗装、インナーにPPアポジ1.5mmを埋め込みました。

 

 

首の可動範囲。キットはアニメ的な頭部位置が再現されています。今回は首周辺の可動を改造し、カトキ版のように後部後退しアゴをひけるようにしました。

 

頭部発光について。LEDユニットは首の下のあたりに装着されます。その光は喉・頭部のクリアーパーツを通り、ツインアイとセンサー前後を光らせます。しかし光量が低いため、点灯しても消灯してもツインアイの輪郭が見えず、眼力が出ない。というわけでLED発光はオミットし、センサー系は塗装で仕上げることにしました。

 

クリアーパーツはヤスリで下地足付けし、ベースコートから時間をかけて層を重ね、しっかり発色するように塗装しました。

 

そのほか、両横の5連ダクト奥ルーバーや後頭部左右スリットを明るめのグレーに変更。白ヘルメットの5連ダクトの四角形のユガミを一つ一つ整形。ホホのラインは段差モールドを極細スジボリに変更。アンテナ・赤アゴ・シリンダー調整などなど。

 

首のシリンダー。ノーマルはシリンダーシャフトのマウントが省略されていて、これがチラ見で少し気になります。これを倒立式に変更し、胸鎖乳突筋(?)が太く見えるようにしました。同時にアゴが引けるように調整。

 

LED発光のためかディテールのコントラストが弱めになっています。なので加工や塗装で情報量を増やしました。

 

 

つづいて腕の製作です。

芯になるフレームは、システムインジェクションのアドバンスドMSジョイントです。RGと比べると肉厚があるので破損やポロリは少ないですが、大きくなったぶんフリクションが増えすぎて可動がかなりキツめで、さらに力を加えるとフレームがたわんでしまいます。特に緑色でマーキングしたスライダーの動きが渋いです。自重保持に影響のない&完成後に見えない範囲で、グリスなどで潤滑を改善しました。

 

前腕のカバーを開けると、金属プレス製のマウントパーツが仕込まれています。シールド側の磁石でマウント結合される仕組みです。

 

クロームメッキや薄金メッキは超合金オモチャっぽい質感なので、メッキを落としてグレーやゴールドに再塗装。成形の甘いディテールは、マイナスモールドやPPアポジなどのメタルパーツに置き換え。

 

肘後ろ側のカバーは、複雑かつ良い感じのパーツ構成。微調整だけ加えています。それから、前腕は意図的に左右逆にしています。なぜかというと、説明書どおりだとハッチが内側に開き、そのスペース確保のためにいわゆる「脇が甘くなる」状態で、立ち姿が美しくなくなるからです。

 

肩の可動は全域残してあります。デカールはPGUGにあわせて新規に製作。

 

このキットではマニピュレータはまったく可動せず、固定式の手首が8種類入ってます。

最近の全指可動ギミックも素晴らしいのですが、ライフルを持てなかったり、加工塗装ができなかったりのデメリットも多かった。また完成品を納品した依頼者様から「完成見本のように指を再現できないので、固定してほしい」というリクエストもありました。指先の絶妙なニュアンスはガンプラ歴40年でも本当に難しいです。

というわけで僕は固定で仕上げることが多かったので、今回のような固定指は個人的にはとても嬉しいです。(全可動指は別売りオプションで購入できるようにすれば、コストも需要もマッチしそうな気がします)

 

 

 

つづいてボディです。

腰の赤い部分がスイング伸縮、肋骨が前傾するのですが、どちらも強度が弱くフラフラするのと、そもそも可動範囲もごく小さい。上半身と下半身を繋げるフレームもラッチが弱く、下半身だけスポッと落下事故する可能性が高い。というわけで完成後に隠れる部分にネジ打ちし、ベストな位置で固定しました。ネジを外せば可動に戻すことができます。見た目だけでなく、見えない部分もしっかり作り、ポロポロ・ギシギシしない安心感のある完成品になるように心がけてます。

 

黄色ダクトのルーバーは可動式ですが、自重で垂れてしまうので、ベストなアングルで固定にしました。そのほかメタルパーツ追加、フレームの塗り分け追加などなど。

 

 

ここから腰の製作です。

フレームはABSとアドバンスドMSジョイント。ラストシューティングのような派手なポーズのための可動が多くありますが、今回はキレイな立ち姿を目指すため、それぞれベストな位置で固定しました。

 

股間の連邦マーク部分は「大気圏突入」で使用した冷却機構が再現されてます。この赤いパーツの上端は、フレームと可動用ハンドラも兼ねているので、グレー等で塗り分けしました。

 

ヘリウムコアのパーツ構成は、ガンプラとしては例外的で重要な注意点があります。左写真、普通ならフレーム同士を組付けるのですが、ここでは緑で囲んだ黄色い部分がフレーム固定の役割になり、グレーのフレームは非固定で可動になります。

また右写真の青で囲った2箇所は、よほどうまく組み付ければギリギリ正常に動きそうですが、実用的には白いプレートと干渉し、可動が閉じなくなります。ここはスリット状にカットしスムーズに改善しました。

以上2点とも組み立てるときはしっかり構成を理解する必要がありますが、完成後は気にしなくて大丈夫です。

 

ヘリウムコア(黄色)は2軸の可動があります。まず扉のように内側開くと可動がスムーズです。白プレートはまず外側に3mmくらいスライドすると、回転ができるようになります。

 

サイドジャケットは上下にスライド。またフレームが露出するパーツ構成になっていますが、自分の好みで白に塗り分けてバランスを整えました。

 

 

ここから足の製作です。

骨格はアドバンスドMSジョイント。可動はかなり固めで、それが設計どおりなのか精度誤差の硬さなのか、判別が難しいです。荷重部分はそのまま、スライドなどの不荷重部分にグリスアップしました。

PSやABSのスナップフィットもかなり固め。あまり固いと最後まで差し込めない、分解ができない、完成後もプラに負担がかかり経年ひび割れする、などリスクが多いです。ここではV字型にMKカットしてスナップフィットを解除しています。こういった処理は全身に行っています。

 

アドバンスドMSジョイントのPE・PP部分は加工や塗装ができないのですが、できる限りの整形や色合わせを行いました。またヒザ裏のように周囲の色をハイキーにすることで、PEPP部分を目立たなくなるようにできたと思います。そのほか、メッキ落とし、フレーム塗り分けのバランス取り、メタルパーツ追加、などなど。

 

キットは薄金メッキが多数ありますが、すべてのメッキを落とし自分の好みの色に塗り替えました。

 

キットのパーツ色分けはかなり良くできているのですが、やはりどうしてもパーツ単位の色分けだと限界があります。細かい塗り分けを追加するにしても、境界色干渉やパートを増やしすぎないように、配色はとても気を使って行いました。

 

ソールパーツの接地面は3分割可動。つま先&かかとがせり上がります。また少々加工すると写真左のようにへの字可動もできるようになります。保持力も悪くはないです。ただ連動スライドが独特な構造で、内部を知らないと動かせないと思います。今回はキレイな立ちポーズと重量感と安定性を目指し、接地面で固定しました。

 

パーツ分割・色分け・マイナスモールドなどキットノーマルでもすごく良く再現しています。さらに塗り分け追加、ステンレス製マイナスモールド等を埋め込みました。

 

足まで出来上がって自立できるようになったので、フレーム状態で撮影。

かなり何度も検討した結果、すこし派手な色味のフレームになりました。

最初、キットの配色&色味だと少し派手すぎると感じたので、いったんはもっとダーク系の色に塗りました。しかし外装でほとんど隠れることと、ハッチオープンしたときに光が回らず黒つぶれになってしまいました。なので全部分解して「見える部分・隠れる部分」を十分検討し、最終的には写真のようになりました。フレームだけで観るとだいぶ派手ですが、外装パネルを付けるとちょうどよい感じになっています。

 

つづいてバックパックの制作です。

ガンプラ初(?)のメタルノズル。たぶんアルミにブルーのアルマイト、重量感のあるメタリックでとても良いコーティングです。

 

LED内蔵ビームサーベルを差し込むことで、光がバックパック内クリアーパーツを通りノズルが光る仕組み、しかし導線が長いため光量が少ない。また消灯するとクリアーレッドパーツのディテールが目立ってしまう。ですので発光ギッミックはオミットすることにしました。

 

キットのクリアーレッドパーツは取り外し、PPノズルAを内蔵するようにしました。

 

中央の明るいグレー部分はシールドマウントで、回転することで収納展開できます。

甘いモールドをオミットし、マイナスリベットやPPアポジなどに置き換え。可動はすべて残してあります。

 

 

ここからライフルの製作です。

センサー。クロムメッキを活かし、クリアーイエロー部分をセンサーグリーンに塗装。

 

センサーのマウント。メッキパーツはムラが目立つので、メッキを落としてフレーム色で再塗装。マウントは2軸の可動があるのですが、ここが少しでもズレすると軸がでないので、固定にしました。

 

アンダーバレル的な部分はボリュームが不足してると感じたので、メタルパーツに交換。

 

ここもメッキを落として再塗装。細かな塗り分け追加などなど。

 

 

キットの出来がすごく良いので、あとはお好みで好きなだけアレンジできました。

 

ここからシールドです。

シールドもそうですが全体的に「見える部分・見えない部分」の判断がとても重要でした。普通のガンプラの感覚で組んでいると、完成後に「あ、ここ露出するのか」と後から気づく部分も多いです。なので仮組みを何度も繰り返し、露出部分の処理漏れがないようにチェックしています。

またディテールとスナップフィットが兼用されている部分は、ディテールに負担がかからないようにスナップフィットを解除します。

 

 

シールド表面はアニメのように柔らかい曲面構成になっていて、良い感じ。それにあわせて連邦十字の取付面も湾曲しています。ただやはり3D曲面同士の取り付けは精度が難しく隙間ができがち。

 

何度も調整してかなりベストになりました。けっこう難しかったです。

 

 

左手グリップとマグネット式シールドマウント。本体にくらべて簡易なディテールでしたので、メタルパーツを追加。マグネットだけで十分保持できるので、グリップは使用しなくてもOKで、そのため左手のポージングの自由度をもたせることができました。

 

ビューファインダーの開閉。

 

塗り分け追加、デカール、メタルパーツ追加などなど。

 

 

シールド表面は面積が大きいので細かくパネル分割したりハイディテールにするのも良いですが、このノッペリした感じも「初代ガンダム」のイメージにピッタリで良いですね。ここからさらに足しても引いても良いイメージができる、PGUGは良いキットです。

 

ここからサーベルの製作です。

サーベルは3本あります。そのうち1本がLED発光内蔵です。

 

光の反射率を高めるため、ビーム部分の表面処理とクリアー塗装を行いました。

 

コアブロックの製作です。

胴体内蔵用のコアブロック。変形なしのシンプルなパーツ構成なので強度が取れて良いですね。完成すると隠れてしまうのですが、簡単に塗装しました。本体に内蔵するとフィッティングはかなり良いのですが、でもやはり上半身がグラグラしてしまいます。なので取り囲むフレーム部分をネジでしっかり固定しました。ネジを外せばコアブロック分離可能です。

 

 

つづいて変形式コアファイターです。

基本的な変形構造は近年のコアファイターと同様ですが、スライド可動がとても独特で内部構造を知らないと変形が難しい。スムーズに変形でるように、可動部分の加工とグリスアップを行いました。

 

ミサイルランチャーの開閉。

 

 

ランディングギアの展開、リアエンジンのメタルパーツ化、などなど。

 

従来のコアファイターは直線的な解釈が多かったですが、PGUGは複雑な曲面構成でマッシブなラインになりました。すごく凝ったアレンジです。

 

 

 

パーフェクトグレード・アンリーシュド RX-78 ガンダム 完成しました♪

 

 

制作写真の一部は、過去の制作から流用している場合があります。なぜかというと、制作に夢中になると写真を撮り忘れることが多いからです。また製作工程の時間軸が前後する場合もあります。できるかぎり制作風景をわかりやすくしたいので、そういった処理をする場合がありますことをご了承ください。

今回の制作で使用したカラーセットとメタルパーツセットを【ぷらもぷらす】で販売してます。デカール購入希望の方は直接メールください。

最後まで観て頂いてありがとうございました。 みなさんの感想やリクエストが僕の製作の励みになっています。 よろしかったら気軽にメールなどくださいませ。

みなさまに、楽しい模型ライフを!

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