PG UNLEASHED 1/60
RX-78-2 ガンダム

作品番号 Y05AC

 

 

 

※こちらは下書きのページです。最新版はこちらです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ここから制作風景です

 

■このキットを作ってみて
パーフェクトグレードかつ40周年記念特別キットということもあって、とても内容の濃いキットでした。ストレートに組んでも十分なボリュームと完成度です。大ボリュームのキットですが、特別難しいことはなく、基本的にはPGやMGやHGUCの延長線で制作できます。キット価格は高額だけど、それに見合った、それ以上のバリューがあると思います。迷っている方はぜひ作ってみてください。

■制作につてい
このキット製作で一番神経をつかったのは「下品にしない」ということでした。このキットはメッキパーツ・細かいディテールや色分けの多さ・LED発光・3Dシール・金属パーツ・エッチングシートなど、元々がハイディテール気味なので、適所適材を外すと「リアル」どころか逆に品が悪くなってしまいます。自分風のアレンジとしては、過剰なディテールをオミットしたり、付け足す場合も最小限に抑るなど、バランス取りに気を使いました。(言うまでもありませんが、すべて個人的な好みにおいてのはなしです)

■完成品を見て
出来上がった完成品を眺めていると、大きいスケールならではの迫力と間延びさせない適度なディテールがあり、バランスが非常に充実しています。また「一時的な流行」に流されず、ファーストガンダムの原点を尊重した心意気を感じて、とても良いキットだと実感しました。

 

■本文中で「Perfect Grade Unleashed Gundam」を「PGUガンダム」または「PGUG」と省略して表記する場合があります、同じ意味として読み取ってください。

■制作内容は非常にボリュームが大きく、全部乗せると長くなりすぎてしまうので、基礎工作やキット自体の説明は省略し、主だった改造内容だけを記しています。

 

 

LED発光はオミットし、センサー系は塗装で仕上げます。クリアーパーツはヒケやバリがすごいので、ヤスリで全面成形&下地足付けし、ベースコートから時間をかけて層を重ね、しっかり発色するように塗装しました。

 

ガンプラでは初(?)のメタルディテール。取り付け方法に凝ってフランジなどを設けたのはいいのですが、その代償として奥行がまったくなく、穴底が丸見えで、せっかくのメタルパーツの効果が出てません。そこで、マズル内部をグレーで塗装し、インナーにステンレス製PPアポジ1.5mmを埋め込みました。

 


内部フレームも凝った構造になっています。ここではグレー1色だったフレームを、メタリックやグレー数色で塗り分け、メタルパーツ埋め込みなどを行いました。

 

ノーマルは大河原的アニメ的表情です。首周りを改造し可動範囲拡大することで、アゴが引けるようになり、カトキハジメ版のような表情もできるようにしました。

 

次に首周りの製作です。

LEDユニットがあるため首周りの可動に制限があります。ここを改造し可動範囲を拡大、アゴをひけるようになって、カトキハジメ的表情もできるようにしました。

 

つづいて腕の製作です。

芯になるフレームは、システムインジェクションのアドバンスドMSジョイントです。RGと比べると肉厚があるので破損やポロリは少ないですが、大きくなったぶんフリクションが増えすぎて可動がかなりキツめで、さらに力を加えるとフレームがたわんでしまいます。特に緑色でマーキングしたスライダーの動きが渋いです。自重保持に影響のない&完成後に見えない範囲で、グリスなどで潤滑を改善しました。

 

手首のブロックは白一色で、このスケールだと間延びしてしまうので、グレーで塗り分けました。成形の甘いディテールは、マイナスモールドやPPアポジなどのメタルパーツに置き換え。メッキパーツはムラがあり超合金オモチャっぽい質感なので、メッキを落としてグレーやゴールドに再塗装。肘後ろ側のカバーは、複雑かつ良い感じのパーツ構成。微調整だけ加えています。

 

マーキングはこのキットに合わせて水転写デカールを新規製作。元々のディテールが多いので、デカールは控えめにデザインしました。キットの丸モールドは切り落とし、貫通穴を開けて、ステンレス製PPアポジ等を埋め込み。

 

このキット手首が8種類入ってます。なお指は可動せず全部固定式です。

最近のMGのような全指可動ギミックも素晴らしいのですが、ライフルを持てなかったり、加工塗装ができなかったりのデメリットも多かった。また完成品を納品した依頼者様から「完成見本のように指を再現できないので、固定してほしい」というリクエストも多くありました。指先の絶妙なニュアンスはガンプラ歴40年でも本当に難しいです。

というわけでもともと僕は固定で仕上げることが多かったので、今回のような固定指は個人的にはとても嬉しいです。(全可動指は別売りオプションで購入できるようにすれば、コストも需要もマッチしそうな気がします)

 

ここで、メッキパーツについてです。

キットにはメッキパーツが多数あります。現実のプロダクト設計では、メッキは機能性と装飾目的では全く違う意味合いがあります。個人的には、あまりメッキが多いと下品に感じます、なのでアレンジしていきます。なおメッキの上からだとヤスリがけや塗装がキレイにできないので、メッキ落とす必要があります。こういった処理を全体に行っています。

メッキを落として表面処理して再塗装した例。ディテールも色合いもシャキッとしたと思います。

 

 

 

つづいてボディです。



胴体には手足・首・コアブロック・バックパックなど多くのアッセンブルが取り付く上に、さまざまな可動もあるため、少々強度が足りずグラグラします。なので全体的な強度をアップさせる工作に重点を置きました。肩甲骨の2重可動、腰の赤部分のスイング伸縮、上半身と下半身をつなげるプレートフレームなどを改善しました。

こういった調整は全身に施しています。見た目だけでなく、眼には見えない強度部分もしっかり作り、ポロポロ・ギシギシしない完成品になるように心がけてます。写真では伝わらないのが残念ですが、強度をしっかり取った完成品は、手にとったときズッシリとした重量感と安心を感じます。外見や質量は同じでも、中身はまったくの別物になっています。

 

ここから腰の製作です。

また股間フレームは強度をもたせるためかスナップフィットやポリキャップがかなりキツめの設計になっているようで、よほど上手に組まないとスキマや固着が発生しやすいです。ですのでポリキャップはストレスがかからないように調整、スナップフィットはすべてMKカットで解除し、組み立てはネジで結合しました。

 

ヘリウムコアのパーツ構成は、ガンプラとしては例外的で重要な注意点があります。取説では普通にフレーム同士を組付けて、あとから黄色パーツをかぶせる手順なので普通に見えます。ですが可動させるとフレームは非固定で可動し、緑で囲んだ部分がフレーム固定の役割になります。またフレーム同士の噛み合わせが硬いので、どこが可動するのか分かりづらく、強く引き出すと黄色固定部分が外れてしまう。キチンと組むには構造をよーく理解する必要があります。対策として説明書とはまったく違う組み立て方をし、固定部分は接着剤やネジで確実固定、可動部分は削ったりグリスアップでスムーズ化などを行って改善しました。

 

写真の青で囲った2箇所は、よほどうまく組み付ければギリギリ正常に動きそうな設計だと思います。ですが実際に可動させると白いプレートと干渉し、可動が閉じなくなります。ここはスリット状にカットアウトして干渉を解除、スムーズに可動できるように改善しました。

以上、ヘリウムコア周辺の2点については、組み立てるときはしっかり構成を理解する必要がありますが、完成後は気にしなくて大丈夫です。

 

 

ヘリウムコア(黄色)は2軸の可動があります。まず内側に向けて開き、そのあと2軸とも可動がスムーズになります。白プレート外側は、まず外側に3mmくらいスライドすると、回転可動ができるようになります。すべての可動部分を調整してありますので、強い力は必要ありません。

 

股間の連邦マーク部分は「大気圏突入」で使用した冷却機構が再現されてます。この赤いパーツの上端は、フレームと可動用ハンドラも兼ねているので、グレー等で塗り分けしました。開く時は赤い部分を押し下げて、閉じる時は上端のグレー部分を押すと閉まります。

 

ここから足の製作です。

骨格はアドバンスドMSジョイント。可動はかなり固めで、それが設計どおりなのか精度誤差の硬さなのか、判別が難しいです。荷重部分はそのまま、スライドなどの不荷重部分にグリスアップしました。

PSやABSのスナップフィットもかなり固め。あまり固いと最後まで差し込めない、分解ができない、完成後もプラに負担がかかり経年ひび割れする、などリスクが多いです。ここではV字型にMKカットしてスナップフィットを解除しています。こういった処理は全身に行っています。

 

 

スネのフレーム。ここに謎の可動があります。緑丸が回転軸、ピンクがフレームの面です。

スネがまっすぐの状態では、赤いシリンダーとフレーム(ピンク線)に約2mmのスキマがある。写真右のように可動させるとフレーム(ピンク線)が赤シリンダーに当たってしまう。シリンダーがテコの原理で強く押し出されるので、シリンダー&シャフトが湾曲するし、いずれ折れてしまう?

この謎の可動は完成後には見えなくなります。これを知らずにヒザを動かそうとすると、ヒザではなくココが動いてしまう?僕の知らない設計思想なのかと、いろいろ検証したのですが、どうしても目的がわからないです。いずれにしても、ここが当たるのは精神的にすごく気になります。

 

というわけで固定にするのが良いと思います。アドバンスドMSジョイントは接着ができず、肉厚も極小なので、細いネジで固定を行いました。そしてその後・・・

 

そして後日、可動の謎が解決しました。

何回目かの製作で、新品のランナーから切り出すときに気が付きました。謎可動は「ガンダムの関節」ではなく、フレームを折りたたんで金型を小さくするための製品上の可動だと思います。いちおうの検討がついたうえで説明書を読んでみましたが特に記述はなかったので、すべてあくまで個人的な予測ですが、たぶん合っていると思います。

ここに外側フレームを組み付けると、可動が固定される仕組みになっています。というわけで普通に組み立てるなら気にしなくて大丈夫です。ただしスネが曲がっていると組み立たないので、フレームをまっすぐにしてから組み立てることが大切です。

 

メッキ落とし、フレーム塗り分けのバランス改善、メタルパーツ追加、水転写デカール新規制作などなど。

ヒザ裏はアドバンスドMSジョイントが露出します。アドバンスドMSジョイントは素材がPE・PPなので加工や塗装ができません。なので、できる限りの整形や色合わせを行いました。また周囲の色を目立たせることでPEPP部分を目立たなくさせるなど、境界色干渉なども利用しました。

キットはメッキが多数ありますが、仕様なのか個体差なのかムラが多いです。メッキを落とし面を整えて、自分の好みの色に塗り替えました。

 

フレームやハッチ裏側にも手を加えています。

 

足首周辺は可動を多く盛り込んでありますが、その弊害として強度が足りず自立が不安定です。今回はカトキハジメ風のキレイな立ちポーズと安定性を目指すため、可動や連動はすべて解除。可動範囲を広げたあと、足裏をガラス面にしっかり接地させ、固定していきます。

完成してしまうと見た目はキットノーマルと変わらないようですが、この立ち方をさせるには可動範囲改造とフレームの改造が必要でした。また可動範囲を大きくしただけではダメで、体幹軸を真っ直ぐにしたり、逆に意図的にずらしたりなどの微調整も必要。関節調整・全部組立・ポーズチェック・全部分解・関節調整・全部組立・・・を何十回行いました。納得できるまでやって良かったです。

足裏はとても手が込んでいます。パーツ分割・色分け・マイナスモールドなどキットノーマルでもすごく良いディテールです。さらに塗り分け追加、ステンレス製マイナスモールド等を埋め込みました。

 

足まで出来上がって自立できるようになったので、フレーム状態で撮影。

かなり何度も検討した結果、すこし派手な色味のフレームになりました。

当初、キットの配色&色味だと少し派手すぎると感じたので、いったんはダーク系の色に塗りました。しかし外装でほとんど隠れてしまうのと、光がフレームまで回らず黒つぶれにってしまいました。なので全部分解して「見える部分・隠れる部分」を十分検討し、最終的には写真のようになりました。フレームだけで観るとだいぶ派手ですが、外装パネルを付けるとちょうどよい感じになっています。

 

つづいてバックパックの制作です。

キットのクリアーレッドパーツは取り外し。キット付属メタルノズルの中心穴が約4mmなので、ここにアポジ4mmをピッタリはめ込んで内径2mmにし、PPノズルAをインナーノズルとして取り付けました。

 

細かい塗り分けの追加、メタルパーツ取り付け。全てのハッチ開閉を調整してあります。

 

ここからライフルの製作です。

センサー。ここではクロムメッキを一部活かしました。センサーのクリアーイエロー部分をグリーンに塗装。

 

アンダーバレル的な部分はボリュームが不足してると感じたので、メタルパーツを塗装したものに交換。

 


ライフル・レシーバーシリンダー(?)のクロムメッキもおもちゃっぽいので、キレイにメッキ落とし。表面処理し、メタリック専用下地ブラックをツヤツヤに塗布、ペールグリーンメタリックで塗装。クリアーでコーティング。グレー系の塗り分け。この「ペールグリーンメタリック」は、写真だと伝わらないけど、深さと重量感があるお気に入りの色です。

 

ノーマルとの比較写真。キットのディテールがとても良いです。個人的にはこれくらいのディテールとメタリックのバランスがちょうどいいかな。

 

ここからシールドです。

アニメだとシールド裏は赤だったので、キットはアニメを再現してるといえますね。ですが模型だとどうしても「赤い板ペラ一枚」に見えてしまうので、シールド裏はグレーで塗り分けます。繰り返しになりますが、シールドも「見える部分・見えない部分」の判断がとても重要でした。普通のガンプラの感覚で組んでいると、完成後に「あ、ここ露出するのか」と後から気づく部分も多いです。逆にとても凝ったディテールなのに完成後には完全に見えなくなる部分もあります。なので仮組みを何度も繰り返し、露出部分の処理漏れがないようにチェックしています。

 

可動軸はかなりキツめの設定になっています。これはときどきカジってしまう、分かりやすく言うとプラ同士が溶着してしまうことがあります。同じように扱っていてもカジるときとカジらないときがあります、気温や湿度なのか、プラの経年変化なのか、僕も原因はわかりません。というわけで一度でもカジッた場合、またはいかにもカジリそうな場合は、対策をします。ここでは高粘度のデフグリスを塗布しました。20年くらいこの方法でトラブルなしです。

 

シールドが完成しました。

 

ここからサーベルの製作です。

ビームの透明パーツは光を反射する効率が悪いです。ビーム部分は加工や塗装の難しい素材ですが、少しでも発光効率を良くするために、表面処理や塗装を施していきます。写真右は無加工と加工後のサーベルです。光の反射率が大きく改善しているのがわかると思います。

 

LED発光。キレイに光るようになりました。

 

 

3本のサーベルのうち、中段だけLED発光しています。下段サーベルはノーマル無加工であきらかに集光率低いです。上段サーベルは無発光ですが、加工したので光っているように見えます。発光効率を大幅に改善できたとおもいます。

 

 

 

ここからコアブロックの製作です。

コアブロックは上半身の構造体も兼ねているので、加工は控えめにして強度を優先させています。完成後は完全に隠れてしまいますが、塗り分けやディテールアップ等を行いました。

 

 

 

つづいて変形式コアファイターです。

キャノピーフレーム塗装、メタルパーツ装着、垂直尾翼の白塗り分けなどなど。

 

コアファイターにはディスプレイベースをお付けします。

 

 

 

 

パーフェクトグレード・アンリーシュド RX-78 ガンダム 完成しました♪

 

 

いつもはオークションに出品してるのですが、今回は【ぷらもぷらす】で販売しています。即納可能です。

 

 

 

 

 

制作写真の一部は、過去の制作から流用している場合があります。なぜかというと、制作に夢中になると写真を撮り忘れることが多いからです。また製作工程の時間軸が前後する場合もあります。できるかぎり制作風景をわかりやすくしたいので、そういった処理をする場合がありますことをご了承ください。

今回の制作で使用したカラーセットとメタルパーツセットを【ぷらもぷらす】で販売してます。デカール購入希望の方は直接メールください。

最後まで観て頂いてありがとうございました。 みなさんの感想やリクエストが僕の製作の励みになっています。 よろしかったら気軽にメールなどくださいませ。

みなさまに、楽しい模型ライフを!