PG Unleashed パーフェクトグレード・アンリーシュド RX-78-2 ガンダム 完成しました♪
この完成品はオークションに出品予定です。もし直接購入を希望される場合は直接メールください。たぶんですがオークションより直接取り引きのほうが安くなるのでお得です。 →購入者様決定しました。ありがとうございました。
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■このキットをストレートで作ってみた感想
パーフェクトグレードかつ40周年記念特別キットということもあって、とても内容の濃いキットでした。大ボリュームのキットですが、特別難しいことはなく、基本的にはPGやMGやHGUCの延長線で制作できます。ストレートに組んでも十分なボリュームと完成度です。キット価格は高額だけど、それに見合った、それ以上のバリューがあると思います。迷っている方はぜひ作ってみてください。
■制作につてい
このキット製作で一番神経をつかったのは「下品にしない」ということでした。このキットはメッキパーツ・細かいディテールや色分けの多さ・LED発光・3Dシール・金属パーツ・エッチングシートなど元々ディテールが過剰気味。なので、バランスを崩すと「リアル」どころか逆に品が悪くなってしまいます。自分風のアレンジとして、過剰なディテールをオミットしたり、色使いの統一感を出すなど、バランス取りに気を使いました。(念のため「上品下品」は個人的な好みです)
■完成品を見て
出来上がった完成品を眺めていると、大きいスケールならではの迫力と間延びさせない適度なディテールがあり、質も量も非常に充実しています。また「一時的な流行」に流されず、ファーストガンダムの原点を尊重した心意気を感じて、とても良いキットだと実感しました。
■本文中で「Perfect Grade Unleashed Gundam」を「PGUガンダム」または「PGUG」と省略して表記する場合があります。同じ意味として読み取ってください。
■制作内容は非常にボリュームが大きく、全部掲載すると長くなりすぎてしまうので、基礎工作やキット自体の説明は省略しています。このキット特有の改造内容だけを記しています。
まず頭部の発光についてです。LEDユニットは胸のあたりに位置します。LEDの光は胸・首・頭部のクリアーパーツを通り、ツインアイと前後のセンサーを光らせる構造です。
LEDを点灯しました。しかし経路が複雑でロスが大きく、ツインアイの光量が足りないです。
というわけで今回はLED発光はオミットしました。センサー系は塗装で仕上げます。クリアーパーツはヒケやバリがすごいので、ヤスリで全面成形&下地足付けし、ベースコートから時間をかけて塗装を重ね、しっかり発色するように塗装しました。
ガンプラでは初(?)のメタルパーツ。しかし中心が貫通しておらず底が丸見えで、せっかくのメタルパーツの利点が生かせていません。対策としてマズル内部をグレーで塗装し、インナーにステンレス製PPアポジ1.5mmを埋め込みました。
内部フレームも凝った構造になっていまが、グレー1色でメリハリがありません。メタリックやグレー数色で塗り分けを増やし、メタルパーツ埋め込みなどを行いました。
フレームは完成後にはほとんど見えなくなりますが、細かいマスキングを何度も繰り返し、塗り分けを多くしました。
5連ダクトは3重構造になっています、しかしノーマルのままだとせっかくの多重構造がほとんど見えません。そこで5連ダクトの四角形のユガミを整形しつつ穴を拡大。ルーバー・フレーム・フェアリングをそれぞれ塗り分けました。写真だと分かりにくいですが、ノーマルよりもレイヤー構造が目視しやすくなりました。
メンテナンスハッチ・オープン。今回の制作ではハッチクローズ状態でのプロポーションを優先して作っていますが、ハッチオープンした場合のハッチ裏側や露出フレーム等も手を加えています。
眼の下からホホ・アゴに通る縦のラインは、キットでは段差表現でしたが、スジボリに変更しました。そのほかディテールの精度アップやアゴのアウトライン微調整などなど。
ノーマルは大河原的アニメ的表情です。首周りを改造し可動範囲拡大することで、アゴが引けるようになり、カトキハジメ版のような表情もできるようにしました。
LEDユニットがあるため首周りの可動やディテールに制限があります。カトキハジメ的表情を再現するために、可動をひろげてアゴを引けるようにしました。
シリンダーシャフトのクロムメッキはムラもなく表面仕上がりもいい感じなので、メッキを活かしつつ、マウント部をグレーで塗り分けました。シリンダーケースはメッキのムラが目立つので、メッキ落としてゴールドで再塗装。
赤線でマークした部分はスナップフィットの接合部なので、通常のガンプラなら隠れる部分です。しかしここだけは露出しますので、組み込む前に塗り分けを済ませておきます。
センチネルVer.Kaっぽさを出すために、デコルテをグレーに変更しました。
黄色ダクトのルーバーは可動式ですが、自重でペタペタに垂れてしまうので、ベストなアングルで固定にしました。
キットの制作手順は内側から外側に向かって「フレーム・トラス・外装」と組み上げていく感じが楽しいです。でも仕上がりをより良くするにはブロックごとに組み上げていくのが最善です。しかしパーツ同士の組み合わせがかなり複雑なので、十分に理解する必要があります。
胴体には手足・首・コアブロック・バックパックなど多くのユニットが取り付く上に、さまざまな可動もあるため、少々強度が足りずグラグラします。なので全体的な強度をアップさせる工作に重点を置きました。肩甲骨の2重可動、腰の赤部分のスイング伸縮、上半身と下半身をつなげるプレートフレームなどを改善しました。
こういった調整は全身に施しています。見た目だけでなく、眼には見えない強度部分もしっかり作り、ポロポロ・ギシギシしない完成品になるように心がけてます。写真では伝わらないのが残念ですが、強度をしっかり取った完成品は、手にとったときズッシリとした重量感と安心を感じます。外見や質量は同じでも、中身はまったくの別物になっています。
肩周りの可動は大きくアレンジされてます。肩をせり出せば派手なポーズもできるし、閉じれば違和感なく収まります。ちょっとだけ強度不足でもありますが、今回のメインである立ち姿なら十分な強度があったので、可動は残しました。
あと胸上面左右のハッチも本来なら開閉するのですが、今回は固定しています。なぜかというと、可動のためのジョイントが致命的に弱いからです。「割れる」と分かってて慎重に扱っても、あっさりポロリと壊れます。自分はPGUGを10体以上作り、それなりに研究していますが、ここだけは改善が難しい。もし完成品納品後に破損すると修理も大変。リスクが高すぎることを考慮して、今回はクローズ固定で仕上げました。
中央コクピットハッチの跳ね上がり可動について。まず上に3mmくらい持ち上げて、それから前方に5mmくらいずらします。そこからはある程度自由に動きます。
ちなみにこのコクピットの前後動作がLEDのON/OFFスイッチに連動しています。しかしコクピットの形状のせいで指でつまむのが難しく、可動自体も複雑。スイッチ連動がフワフワなので、何度もなんども動かしてみてやっと偶然スイッチONになる。モードを切り替えるにはさらにスイッチを短く押す、しかし押せない。これを1秒以内に行わないと自動的にOFFになる。手間取って長く押してもOFFになってしまう。やっと点灯してもLEDタイマーが1分と短いので、あっというまに消えてしまう。「スイッチONにするのが非常にむずかしい。たとえスイッチONにできても、棚に立たせて、遠くからじっくり鑑賞するということが事実上不可能」という状態です。
素直な感想を言えば「どうしてこんな設計にしたの??」ってストレスを感じます。LED発光はこのキットの唯一にして最大の欠点かなと思います。そんな理由もあってLED発行はオミットしました。
上半身にはコアブロックが収納されます。ただしこの周辺のジョイントが弱いため、うかつに上半身を持ち上げると、下半身がスポッと抜けて落下破損します。この対策のため腰回りはネジ打ちで固定しました。(ネジを外せばコアブロック脱着可能に戻せます)
かなりアレンジされたデザインですが、バランスは良好です。マーキングはこのキットに合わせて水転写デカールを新規製作。元々のディテールが多いので、デカールは控えめにデザインしました。
芯になるフレームは、システムインジェクションのアドバンスドMSジョイントです。RGと比べると肉厚があるので破損やポロリは少ないですが、大きくなったぶんフリクションが増えすぎて可動がかなりキツめで、さらに力を加えるとフレームがたわんでしまいます。例えばここでは緑色でマーキングしたスライダーの動きが渋いです。自重保持に影響のない&完成後に見えない範囲で、グリスなどで潤滑を改善しました。
前腕の手首寄りのところに謎の可動があります。緑色マーキングした部分と赤矢印の部分、ほんの2mmくらいの可動です。派手なポーズをするときに必要になるのかもしれませんが、それにしても可動が小さすぎて役割が不明。完成後は可動を確認することができず、保持も弱くグラグラしてるので、ズレたことに気が付かず間違ったポージングをしてしまう可能性が高い。
ずいぶん検証しましたが、この可動の必要性が分からなかったので、まっすぐで固定にしました。芯のフレームはPPPE素材なので接着ができず、かつ肉厚もないので強度も足りない。ごく細いネジを数カ所固定することで解決させました。
前腕には金属プレス製パーツが仕込まれています。これがシールド側の磁石で結合される仕組みです。磁力の強さは静かにディスプレイには十分ですが、移動やポーズ変更するときは外れ落ちるかもしれませんので注意してください。金属プレスパーツはスライドハッチを閉じると隠れます。
手首のブロックは白一色で、このスケールだと間延びしてしまうので、グレーで塗り分けました。成形の甘いディテールは、マイナスモールドやPPアポジなどのメタルパーツに置き換え。メッキパーツはムラがあり超合金オモチャっぽい質感なので、メッキを落としてグレーやゴールドに再塗装。肘後ろ側のカバーは、複雑かつ良い感じのパーツ構成。微調整だけ加えています。
基本的にはハッチクローズでのバランスを優先で作っています。ハッチオープンした場合も、ハッチ裏側塗り分けや露出するフレームの統一感などを改善しています。
マニピュレータ。キットノーマルでは、クロムメッキ+グレー指+ネイビーブルーの手甲、とうい配色になっています。しかし指と手甲はほとんど真っ黒で見分けがつかない。さらにクロムメッキとのコントラストが強すぎて、メリケンサックを握ってるようにも見えます。
手の甲はホワイト系にしてVer.Kaっぽくしました。手指のグレーも明度をあげてメッキとのバランスをとりました。
このキット手首が8種類入ってます。指は可動せず全部固定式です。
最近のPGMGのような全指可動ギミックも素晴らしい。ですが、グラグラでライフルを持てなかったり、加工や塗装ができなかったり、完成後にポロポロ脱落したりで、デメリットも多かった。また完成品を納品した依頼者様から「グラグラして完成見本のように指を再現できないので、固定してほしい」というリクエストも多くありました。指先の絶妙なニュアンスはガンプラ歴40年でも本当に難しいです。
そんな理由もあって近年は固定で仕上げることが多かったので、今回のような固定指は個人的にはとても嬉しいです。指先のニュアンスもとても良い。※全可動指は別売りオプションで購入できるようにすれば、コストも需要もマッチしそうな気がします。
腕が完成しました。ちなみに前腕は意図的に左右逆にしています。なぜかというと、説明書どおりだと前腕のハッチを内側に開くと、いわゆる「脇が甘くなる」状態で、美しい立ち姿が再現できなくなるからです。ハッチを外側に開くようにすることで、機能を崩さずポージングのアウトラインを改善できます。差し替えれば左右を元通りにもできます。
フレームはABSとアドバンスドMSジョイントの組み合わせ。派手なポーズをさせるための可動が多くありますが、それが原因で強度フニャフニャで、ポーズさせても保持することができません。今回はキレイな立ち姿と安定性を目指すため、それぞれベストな位置で固定しました。
また股間フレームは強度をもたせるためかスナップフィットやポリキャップがかなりキツめの設計になっているようで、よほど上手に組まないとスキマができるし、ピッタリ組んだつもりがいつの間にか緩んだりします。この周辺だけで約50箇所あるスナップフィットをすべて調整し、吸い付くようにピッタリ組めるようにしました。さらに一番強度がとれる部分でネジで結合しました。スルスル〜ピッタリ!ガチガチ!!で、気持ちよく組み立てとポージングができます。
フレームが完成したら、塗り分けやディテールアップをおこないます。
ヘリウムコアのパーツ構成は、ガンプラとしては例外的で重要な注意点があります。取説では普通にフレーム同士を組付けて、あとから黄色パーツをかぶせる手順なので普通に見えます。ですが可動させるとフレームは非固定で可動し、緑で囲んだ部分がフレーム固定の役割になります。
またパーツ同士の噛み合わせが硬いので、どこが可動するのか分かりづらく、強く引き出すと黄色固定部分が外れてしまう。着実に組むには構造をよーく理解する必要があります。可動部分は削ったりグリスアップでスムーズに、固定部分は接着剤やネジで確実固定し、おそらく最善の組み上げになったと思います。さらにいうと、構造が理解できたなら説明書とは違う手順で組み立てしたほうが仕上がりがより良くなります。
写真の青で囲った2箇所は、よほどうまく組み付ければギリギリ正常に動きそうな設計です。ですが実際に可動させると白いプレートと干渉し、可動が閉じなくなります。原因は白プレートが可動するときに浮き上がりやすい構造になっているからです。白パーツの改善は難しいので、黄色パーツをスリット状にカットアウトするほうが良いです。これで干渉を解除しスムーズに可動できるように改善できました。
削ったほうが良い部分と、絶対に削ってはダメな部分があります。接着したほうが良い部分と絶対に接着しちゃダメな部分あります。難しい機構でしたが、ほぼベストに最適化できたと思います。
可動や強度を優先的に加工したあとは、ディテールの加工を行います。キットの丸ディテールは塗装で塗り分けての表現もできますが、今回はPPアポジに変更しました。シャープさが段違いに良くなります。そのほかPPアポジ1.5mm、2m、3mm、マイナスリベットなどでディテールアップ。
ヘリウムコア(黄色)は2軸の可動があります。まず内側に向けて開き、そのあと2軸とも可動がスムーズになります。白プレート外側は、まず外側に3mmくらいスライドすると、回転可動ができるようになります。すべての可動部分を調整してありますので、強い力は必要ありません。
股間の連邦マーク部分は「大気圏突入」で使用した冷却機構が再現されてます。この赤いパーツの上端は、フレームと可動用ハンドラも兼ねているので、グレー等で塗り分けしました。開く時は赤い部分を押し下げて、閉じる時は上端のグレー部分を押すと閉まります。
サイドジャケットは一部フレーム色が露出してます。そういうデザインなのか、キットの色分け省略なのかは不明です。ここは自分の好みで白に塗り分けました。上下スライドの可動は残してあります。
足のフレームはABSとアドバンスドMSジョイントの組み合わせ。スナップフィットも可動軸もかなり固めで、無加工で組むにはけっこう強引な力加減が必要。それでも最後まで差し込めない、一度組むと分解ができない。それが設計どおりなのか成形の個体差なのか判別が難しいです。いずれにしてもこのままだと完成後もプラに負担がかかり経年劣化でヒビ割れのリスクがあるので、徹底的に改善します。
ほぼすべてのスナップフィットをMKカットしてクリアランス調整、スルスルピタッと組み立つようにしました。接着剤は使用しません、なぜなら経年劣化するからです。固定はネジで行い、可動部にはグリスアップ。こういった処理を全身に行っています。
カトキハジメ風立ちポーズをさせるためフレームの改造をしています。この工作は個人の好みであり、内容も少々複雑なので詳細は省略します。
ふとももの白いパーツの前後の合いが悪く、隙間ができます(個体差?)。また後ろ面のハッチの閉まりが悪い。それぞれ赤い部分を加工すると解消します。
スネのフレーム。ここに謎の可動があります。緑丸が回転軸、ピンクがフレームの面です。
スネがまっすぐの状態では、赤いシリンダーとフレーム(ピンク線)に約2mmのスキマがある。写真右のように可動させるとフレーム(ピンク線)が赤シリンダーに当たってしまう。シリンダーがテコの原理で強く押し出されるので、シリンダー&シャフトが湾曲するし、いずれ折れてしまう?
この謎の可動は完成後には見えなくなります。これを知らずにヒザを動かそうとすると、ヒザではなくココが動いてしまう?僕の知らない設計思想なのかと、いろいろ検証したのですが、どうしても目的がわからないです。いずれにしても、この可動が機械設計的に間違ってるように見えて、精神的にすごく気になります。
というわけで固定にするのが良いと思います。アドバンスドMSジョイントは接着ができず、肉厚も極小なので、細いネジで固定を行いました。そしてその後・・・
そして後日、可動の謎が解決しました。
切り取る前の新品ランナーを見ていたら気が付きました。謎可動は「ガンダムの関節」ではなく、フレームを折りたたんで金型を小さくするための(コスト削減のための)製品上の可動だと思います。いちおうの検討がついたうえで説明書を読んでみましたが特に記述はなかった。なので、すべてあくまで個人的な予測ですがたぶん合っていると思います。
ここに外側フレームを組み付けると、可動が固定される仕組みになっています。というわけで普通に組み立てるなら気にしなくて大丈夫です。ただしわずかな強度ロスも発生するので、フレーム単体をまっすぐに固定することでより安定した強度が得られます。
ヤスリがけなどの工程が一区切りするごとに、アルコールや中性洗剤や汚れを落とします。特に超音波洗浄は絶対必須です。洗いが終わったら乾燥ブースで温度乾燥。
メッキ落とし、フレーム塗り分けのバランス改善、メタルパーツ追加、水転写デカール新規制作などなど。
ヒザ裏はアドバンスドMSジョイントが露出します。アドバンスドMSジョイントは素材がPE・PPなので加工や塗装ができません。なので、できる限りの整形や色合わせを行いました。また周囲の色を目立たせることで「境界色干渉現象」なども利用しPPPEの弱点を補完しました。
キットのパーツ色分けは良くできているのですが、やはりどうしてもパーツ単位の色分けだと限界があり、機能と色がマッチしてない箇所もあります。これを現実の機能的塗装に塗り替えていきます。ただし実機をそのままスケールダウンすると境界色干渉や縮尺錯視というデメリットにもなるので、模型的&アニメ的アレンジも加えます。
本来はここにキット付属のエッチングパーツを貼ります。しかしエッチングのデザインだとエアフローの効率が悪化します。なのでエッチングパーツはオミットしました。もし付けるとしたらインタークーラーやラジエターコアのようなデザインが良いと思います。
フレームやハッチ裏側にも手を加えています。
キットにはメッキパーツが多数あります。現実の世界でメッキは「機能性」と「装飾目的」の2種類に分けられます。機能性のないメッキが多いと下品に感じますので、アレンジしていきます。(個人の感想です)
メッキの上からだとヤスリがけや塗装がキレイにできないので、メッキ落とす必要があります。そしてプラモデルのメッキは3層構造になってるので、メッキ落としは少し手間がかかります。
なお市販のメッキ落とし溶剤はプラを溶かす成分が入っていて、仕上がりに影響するのが不満でした。どうにか改善できないかと探求した結果、プラを侵さずメッキだけを落とす溶剤を作ることができました。この自家製溶剤は15年くらい使ってますがメリットばかりでデメリットなしです。(メッキ剥がし液はぷらもぷらすで販売してます)
メッキ落として表面処理して再塗装。ディテールも色合いもシャキッとしたと思います。こういった処理を全体に行っています。
足首は可動を増やすためか軸が上下2つあります。が、力点1つに対し作用点が2つあるので、下だけ動かしたくても上が動いてしまう。この設計だと上下とも狙った角度にするのは論理的に不可能です。さらにここは完成後にはほとんど見えなくなり、手も入らないので、真っ直ぐにしようとしてもむりやりグリグリしてラッキーを狙うしかないです(まず不可能)。というわけで十分に検証した結果、1箇所をベストアングルで固定しました。もう1箇所は可動します、これで十分です。
ソールパーツの接地面は3分割可動。つま先&かかとがせり上がります。ただし連動スライドが独特な構造で、しかも完成後には見えなくなるので、内部構造を知らないと動かせないと思います(ちなみに知っててもうまく動かせない)。余談ですがロック解除すると写真右のようにへの字に可動するようになります。アクションポーズとるなら解除もオススメ。
今回はカトキハジメ風のキレイな立ちポーズと安定性を目指すので、連動はすべて解除してベストアングル固定にします。
赤矢印で指した部分、一般的な調整を行いましたが、どうやってもスキマができるようです。ここだけ見れば微小なスキマですが、こういう小さな原因が積み重なって、最終的に不安定な完成品になってしまいます。ここではフレーム自体を削ることでスキマをピッタリにしました。ココはかなり難しい調整でした。
アキレス腱をカバーするパーツは中央部分が割れやすくなってます。ここもスナップフィットで応力(無理な力)がかかるので、完成後も溶剤浸透や経年で割れる可能性があります。対策としてランナーを残したままヤスリがけ、スナップフィットの応力の解除、浸透性の低い塗料などで対策します。
足裏はパーツ分割・色分け・マイナスモールドなどけっこう手が込んでいます。しかしディテールが甘かったり、クリアーパーツなのに発光しなかったりと、おもちゃ感も残っています。モールドを切り落としてステンレス製パーツに交換したり、塗り分け追加したり。
足裏と大地をしっかり接地させる工作です。ノギス、治具、ガラス板などたくさんの道具を使います。
四肢を大きく飛ばす派手なアクションポーズと比べ、シンプルな立ちポーズはいっけん簡単に見えますが、実はとてもむずかしいです。芯の通った体幹・左右対称・横から見たS字姿勢・足裏の接地感・配色のバランスなど、美しいシルエットにするために考える要素がとても多い。模型歴が長くなるにつれ、シンプルほど美しく難しいことを実感します。
完成写真は一見するとキットノーマルと変わらないようですが、この立ち方をさせるには可動範囲改造とフレームの改造が必要でした。可動範囲を大きくするだけではダメで、体幹軸を真っ直ぐにしたり、逆に意図的にずらしたりなどの微調整も必要。調整を何十回行いました、納得できるまでやって良かったです。
※写真では地面と赤パーツにわずかに隙間が見えますが、それが正解です。このキットでは足裏パーツが地面に接地して、それを囲う垂直赤パーツは0.3mmくらい浮いてる構成です。なので地面と赤パーツに0.3mmくらい隙間があるのが正常な状態です。
足まで出来上がって自立できるようになったので、フレーム状態で撮影。かなり何度も検討した結果、すこし派手な色味のフレームになりました。
当初、キットの配色&色味だと少し派手すぎると感じたので、いったんはダーク系の落ち着いた色に塗りました。しかし外装でほとんど隠れてしまうのと、光がフレームまで回らず、せっかくの多重構造が黒つぶれになってしまいました。なので「見える部分・隠れる部分」を十分検討し、最終的には写真のようになりました。フレームだけで観るとだいぶ派手ですが、外装パネルを付けるとちょうどよい感じになっています。
ガンプラ初(?)のメタルノズル。たぶんアルミにブルーのアルマイト。重量感のあるメタリックでとても良いコーティングです。内側にはLED発光のためのクリアーレッドのパーツ。
光源はビームサーベルに内蔵されたLEDです。ビームサーベルの光がバックパック内クリアパーツを通り、ノズルが光る仕組み。しかし導線が長いためロスが多く、ノズルの光はとても弱い。消灯してるときはクリアーレッドパーツのオモチャっぽさ目立ってしまう。ですので発光ギッミックはオミットすることにしました。
キットのクリアーレッドパーツは取り外し。自作メタルパーツのPPノズルAをインナーノズルとして取り付けました。
ブルーアルマイトとゴールドの組み合わせ、良いですね。
フレームが終わったので、バックパックの外装パネル。甘いモールドをオミットし、マイナスリベットやPPアポジなどに置き換え。可動はすべて残してあります。
ハッチ開閉。中央の明るいグレー部分はシールドマウントです。回転可動は残してありますが構造上かなりキツめに設計してあるので、あまり動かさないほうが良いと思います。シールドを背中に背負わせたいときだけ慎重に動かしてください。
センサー。ここではクロムメッキを一部活かしました。センサーのクリアーイエロー部分をグリーンに塗装。
センサーのマウントはイエローメッキ。ここがメッキコーティングされているのは機能的に意味がないので(個人的意見)、メッキを落としてフレーム色で再塗装。センサーマウントは3軸の可動があるのですが、ここが少しでもズレすると見栄えが極端に悪くなりますので、真っ直ぐな状態で固定にしました。
アンダーバレルはボリュームが不足してると感じたので、メタルパーツを塗装したものに交換。
そのほか甘いディテールを整形したりメタルパーツに置き換えたり。
ライフル・レシーバーシリンダー(?)のクロムメッキもおもちゃっぽいです。クリアコート落とし・メッキ落とし・ベースコートを落とし、表面処理、メタリック専用下地ブラックをツヤツヤに塗布、ペールグリーンメタリックで塗装。クリアーでコーティング。グレー系の塗り分け。この「ペールグリーンメタリック」は、写真だと伝わらないけど、深さと重量感があるお気に入りの色です。
グレー数色はわずかにグリーン寄りのウォームグレーで、それにペールグリーンメタリックで色相を揃えています。そして色味が逆のプラチナゴールドメタリックでアクセントを取っています。
トリガーやセフティ(リリースシャフト?)の可動を調整しつつ、塗り分け。そのほか細かい部分でディテールの整理・塗り分け・メタルパーツ追加などなど。マニピュレータは固定指なので、ライフルをしっかり保持してくれます。
ノーマルとの比較写真。キットもけっこう良い感じですが、個人的な好みでディテールの整理とカラーリングをアレンジしました。アニメ設定にも近づいたと思います。
ビューファインダーは開閉できます。なおキットにはクリアーパーツがついてますが、厚みやウェルドなどで透明度が良くなかったので、クリアーパーツはオミットしています。
シールド表面はアニメのように柔らかい曲面構成になっていて、とても良い感じ。それにあわせて連邦十字の取付面も湾曲していますが、ただやはり3D曲面同士の取り付けは精度が難しく隙間ができがち。仮組みの段階で何度も何度も調整して、ピッタリ収まるようにしました。
アニメだとシールド裏は赤だったので、キットはアニメを再現してるといえますね。ですが模型だとどうしても「赤い板ペラ一枚」に見えてしまうので、シールド裏はグレーで塗り分けて多重構造を表現します。
シールドもそうですが、このキットは全体的に「見える部分・見えない部分」の判断がとても重要でした。普通のガンプラの感覚で組んでいると、完成後に「あれ、ここ露出するのか」と後から気づく部分も多いです。逆にとても凝ったディテールなのに完成後には完全に見えなくなる部分もあります。なので仮組みを何度も繰り返し、露出部分の処理漏れがないようにチェックするのが重要な工程でした。
この赤いパーツはヤスリなどの成形処理からはじまり、10色くらいの塗装、スミ入れ、デカール、3層コーティングと工程が多いです。段取りを考えると、このキットの中でも一番最初に工作を始め、仕上がるのは最後くらいになります。
シールドと左腕を接続するためのネオジムマグネットです。この部分は(マグネットの誤飲防止とかの安全基準のためか?)組立済状態でキットに入っています。このままだとヤスリや塗装がやりにくいので分解します。4つのツメで固定されてるのでツメを解除するのが理想ですが、実際にはツメを外すのは困難です。やや強引ですがコジあけるのがベストです、丁寧にやればまったく傷つきません。
まぁでも、破損が怖い場合は、分解しなくても大丈夫です。マスキングなどすればヤスリも塗装も可能です。
シールド本体とマウントの取付がガタガタするので、ネジで固定。
シールドのアーム類。本体にくらべて簡易な金型&ディテールでしたので、面を整理してメタルパーツを追加。
キットの可動軸はかなりキツめの設計になっていますが、ちょっとキツすぎるようでときどきカジってしまいます。プラ同士が摩擦熱で溶着(焼付き?)してしまう感じです。一度カジると可動も分解もほぼ不可能になります。分解するにはパーツ破壊が必要になります。
プラ歴長いですが、このカジリが発生する条件はいまだによくわからないです。同じキットでもスムーズだったりカジッたりします。ただしカジる予兆として「パチッ!パチッ!」っていう音がします。こうなったら絶対に無理せず、いったん分解し、摩擦面に粉が発生してるのでこれをきれいに除去し、軸を細めたりグリスを塗って対策します。今回は予めクリアランス調整し必要最低限のグリスアップして対策しています。
模型歴長い人は「リップクリームやメンタムやワセリンをグリスや剥離剤として利用」という定番をご存知と思います。しかし僕の模型経験でリップ・メンタム・ワセリンは使わなくなりました。
なぜかというと、ときどき原因不明でフレームが割れることがあり、どうやらグリスが原因なのでは?という疑いがでました。そこでリップクリーム等の成分を調べたら、ジエステルやポリエチレングリコールなどが樹脂を侵すらしいとわかりました。樹脂を侵す成分が入っていないグリスを探すと「リチウム系」となりました。これを長年つかってますが、割れは全くなくなりました。
※グリスの成分についてはネットや書籍で調べた「素人知識」です。もし詳しい人がいましたら勉強させてもらえたら嬉しく思います。
シールドのブラケットは可動が多いです、しかし自由度がありすぎるせいで逆にベストの位置がわかりにくいと思います。今回のように立ちポーズでディスプレイする場合は、上の写真のようにするのがベストです。真っ直ぐと90度の組わせだけなので簡単に再現できると思います。微妙な調整はシールド側のボールジョイントで十分に可能です。
それから、シールド下端には左手握り用グリップがありますが、けっこう取り付けが難しく、角度や位置も固定されてしまいます。マグネットだけで十分保持できますので、下端のグリップは固定で仕上げました。
白い外枠のパーツ構成が少し複雑で無理入れな感じがあるので、微調整しました。ディテールは良好なのでスミ入れ・デカール・メタルパーツでさらに精度アップ。
最近では面を埋め尽くすハイディテールが流行っていますが、個人的には美しい曲面一発のデザインも好きです。このキットは全体的にディテール多めですが、こういう広い面も残してくれて、嬉しいです。
いっぽう、裏面はハイディテールです。表面とのコントラストがバランス良いですね。グレーやメタリックで重厚感を出しました。
シールドが完成しました。
サーベルは3本あります。左の2本が普通のサーベル。右1本がLED発光サーベル。
普通のサーベル2本はパーフェクトグレードなのに残念な品質。モナカ割りで合わせ目が目立つし、ディテールはデザインも金型もクオリティ低めです。合わせ目消してディテールを整理します。
あと1本はLED内蔵サーベルです。半完成状態で提供されてます。
この発光するサーベルは電気的な安全対策のためか素材が独特です。なにかの繊維を織り込んだような不思議な硬さがあり、加工や塗装がけっこう難しいです。分解もできないので、安全に加工できる範囲で処理しました。
電池の交換は簡単です。スイッチもスライドするだけのシンプルなもの。
頭部や胸部の発光は設計に不具合があり残念な感じでしたが、サーベルはシンプルな構成で光量も十分です。
しかしビームの透明パーツは光を反射する効率が悪いです。加工や塗装の難しい素材ですが、少しでも発光効率を良くするために、表面処理や塗装を施していきます。写真右は無加工と加工後です。光の反射率が大きく改善しています。
LED発光。キレイに光るようになりました。
3本のサーベルのうち、中段だけLED発光しています。上段サーベルは無発光ですが、加工して効率化したので光を拾ってます。下段サーベルはノーマル無加工であきらかに集光率低いです。ビームの表現を大幅に改善できました。
コクピット。完成後は完全に隠れてしまいますが、塗り分けやディテールアップ等を行いました。
コアブロックは上半身の構造体も兼ねているので、加工は控えめにして強度を優先させています。
基本的な変形構造は近年のコアファイターと同様です。しかし機種のスライド可動が独特で、内部構造を知らないと変形が難しい(知っていても難しい)。簡単スムーズに変形でるように、可動部分の加工とグリスアップ。
飛行状態と収納状態にあわせてコクピットシートが90度回転します。
機首のランディングギアの可動方法。半分開いて、前に出して、全開に開く。
クリアパーツは傷がつかないように袋にいれて保管。マスキングはテープとゾルを併用。
キャノピーフレーム塗装、メタルパーツ装着、垂直尾翼の白塗り分けなどなど。
ミサイルランチャーの展開。ミサイルランチャーは組み立ても可動もキツキツなので、調整してあります。
ランディングギアもスライド収納可能。
変形してコアブロックに。
コアファイター用にディスプレイスタンドをお付けします。
郵送事故で完成品が破損するのは、購入者さんにとってはもちろん、僕自身もすごく悲しいです。なので梱包はしっかり行っています。ウレタンスポンジで囲ってダンボール(70サイズx2個)に入れます。そのダンボール2個をエアキャップで囲って、さらに大きいダンボール(140サイズ)に入ます。ウレタンスポンジ+ダンボール+エアキャップ+ダンボールの4重クッションで発送しています。梱包方法を常に改善してきた結果、この方法がとても安定していると思います。
過去数百の完成品発送で郵送中に破損したのはかなり昔の3件のみ、それも明らかに運搬中の手荒い落下衝撃が原因です。幸い軽度の損傷だったので無料で修理しました。運輸会社の信頼度も年々上がっていますので、近年では郵送中破損の可能性は極めて低くなってます。万が一の場合、軽度なら無料修理、重度なら相談しつつ運輸会社の保険適用などで対応したいとおもいます。(なお可動模型特有の微細なコスレ等については、正常範囲内としてご了承ください)
パーフェクトグレード・アンリーシュド RX-78 ガンダム 完成しました♪
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※このキットの素組レビューを「W34 PGUガンダム素組レビューのページ」にアップしています。さらに詳しいキット検証や注意点などを記載ています。またハッチ開閉がけっこう難しいので開閉のコツなども掲載してます。キット制作の参考や完成品購入される方も、ぜひ見てください。
みなさまに、楽しい模型ライフを!