MGニューガンダムVer.Ka
バーストモード

作品番号 Z12

 

MGニューガンダムVer.Ka バーストモード完成しました。

 

 

 

 

 

ここから制作風景です

 

MG ニューガンダム Ver.Kaをサイコフレーム・バーストモードで制作しました。

このキットが販売された当時(2012年)はバランスの取れた良キットでした。12年たった今でも十分なクオリティがあります。しかし最新のキットと比べると少々物足りない部分もあります。

そこでPGアンリーシュドガンダムや解体匠機ニューガンダムなど最新フラッグシップキットのテイストを取り入れて制作しました。今回はバーストモードで製作するので、サイコフレームの増設、メインフレームの塗り分け追加などに重点を置きました。

 

 

まずは頭部の製作です。

・ホホのスジボリを掘り直し。
・ひさしの下、チンガード、トサカのバリ取りと面構成の修正。
・フェイスパーツ下端のアウトラインを修正して小顔化。
・アンテナの整面とシャープ化。
・首の関節がキツイのでポリキャップを調整。

 

・ダクト奥グレー部分のスジボリ塗り分け。
・バルカンにはPPアポジ2mmを埋め込み。
・薬莢排出口はグレーで塗り分け。
・襟足のパーツは最適な位置で固定してあります。

 

首周りは白パーツですが、個人的な好みでグレーに変更。

 

胴体から肩フレームがせり出すような可動になっていますが、強度不足でフニャフニャです。美しい立ち姿をしっかり検討し、ベストな角度で固定しました。

 

腰回りのフレームも強度が弱く、ファンネルを背負うと重さで左に倒れてしまいます。キットの関節を固定するだけではまだ不足で、スキマにプラ材などのブラケットを詰めてネジと接着で固定し、十分な強度を確保しました。

 

キットのサイコフレーム(蛍光グリーンの部分)は少々ボリューム不足なので増量します。

 

さらにメインフレームもグレー数色やメタリックなどで塗り分けを増やします。

 

背面にはサイコフレームがほとんどないので追加しました。

 

写真だとちょっとわかりにくいですがフレームの塗り分けで情報量アップしてます。

 

上半身と下半身を接続する腰のボールジョイント。グラグラするしほとんど可動しないので、ネジで固定にしました。

 

 

つづいて肩の製作です。

パーツ同士のフィット感が少しフワッとしてるので、フレームからしっかり固定していきます。

 

左がノーマルの状態。単調な板状でコントラストが少ないので改善します。スナップフィット用の切り欠きがほんのちょっとだけど見えるのが気になるのでパテで埋め。下半分をプラチナメタリックで塗り分け。

 

メインフレームの先端部分も形状を変更してサイコフレームとして塗り分け。

 

配色バランスが改善されたと思います。

 

メタルパーツ、キットデカール&自作デカールを貼り付けて完成。

 

 

腕の製作です。

MGニューガンダムは過去に十体以上作っていて、失敗や改善点のメモがたくさんあるので、スムーズで着実に製作が進みます。

 

以前は気にならなかったのですが、12年で金型が消耗してるのか、全体的にバリが増えてる気がします。

 

繰り返しになりますが、ここでもサイコフレーム部分が少ないので増設します。

 

いろんな色を、増やしたり減らしたりしてます。

 

ヒジの関節は以前と同じメタリックで塗り分けました。しかし・・・

 

組み立ててみると、なんかボヤッと感じました。その原因はペールグリーンメタリックとサイコフレームグリーンでグリーン2色が色カブりしてるようです。こういうのは塗装して組み立ててみるまでわからないですね。というわけでメタリックを減らしてグレーの塗り分けにしました。今回はこれで正解でした。

 

 

前腕。まずはキットの指示通り塗装します。これを何度も何度も眺めて脳内でプランを練って・・・

 

外装フェアリングは微調整、フレームの情報量を増やしました。

 

ちなみに前腕のフレームを切り欠き加工することで、フェアリング(白いパーツ)のスライド量を増やして、フレームの露出量を増やしてます。

 

左腕のビームサーベルホルダーはグレー数色で塗り分けました。

 

右の前腕です。ここも塗り分けを増やしています。

 

マニピュレータは軟質樹脂なのでヤスリなどの加工ができません。パテを多めに盛って成形しました。

 

右手はライフルのグリップに固定しました。人差し指セフティを再現。

 

左手は少しニュアンスのある平手で固定しました。

以前に完成品を納品した依頼者様から「指先が完成写真のようにできない」という問い合わせをいただきました。確かにこのマニピュレータは可動が多すぎるせいでポージングが非常に難しいです。また、何度か動かしているとポロッと取れてしまい、いちど取れると保持力がほぼゼロになってしまいます。たくさん試行錯誤してきましたが、固定で仕上げるのがベストと思います。

 

 

下半身の製作です

股間フレームです。写真左のパーツ(K1)の上部分がフレームと干渉するので、クリアランスを修正。股間軸には回転機構があるのですが、あまり意味がない上に強度を落としているので、しっかり固定しました。また太ももに刺さる軸は、夏で気温が上がるなどの条件で、あっさりポロッと折れることがあります。ここは高強度パテを充填して強度アップ。

 

このパーツにはかなり負担がかかります。スナップフィットだけではパカパカしてしまうので貫通ネジで固定。プラチナメタリック等で塗り分け。

 

腰アーマーはサイコフレームが全くないので、追加しました。

 

 

サイドアーマーはグレーで塗り分け追加。

 

 

太ももの製作です。

太もものフレームを加工し、フェアリングのスライド量を増加。

 

クリアパーツは素材の性質が原因で成形精度が悪くバリも大きいです。表面はもちろん側面も裏面もほぼ全面整形をします。

 

整形が終わったら超音波で洗浄。ちなみに歯ブラシゴシゴシよりも超音波洗浄のほうが数十倍きれいになります。肉眼でみただけでもハッキリ違いが出ます。

 

まずはノーマルどおりの塗装。それを眺めながらどこに色を足すか引くか、バランスを見ながらひとつひとつ進めていきます。

 

いい感じに仕上がりました。

 

足(スネ)の製作です

スナップフィットの穴はほぼ全て加工調整しています。これは全身に行っています。

 

ここはパーツがぴったり組み立たないです。ポリキャップを少しだけ短くするとピッタリはまります。

 

このキットにはフレームがスライド可動する部分がいくつかあります。それを保持するのがポリキャップの摩擦だけなので、どうしてもフンワリゆるゆるなフレームになります。これをプラ材やネジで物理的に固定します。

なお接着剤ではなく、できるだけネジを使うようにしてます。ネジを使うことで仮組み分解を何度も行っても毎回必ずピッタリの位置を保持できる。接着剤は経年劣化するがネジは半永久的。完成後の分解メンテナンスも可能。などなどメリット多いです。

 

なかなか複雑なパーツ構成ですが、穴やピンなどひとつひとつすべての役割を理解して、調整していきます。キツめの方が良い、ユルユルが良い、絶対に削ってはダメ!などなど。

 

フレームの塗装がほぼ終わりました。ただ単に色を増やすだけじゃなく、配置やバランスは何十回も検討しました。(この写真のあと、さらに調整しています)

※「ツインアイやセンサーグリーンを鮮やかに塗装するにはどうしたらいいんですか?」という質問を多くいただきましたので、ぷらもっちの【ぷらちく】のコーナーに「ツインアイ塗装方法」と「蛍光塗料と光源についての記事」をアップしました。蛍光塗装のウンチクなどが書いてありますので、ぜひ見てみてください。

 

ノーマルはノズル2本。ブラケットを新造してノズル3本。ステンレス製ノズルに変更。

 

このキットは後ろから見たときにサイコフレーム露出量が非常に少ないので、背面側は多めに増量しました。

 

しっかりと自立できるようにするため、足裏と地面を接地させる工作です。ノギス、治具、ガラス板、ネジ、接着剤などたくさんの道具を使います。重要な工作です。

 

かかと側にサイコフレームを追加。

 

フレーム製作と外装フェアリング製作は、同じガンプラだけどまったく違う考え方が必要です。道具もそれぞれ別なセットを使います。

 

ある程度の加工が終わったら超音波洗浄。一つのキット製作で20回〜30回くらい超音波洗浄するかな。ちなみに自然換装よりも温風乾燥のほうがきれいに仕上がります。

 

足首も完成しました。

 

足裏と地面の設置感。

手足を大きく飛ばす派手なアクションポーズと比べ、シンプルな立ちポーズはいっけん簡単に見えますが、実はとてもむずかしいです。そもそも自立できないキットが多い。芯の通った体幹・左右対称・横から見たS字姿勢・重量バランス・足裏の接地感・配色のバランスなど、美しいシルエットにするために考える要素がとても多い。模型歴が長くなるにつれ、シンプルほど美しく難しいことを実感します。

 

 

ここからバックパックです。

バックパックはけっこう複雑な構成で、改善点や「絶対に削ってはいけない箇所」などがたくさんあります。過去12年分のノウハウがメモしてあって(我ながら)助かります。

 

ファンネルとの接続部分は元のデザインの制限から、どうしても構造が弱いです。ファンネル脱着は力を入れないように行います。また、万が一破損したときのために、交換可能にしてあります。

 

 

メインノズル4基はステンレス製PPノズルCに交換。

 

 

ここからファンネルです

ファンネルは可動式になってますが、プラスチックの摩耗だけで支える構造のため、安定性がありません。説明書とは全く違う組み立て方にします。

 

ヒンジの役割をするグレーのパーツは、折りたたみ方向によって説明書と逆の入れ方をしたほうがキレイに仕上がります。

 

キットの接続パーツ+プラ板や金属軸などで強度アップ。

 

ファンネルはサイコミュシステムの最もメインな要素なので、サイコフレームを追加。ただしあまり派手にせず、奥まったところに少しだけ見えるようにしました。

 

できる限り強固にしあげました。が、伸びている2本は引っかかりやすいので注意が必要。

 

 

ライフルの製作です

ライフルは合わせ目が目立たないパーツ分割で、ノーマルでもクオリティが高いです。ただ少しだけコントラストが弱いので、塗り分けやメタルパーツ埋め込みなど行いました。

 

ペールグリーンメタリックは写真だとわかりにくいですが、実物はとても良い雰囲気で、気に入っている色です。

 

 

バズーカの製作です

他のパーツにくらべてバズーカのパーツは精度が悪く、ディテールデザインもちょっとイマイチかな。キレイに整面します。

 

バズーカの弾頭です。設定画が赤なのでキットも赤なのは納得です。しかしやはり兵器として赤単色っていうのは違和感があるので、塗装とメタルパーツでディテールアップ。

 

マズルの胴体と先端円、先端と中央のブラックブルーのパーツ(パンツァーシールド?)など、地味に形が歪んでいるので、それぞれ修正。

 

キットノーマルパーツを知ってる人なら、この周辺の面取りや細部ほぼ全部に手が加わっているのがわかると思います。バズーカに関しては微調整では不足で、大胆におおきく削ったほうが仕上がりが良くなります。

 

スライド機構等はオミットし、バックパックに背負った状態のシルエットを最優先で仕上げました。

 

 

シールドの製作です

裏面はグレー一色なのでユニットごとに塗り分け。

 

シールドのミサイルも設定画どおりの赤ですが、これもグレーに変更しメタルパーツなどでディテールアップ。

 

センターのビームマズルも塗り分けとPPアポジを追加しました。

 

 

塗装が終わったパーツは、柔らかくてホコリの出ないクッション材で保管してます。

 

 

 

郵送中の破損リスクと梱包方法について

 

上の写真はPGUガンダムの梱包例です。

 

郵送事故で完成品が破損するのは、購入者さんにとってはもちろん、僕自身もすごく悲しいです。なので梱包はしっかり行っています。ウレタンスポンジで囲ってダンボール(70サイズ)に入れます。そのダンボールをエアキャップで囲って、さらに大きいダンボール(140サイズ)に入ます。ウレタンスポンジ+ダンボール+エアキャップ+ダンボールの4重クッションで発送しています。梱包方法を常に改善してきた結果、この方法がとても安定していると思います。

過去数百の完成品発送で郵送中に破損したのはかなり昔の3件のみ、それも明らかに運搬中の手荒い落下衝撃が原因です。幸い軽度の損傷だったので無料で修理しました。運輸会社の信頼度も年々上がっていますので、近年では郵送中破損の可能性は極めて低くなってます。万が一の場合、軽度なら無料修理、重度なら相談しつつ運輸会社の保険適用などで対応したいとおもいます。(なお可動模型特有の微細なコスレ等については、正常範囲内としてご了承ください)

 

 

 

MGニューガンダムVer.Ka バーストモード完成しました。

 

制作写真の一部は、過去の制作から流用している場合があります。なぜかというと、制作に夢中になると写真を撮り忘れることが多いからです。また製作工程の時間軸が前後する場合もあります。できるかぎり制作風景をわかりやすくしたいので、そういった処理をする場合がありますことをご了承ください。

今回の制作で使用したカラーセットとメタルパーツセットを【ぷらもぷらす】で販売してます。デカール購入希望の方は直接メールください。

最後まで観て頂いてありがとうございました。 みなさんの感想やリクエストが僕の製作の励みになっています。 よろしかったら気軽にメールなどくださいませ。

みなさまに、楽しい模型ライフを!